今回も東京都文京区の護国寺について。 前編では仁王門、不老門、大師堂について述べました。 当記事では月光殿、本堂などについて述べます。 多宝塔 石段をのぼり、本堂の手前の区画へ行くと、参道左手に多宝塔が東面しています。 三間多宝塔、桟瓦葺。 193…
今回は東京都文京区の護国寺(ごこくじ)について。 護国寺は大塚地区の住宅地に鎮座する真言宗豊山派の大本山です。山号は神齢山。 創建は1681年(天和元年)。徳川綱吉によって、母の桂昌院の祈願寺として開かれ、幕府や庶民の崇敬を受けて隆盛しました。江戸…
今回は東京都港区の泉岳寺(せんがくじ)について。 泉岳寺は高輪地区の住宅地に鎮座する曹洞宗の寺院です。山号は萬松山。 創建は1612年(慶長十七年)。徳川家康の開基により桜田門近辺に開かれました。1641年に火災で境内伽藍を焼失し、徳川家光の命で現在地…
今回は東京都港区の瑞聖寺について。 瑞聖寺は白金台に鎮座する黄檗宗の寺院です。山号は紫雲山。 創建は1670年(寛文十年)。摂津麻田藩2代目・青木重兼の開基により、木庵性瑫*1が開山しました。創建以来、江戸の黄檗宗寺院の中心として隆盛し、多くの伽藍が…
今回は東京都目黒区の目黒不動尊(めぐろ ふどうそん)について。 目黒不動尊は下目黒の住宅地に鎮座する天台宗の寺院です。山号は泰叡山、寺号は瀧泉寺(りゅうせんじ)。 創建は不明。伝承によると808年(大同三年)、円仁が当地で不動明王像を彫って祀ったのが…
今回も東京都目黒区の祐天寺について。 前編では仁王門、本堂などについて述べました。 当記事では阿弥陀堂、地蔵堂などについて述べます。 阿弥陀堂 本堂向かって左手前(本堂北東)には、阿弥陀堂が西面しています。阿弥陀堂を西向きに建てるのはめずらしい…
今回は東京都目黒区の祐天寺(ゆうてんじ)について。 祐天寺は中目黒地区の住宅地に鎮座する浄土宗の寺院です。山号は明顕山(明顯山)。 創建は1718年(享保三年)。増上寺の祐海が善久院という寺院を購入・再興し、師の祐天の廟所としたのがはじまりです。創建以…
今回は東京都渋谷区の金王八幡宮(こんのう はちまんぐう)について。 金王八幡宮は渋谷駅東側の市街地に鎮座しています。 創建は社伝によると1092年(寛治六年)。渋谷城を築いた河崎基家(渋谷重家)が八幡宮を祀ったのがはじまりらしく、金王という社号は彼の嫡…
今回も東京都渋谷区の明治神宮について。 前編では参道や南神門周辺について述べました。 当記事では南神門、外拝殿などについて述べます。 南神門 三の鳥居の先には南神門(みなみしんもん)。 三間一戸、楼門、入母屋、銅板葺。 1920年造営、国重文。 下層。…
今回は東京都渋谷区の明治神宮(めいじじんぐう)について。 明治神宮は代々木地区の市街地に鎮座しています。 創建は1920年(大正九年)。明治天皇を祀るため、第一次大戦後、勤労奉仕によって造営されました。太平洋戦争では空襲により本殿などの主要な社殿を…
今回は京都府京都市の豊国(とよくに-)について。 豊国神社は東山区の住宅地に鎮座しています。祭神は豊臣秀吉。 創建は1599年(慶長四年)。豊臣秀吉(1598年没)の遺体は阿弥陀ヶ峰に埋葬されましたが、1599年に朝廷から「豊国大明神」の神号が下賜され、豊国神…
今回も京都府京都市の東本願寺について。 前編では阿弥陀堂門、阿弥陀堂について述べました。 当記事では御影堂門、御影堂などについて述べます。 御影堂門 阿弥陀堂門を出て、烏丸通を北へ30メートルほど行くと、御影堂門(ごえいどうもん)が東面しています…
今回は京都府京都市の東本願寺(ひがしほんがんじ)について。 東本願寺は京都市街に鎮座する真宗大谷派の本山です。山号はありません。通称は東本願寺、お東さん、正式名称は真宗本廟(しんしゅうほんびょう)。 本願寺としての創建は1321年(元亨元年)、東本願…
今回も長野県長野市の善光寺について。 その1では仁王門と釈迦堂について、 その2では山門と経蔵について、 その3では本堂について述べました。 当記事では、鐘楼、忠霊殿などについて述べます。 鐘楼 本堂向かって右手前(南東)には、鐘楼があります。 桁行2…
今回も京都府京都市の西本願寺について。 その1では御影堂などについて、 その2では阿弥陀堂などについて述べました。 当記事では唐門などについて述べます。 経蔵 御影堂向かって右手前(北東)には、経蔵が南面しています。内部には、天海版一切経が収められ…
