2021-01-01から1年間の記事一覧
今回は一年の最終日ということで、2021年の総集編となります。 ことし当ブログで紹介した約150件の寺社建築のうち、感動した、あるいは秀逸だと思ったものをジャンル・年代・文化的価値を問わずノミネートしていきます。 なお、ノミネートの選定基準は私の感性…
今回は奈良県橿原市の入鹿神社(いるか-)について。 入鹿神社は市中央部の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。仏起山普賢寺(真言宗高野山派)という寺院の鎮守社として創建されたようです。室町末期以降、普賢寺は近隣の今井町(称念寺など)を中心とする浄土…
今回は奈良県橿原市の称念寺(しょうねんじ)について。 称念寺(稱念寺)は市街南西にある今井の寺内町に鎮座する浄土真宗本願寺派の寺院です。山号は今井山。 創建は室町時代末期。浅井長政の家臣だった川瀬権八郎(今井兵部富綱)が、本願寺の顕如に許可を得て…
今回は奈良県橿原市の橿原神宮(かしはら じんぐう)について。 橿原神宮は橿原市街の南側にある畝傍山や神武天皇稜に隣接して鎮座しています。 創建は1890年(明治二十三年)。天皇家の初代・神武天皇とその妃を祀った畝傍橿原宮が前身で、有志の請願を受けた明…
今回は奈良県橿原市の久米寺(くめでら)について。 久米寺は橿原神宮の南側に鎮座する真言宗御室派の寺院です。山号は霊禅山。 創建は不明。寺伝によれば聖徳太子の弟の来目皇子(くめのみこ)や久米仙人なる人物の開基らしいです。奈良末期から平安初期にかけ…
今回は奈良県広陵町の百済寺(くだらじ)について。 百済寺は町東部の百済地区の集落に鎮座する高野山真言宗の寺院です。山号はありません。 創建は不明。百済大寺という寺院が前身らしく、百済大寺は飛鳥時代に開かれた官寺であり平城京の南都七大寺にも列し…
今回は奈良県橿原市の瑞花院(ずいけいん)について。 瑞花院は市北西部の住宅地に鎮座している浄土宗の寺院です。山号は祐禅山、寺号は吉楽寺。 創建は不明。興福寺の門徒で当地に居館を構えていた飯高(いだか)氏の菩提寺として開かれ、もとは真言宗だったと…
今回は奈良県田原本町千代(ちしろ)の本光明寺と春日神社について。 本光明寺 所在地:〒636-0246奈良県磯城郡田原本町千代1154(地図) 本光明寺(ほんこうみょうじ)は町中央部の住宅地に鎮座する真言律宗の寺院です。山号は無量山。 創建は不明。勝楽寺という…
今回は奈良県田原本町の多坐弥志理都比古神社(おおにます みしりつひこ-)について。 多坐弥志理都比古神社は町西部の田園地帯に鎮座しています。通称は多神社。 創建は不明。文献上の初出は奈良時代で、正倉院文書に「太神社」として納税の記録があるようで…
今回は奈良県田原本町の村屋坐弥冨都比売神社(むらやにいます みふつひめ-)について。 村屋坐弥冨都比売神社は町東部の川沿いに鎮座しています。通称は村屋神社。 創建は不明。文献上の初出は『日本書紀』で、673年の壬申の乱の折、当社の神主が神託による献…
今回は奈良県田原本町の池坐朝霧黄幡比賣神社(いけにます あさぎりきはたひめ-)について。 池坐朝霧黄幡比賣神社は町東部の法貴寺地区の住宅地に鎮座しています。通称は池神社。 創建は不明。社伝によると、推古天皇の時代に法貴寺という寺院の鎮守として創…
今回は奈良県田原本町の鏡作坐天照御魂神社(かがみつくりにいます あまてるみたま-)について。 鏡作坐天照御魂神社は町東部の住宅地に鎮座しています。通称は鏡作神社。 創建は紀元前の10代・崇神天皇の時代とされます。三種の神器のひとつである八咫鏡が伊勢…
今回は奈良県桜井市脇本(わきもと)の春日神社(かすが-)について。 春日神社は市東部の国道165号沿線の集落に鎮座しています。 創建は不明。社名から推察するに、春日大社から勧請されたものと思われます。沿革についても不明で、現在の本殿が江戸初期のもの…
今回は奈良県桜井市黒崎(くろざき)の白山神社(はくさん-)について。 白山神社は市東部の国道165号沿線に鎮座しています。別名(正式名称?)は白山比咩神社(しらやまひめ-)。 創建は不明。伝承(境内案内板)によると、21代・雄略天皇が泊瀬朝倉宮(はつせ あさくら…
今回は奈良県桜井市の與喜天満神社と素戔雄神社について。 與喜天満神社 所在地:〒633-0112奈良県桜井市初瀬14(地図) 與喜天満神社(よき てんまん-)は長谷寺の門前の山際に鎮座しています。 創建は社伝によれば946年とのこと。その後の沿革は不明ですが、当…
