甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

三重塔

【上市町】日石寺(大岩不動)

今回は富山県上市町の日石寺(にっせきじ)について。 日石寺は町南部の山間に鎮座する真言密宗の大本山です。山号は大岩山。通称は大岩不動。 創建は不明。寺伝によると、725年(神亀二年)に行基によって開かれたとのこと。創建から中世にかけての沿革は不明。…

【豊川市】三明寺(豊川弁才天)

今回は愛知県豊川市の三明寺(さんみょうじ)について。 三明寺は豊川駅南の住宅地に鎮座する曹洞宗の寺院です。山号は龍雲山。通称は豊川弁才天。 創建は寺伝によると702年(大宝二年)。文武天皇が当地を行幸し、大和国の僧侶・覚淵に命じて仏堂を建てたのがは…

【成田市】新勝寺(成田山) その2 大本堂、三重塔、一切経蔵

今回も千葉県成田市の新勝寺について。 その1では総門と仁王門について述べました。 当記事では大本堂、三重塔、一切経蔵などについて述べます。 大本堂 仁王門をくぐって石段を昇った先には大本堂。右手には三重塔がそびえ立ちます。 大本堂は、RC造、桁行5…

【垂井町】真禅院

今回は岐阜県垂井町の真禅院(しんぜんいん)について。 真禅院は町の南西の山際に鎮座する天台宗の寺院です。山号は朝倉山。 創建は不明。社伝によると、739年(天平十一年)に行基が開いた宮処寺(ぐうしょじ)が前身で、勅命を受けた最澄によって南宮大社の神宮…

【奈良市】興福寺 後編(南円堂、北円堂、三重塔)

今回も奈良県奈良市の興福寺について。 前編では五重塔、東金堂、中金堂などについて述べました。 当記事では南円堂、北円堂、三重塔について述べます。 南円堂 中金堂の前を通って境内西側へ向かうと、南円堂(なんえんどう)が東向きに鎮座しています。堂内…

【葛城市】當麻寺 その3(東塔、西塔)

今回も奈良県葛城市の當麻寺について。 その1では仁王門、薬師堂などについて、 その2では本堂、講堂、金堂について述べました。 当記事では国宝の東塔、西塔などについて述べます。 東塔 金堂の正面側から、南側にある山のほうへ入ると東塔が鎮座しています…

【広陵町】百済寺

今回は奈良県広陵町の百済寺(くだらじ)について。 百済寺は町東部の百済地区の集落に鎮座する高野山真言宗の寺院です。山号はありません。 創建は不明。百済大寺という寺院が前身らしく、百済大寺は飛鳥時代に開かれた官寺であり平城京の南都七大寺にも列し…

【大津市】園城寺(三井寺) その2 閼伽井屋、一切経蔵、塔婆

今回も滋賀県大津市の園城寺について。 その1では仁王門、食堂、金堂について述べました。 当記事では閼伽井屋、一切経蔵、塔婆などについて述べます。 鐘楼(三井の晩鐘) 金堂向かって右手前には鐘楼があります。 切妻、檜皮葺。 1602年(慶長七年)造営。国指…

【神戸町】日吉神社

今回は岐阜県神戸町の日吉神社(ひよし-)について。 日吉神社は町北部の住宅地に鎮座しています。 創建は社伝によると817年(弘仁八年)。最澄によって比叡山(延暦寺と日吉大社)から勧請されたのが始まりとのこと。当初は延暦寺の寺領として栄えたようです。室…

【袋井市】油山寺

今回は静岡県袋井市の油山寺(ゆさんじ)について。 油山寺は市北部の山間に鎮座する真言宗の寺院です。山号は医王山。 同市の尊永寺、可睡斎とともに遠州三山のひとつに数えられます。 創建は寺伝によれば701年(大宝元年)で、行基によって開かれたとのこと。…

【愛荘町】金剛輪寺 後編(本堂、三重塔)

今回も滋賀県愛荘町の金剛輪寺について。 前編では参道と国重文の二天門について述べました。 当記事では国宝の本堂と、国重文の三重塔について述べます。 本堂(大悲閣) 二天門をくぐった先には、圧倒的な風格と存在感を漂わせる本堂(大悲閣)が堂々と鎮座し…

【駒ケ根市】光前寺 後編(弁天堂、本堂、三重塔)