今回も京都府京都市の西本願寺について。 その1では御影堂などについて述べました。 当記事では阿弥陀堂などについて述べます。 御影堂周辺の伽藍 御影堂の南側、境内南東端には、飛雲閣(ひうんかく)という3階建ての建築があります。ふだんは非公開で、年に…
今回は京都府京都市の西本願寺(にしほんがんじ)について。 西本願寺は京都市街に鎮座する浄土真宗本願寺派の本山です。山号は龍谷山。通称は西本願寺、お西さん、正式名称は本願寺(ほんがんじ)。 創建は1321年(元亨元年)。親鸞(1262年没)の墓所「大谷廟堂」…
今回も京都府京都市の興正寺について。 前編では三門と御影堂について述べました。 当記事では、鐘楼、阿弥陀堂、経蔵などについて述べます。 鐘楼 三門の南側、境内南東には鐘楼があります。 桁行3間・梁間2間、入母屋、本瓦葺。袴腰付。 1774年(安永三年)造…
今回は京都府京都市の興正寺(こうしょうじ)について。 興正寺は西本願寺の南に隣接する真宗興正派の本山です。山号は円頓山。 創建は不明。寺伝によると1212年に親鸞が山科に開いた寺院が前身で、順徳天皇の勅願により興正寺と号したとのこと。事実上の創建…
今回は長野県塩尻市の観音寺と麻衣廼神社について。 観音寺 所在地:〒399-6301長野県塩尻市贄川1423(地図) 公式 :観音寺 観音寺(かんのんじ)は旧贄川宿に鎮座する高野山真言宗の寺院です。山号は楊梅山。 創建は寺伝によると806年(大同元年)。中世の沿革は…
今回は群馬県富岡市の貫前神社(ぬきさき-)について。 貫前神社は富岡市街の丘陵の中腹に鎮座する上野国一宮です。 創建は、社伝によると27代・安閑天皇の時代とのこと。創建の経緯については諸説あり、史料上に見られる「抜鉾神社」と「貫前神社」の関連性な…
今回は群馬県富岡市の妙義神社(みょうぎ-)について。 妙義神社は市北西部の妙義山のふもとに鎮座しています。 創建は社伝によると537年(宣化天皇二年)。もとは波己曽神社(はこそ-)と呼ばれ、この社名で『日本三代実録』(901年成立)に記載されています。その…
今回は一年の最終日ということで、2023年の総集編となります。 ことし当ブログで紹介した約150件の寺社建築のうち、感動した、あるいは秀逸だと思ったものをノミネートし、見どころや文化的価値について短評を述べていきます。 なお、ノミネートの選考基準は…
今回も群馬県高崎市の八幡八幡宮について。 前編では神門や鐘楼などについて述べました。 当記事では、主要な社殿の拝殿・幣殿・本殿と、天満宮などの境内社について述べます。 拝殿・幣殿・本殿 境内の中心部には、拝殿・幣殿・本殿が1棟になった権現造のような社…
今回は群馬県高崎市の八幡八幡宮(やわたはちまんぐう)について。 八幡八幡宮は市西端の丘陵上の住宅地に鎮座しています。正式名は上野国一社八幡宮(こうずけのくに いっしゃ はちまんぐう)。 創建は社伝によると957年(天徳元年)で、源頼信が当地に石清水八幡…
今回は群馬県高崎市の達磨寺(だるまじ)について。 達磨寺は市の西端の丘陵に鎮座する黄檗宗の寺院です。山号は少林山。 創建は不明。延宝年間(1673~1681年)の創建とする説や1712年(正徳二年)説など、諸説ありますが、遅くとも江戸中期には確立されていたよう…
今回は群馬県安中市安中(あんなか)の熊野神社(くまの-)について。 熊野神社は安中市街の中心部に鎮座しています。 創建は1559年(永禄二年)。領主の安中忠政が、安中城の鬼門除けとして熊野権現を勧請したのがはじまり。以降、歴代の安中城主の崇敬を受け、城…
今回は長野県長野市の恵妙寺(えみょうじ)について。 恵妙寺は松代地区の南東の山際に鎮座する黄檗宗の寺院です。山号は象山(ぞうざん)。 創建は1677年(延宝五年)。松代藩3代藩主・真田幸道によって開かれ、境内には幸道の正室・豊姫の墓所と霊屋が造られていま…
今回は長野県長野市の象山神社(ぞうざん-)について。 象山神社は松代地区の住宅地に鎮座しています。祭神は幕末の学者・佐久間象山(さくま しょうざん)。 創建は1938年(昭和十三年)。1913年の象山没後50年を機に、松代地区の有志によって神社建立が計画され、…
今回は長野県長野市の大英寺(だいえいじ)について。 大英寺は松代地区の住宅地に鎮座する浄土宗の寺院です。山号は皓月山。 創建は1620年(元和六年)。真田信之が正室・小松姫の菩提寺として、上田城下に寺を開いたのがはじまりです。1622年の真田家の松代移封…