今回も奈良県桜井市の長谷寺について。 その1では仁王門、登廊、鐘楼について、 その2では三百余社、三社権現、本堂について述べました。 当記事では五重塔、奥の院、本坊などについて述べます。 弘法大師御影堂 本堂の裏手から先へ進むと、弘法大師御影堂(…
今回も奈良県桜井市の長谷寺について。 その1では仁王門、登廊、鐘楼について述べました。 当記事では三百余社、三社権現、本堂について述べます。 三百余社 登廊と本堂のあいだの狭い空間には、境内社の三百余社が東向きに鎮座しています。 三百余社は一間…
今回は奈良県桜井市の長谷寺(はせでら)について。 長谷寺は山間の門前町の奥に鎮座している真言宗豊山派の総本山です。山号は豊山(豐山)。 創建は奈良時代初期とされますが、詳細は不明。平安期には確立されており、『源氏物語』などにも登場します。もとは…
今回は長野県諏訪市の善光寺(ぜんこうじ)について。 善光寺は市西部の山際の集落に鎮座する真言宗智山派の寺院です。山号は松尾山。 長野県に3件ある善光寺のひとつ。通称は諏訪善光寺。 創建は不明。伝承によると本田善光の開基で、本尊の善光寺如来を坐光…
今回は三重県津市の四天王寺(してんのうじ)について。 四天王寺は津の中心市街に鎮座する曹洞宗の寺院です。山号は塔世山。 創建は寺伝によれば飛鳥時代。推古天皇の勅願を受けた聖徳太子によって開かれたとのこと。近隣にある津観音と同様、室町期には戦火…
今回は三重県津市の専修寺の門前の子院・末寺について。 当記事では専修寺の門前に点在する子院・末寺について述べます。 専修寺の境内伽藍については当該記事をご参照ください。 玉保院 所在地:〒514-0114三重県津市一身田町2812(地図) 専修寺山門の手前のに…
今回も三重県津市の専修寺について。 その1では唐門と山門について、 その2では如来堂と御影堂について述べました。 当記事では通天橋や御廟などの伽藍について述べます。 通天橋 如来堂と御影堂のあいだは、通天橋という渡り廊下によってつながれています。…
今回も三重県津市の専修寺について。 その1では唐門と山門について述べました。 当記事では如来堂と御影堂について述べます。 如来堂 専修寺の中枢といえる伽藍のひとつが、こちらの如来堂。境内中央の西側(向かって左)にあります。 仏堂として規格外といっ…
今回は三重県津市の専修寺(せんじゅじ)について。 専修寺は市北部に鎮座する真宗高田派の寺院です。山号は高田山。通称は本山専修寺、一身田専修寺(いしんでん せんじゅじ)。 創建は室町後期の文明年間(1469-1487)。当寺の前身である本寺専修寺(栃木県真岡市…
今回は三重県津市の津観音(つ かんのん)について。 津観音は津の中心市街に鎮座する真言宗醍醐派の寺院です。山号は恵日山、寺号は観音寺、院号は大宝院。 浅草観音(東京都台東区)、大須観音(名古屋市)とならぶ日本三大観音のひとつ。 創建は伝承によれば709…
今回は三重県津市の結城神社、津八幡宮、阿漕塚について。 結城神社 所在地:〒514-0815三重県津市藤方2341(地図) 結城神社(ゆうき-)は津市街の南部に鎮座しています。 創建は1824年。津藩主・藤堂高兌によって、結城塚に社殿が建立されたのが始まり。結城塚…
今回は三重県亀山市の地蔵院(じぞういん)について。 地蔵院は市西部の宿場町に鎮座する真言宗御室派の寺院です。寺号は法蔵寺(ほうぞうじ)、山号は九関山。通称は関地蔵院(せき じぞういん)。 創建は寺伝によれば741年(天平十三年)、行基によって開かれ、桓…
今回も滋賀県大津市の日吉大社について。 その1では西本宮について、 その2では摂社の宇佐宮と白山姫神社について述べました。 当記事では東本宮について述べます。 東本宮 東本宮楼門 東本宮の入口には楼門が鎮座しています。こちらも南向き。 三間一戸、楼…
今回も滋賀県大津市の日吉大社について。 その1では西本宮について述べました。 当記事では摂社の宇佐宮と白山姫神社について述べます。 摂社 宇佐宮 西本宮の東側には、摂社の宇佐宮と白山姫神社が隣接しています。 こちらは宇佐宮(うさぐう)の拝殿。境内は…
今回は滋賀県大津市の日吉大社(ひよし たいしゃ)について。 日吉大社は比叡山のふもとに鎮座しています。全国に多数ある日吉神社(日枝神社、山王神社)の総本社。 創建は不明。文献での初出は『古事記』。当初は比叡山にあり、10代・崇神天皇の時代に現在地へ…