今回も長野県駒ケ根市の光前寺について。 前編では仁王門、三門、鐘楼について述べました。 後編では弁天堂、本堂、三重塔について紹介・解説いたします。 弁天堂 三門をくぐった先には池があり、その小島には弁天堂が鎮座しています。 桁行1間・梁間1間、入母…

【高崎市】榛名神社 前編(随神門、三重塔など)

今回は群馬県高崎市の榛名神社(はるな-)について。 榛名神社は高崎市の山中に鎮座しています。 創建は586年にさかのぼり、山中に神籬を立てたのが始まりといわれます。平安期の『延喜式』にも記載されていて、上野国六宮とされています。江戸期までは榛名山…

【上越市】五智国分寺(越後国分寺)

今回は新潟県上越市の五智国分寺(ごち こくぶんじ)について 五智国分寺は上越市の海岸近くに鎮座する天台宗の寺院です。山号は安国山。 奈良時代に建立された越後国分寺の後継にあたり、現在の寺院は上杉謙信によって当地に移転され再興されたと伝えられてい…

【上田市】前山寺

今回は長野県上田市の前山寺(ぜんさんじ)について。 前山寺は塩田平南部にある前山(まえやま)地区の山際に鎮座する真言宗の寺院です。山号は独鈷山(獨股山)。 創建は平安時代で、空海が修行の地として開いたのが始まりといわれます。現在地に伽藍が造られた…

【青木村】大法寺

今回は長野県青木村の大法寺(だいほうじ)について。 大法寺は青木村の北東部にある山際の集落に鎮座している天台宗の寺院です。山号は一乗山。 開基は奈良時代と伝えられ、信州でも屈指の古刹の1つ。境内の最奥部には国宝に指定されている三重塔があり、その…

【佐久市】新海三社神社 後編(東本殿と三重塔)

今回も長野県佐久市の新海三社神社について。 前編ではアクセス情報と拝殿や西本殿・中本殿について述べました。 当記事は新海三社神社の東本殿と三重塔について述べます。 東本殿 東本殿は西本殿・中本殿とは少し距離を置いた場所に鎮座しています。後方に見…

【佐久市】貞祥寺

今回は長野県佐久市の貞祥寺(ていしょうじ)について。 貞祥寺は佐久市南東部の山際に鎮座している曹洞宗の寺院です。山号は洞源山。 境内には長野県宝に指定されている三重塔と総門と楼門があるほか、島崎藤村の旧宅があるなど充実した内容。また、参道や伽…

【上田市】信濃国分寺(八日堂)

今回は長野県上田市の信濃国分寺(しなのこくぶんじ)について。 信濃国分寺は上田市南部の国道18号線に面した場所に鎮座している天台宗の寺院。山号はなく、八日堂(ようかどう)の通称で呼ばれています。 奈良時代に聖武天皇の命で各国につくられた国分寺の後…

【小川村】高山寺

今回は長野県小川村の高山寺(こうさんじ)について。 高山寺は小川村の中心地から少し山道を登った先の集落の中にあります。 伽藍は西にアルプス(飛騨山脈)を望む見晴らしの良い高台に鎮座しており、雄大な展望の中で北信唯一の三重塔を楽しむことができます…

【高山市】飛騨国分寺

今回は岐阜県高山市の飛騨国分寺について。 飛騨国分寺は高山の市街地の中心部に鎮座しており、境内はさほど大きくないものの、飛騨地方で唯一の三重塔や重要文化財の本堂などなど、見どころの多い内容となっています。 文化的・歴史的な価値は本堂のほうが上…

【上田市】安楽寺 後編(八角三重塔など)

今回も長野県上田市の安楽寺について。 前編では本堂などの伽藍について紹介・解説しました。 当記事では国宝の八角三重塔 などについて解説していきます。 経蔵と傅芳堂 国宝の八角三重塔のある場所へ行くには、本堂の左手にある拝観受付を通って階段の斜面…

【大町市】若一王子神社

今回は長野県大町市の若一王子神社(にゃくいちおうじ-)について。 若一王子神社は大町市の市街地に鎮座しています。 広い社叢の中には中信地方で唯一の三重塔があるだけでなく、桧皮葺の本殿や、観音堂などなど非常に見どころが多く、寺社好きならば必見の充…