特殊な様式
今回も山梨県甲府市の善光寺について。 前編では山門などの伽藍について述べました。 当記事では本堂などの伽藍について述べます。 本堂(金堂)の概観 境内の中心部には、信濃善光寺を模した建築様式の本堂が鎮座しています。 なお、公式サイトには「金堂」と…
今回も静岡県静岡市の静岡浅間神社について。 その1では総門について、 その2では楼門について述べました。 当記事では舞殿、拝殿、本殿などについて述べます。 舞殿 楼門の先には舞殿(ぶでん)が東面しています。 梁間3間・桁行2間、入母屋(妻入)、正面背面軒…
今回は富山県上市町の日石寺(にっせきじ)について。 日石寺は町南部の山間に鎮座する真言密宗の大本山です。山号は大岩山。通称は大岩不動。 創建は不明。寺伝によると、725年(神亀二年)に行基によって開かれたとのこと。創建から中世にかけての沿革は不明。…
今回も京都府京都市の八坂神社について。 その1では南楼門と舞殿などについて述べました。 当記事では本殿について述べます。 本殿 舞殿の先には、巨大な本殿が鎮座しています。 祭神はスサノオ(牛頭天王)、稲田姫(頗梨采女)、八柱御子神(八王子神)。 桁行7…
今回は京都府京都市の平野神社(ひらの-)について。 平野神社は北野天満宮の北側の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。主祭神の今木神は、当初は平城京に祀られていたようす。詳細な年代は資料によって諸説あるようですが、平安遷都(794年)にともない現在…
今回も京都府京都市の今宮神社について。 前編では楼門などについて述べました。 当記事では拝殿、本殿、若宮社などについて述べます。 拝殿、幣殿、本殿 楼門の先には拝殿が鎮座しています。 桁行3間・梁間3間、入母屋、銅板葺。 1694年(元禄七年)造営、1846…
今回は京都府京都市の松尾大社(まつお たいしゃ、まつのお たいしゃ)について。 松尾大社は京都市街西端の桂川右岸に鎮座しています。 創建は不明。上古の時代から松尾山の磐座で祭祀が行われていたようです。『秦氏本系帳』によると、701年(大宝元年)、秦都…
今回も千葉県香取市の香取神宮について。 前編では勅使門と楼門などについて述べました。 当記事では、本殿、神饌殿、祈祷殿などについて述べます。 拝殿と幣殿 楼門の先には、拝殿・幣殿・本殿の3棟があり、いわゆる権現造となっています。こちらは拝殿。 拝…
今回も長野県長野市の善光寺について。 その1では仁王門と釈迦堂について、 その2では山門と経蔵について述べました。 当記事では国宝の本堂について述べます。 本堂の概観 山門をくぐって境内の中心部へ行くと、圧倒的な貫禄と風格を漂わせる本堂が鎮座して…
今回は岐阜県垂井町の南宮大社(なんぐう たいしゃ)について。 南宮大社は垂井町の南西部の山のふもとに鎮座する美濃国一宮です。 創建は不明。社伝によると、10代・崇神天皇の時代の創建とのこと。『延喜式』には美濃国一宮の「仲山金山彦神社」と記載され、…
今回は青森県弘前市の誓願寺(せいがんじ)について。 誓願寺は弘前城の北西に鎮座する浄土宗の寺院です。山号は光明山。 創建は1596年(慶長元年)。津軽為信が母の菩提寺として開いたのがはじまり。当初は大光寺村(現 平川市)にありましたが、弘前城の造営にと…
今回も奈良県奈良市の興福寺について。 前編では五重塔、東金堂、中金堂などについて述べました。 当記事では南円堂、北円堂、三重塔について述べます。 南円堂 中金堂の前を通って境内西側へ向かうと、南円堂(なんえんどう)が東向きに鎮座しています。堂内…
今回も奈良県奈良市の東大寺について。 その1では南大門について、 その2では中門と大仏殿について、 その3では鐘楼と念仏堂などについて、 その4では法華堂と二月堂などについて述べました。 当記事では正倉院と転害門について述べます。 正倉院 大仏殿から…
今回も奈良県奈良市の東大寺について。 その1では南大門について、 その2では中門と大仏殿について、 その3では鐘楼と念仏堂などについて述べました。 当記事では法華堂と二月堂などについて述べます。 法華堂(三月堂) 鐘楼から坂を登ると、そのさきに法華堂…
今回は大阪府大阪市の住吉大社(すみよし たいしゃ)について。 住吉大社は住吉区の市街地に鎮座している摂津国一宮です。 創建は諸説ありますが不明。文献史料上の初見は『日本書紀』で、686年(朱鳥元年)の記事に当社が出現します。平安期の『延喜式』には「…
今回は大阪府堺市の大鳥大社(おおとり たいしゃ)について。 大鳥大社は市北西部の住宅地に鎮座している和泉国一宮です。正式名称は大鳥神社。 創建は不明。社伝では、ヤマトタケルの墓から飛んだ白鳥が当地に降りたのが由来。史実的には、当地に住む大鳥連が…
今回も奈良県桜井市の長谷寺について。 その1では仁王門、登廊、鐘楼について述べました。 当記事では三百余社、三社権現、本堂について述べます。 三百余社 登廊と本堂のあいだの狭い空間には、境内社の三百余社が東向きに鎮座しています。 三百余社は一間…
今回も滋賀県大津市の日吉大社について。 その1では西本宮について、 その2では摂社の宇佐宮と白山姫神社について述べました。 当記事では東本宮について述べます。 東本宮 東本宮楼門 東本宮の入口には楼門が鎮座しています。こちらも南向き。 三間一戸、楼…
今回も滋賀県大津市の日吉大社について。 その1では西本宮について述べました。 当記事では摂社の宇佐宮と白山姫神社について述べます。 摂社 宇佐宮 西本宮の東側には、摂社の宇佐宮と白山姫神社が隣接しています。 こちらは宇佐宮(うさぐう)の拝殿。境内は…
今回は滋賀県大津市の日吉大社(ひよし たいしゃ)について。 日吉大社は比叡山のふもとに鎮座しています。全国に多数ある日吉神社(日枝神社、山王神社)の総本社。 創建は不明。文献での初出は『古事記』。当初は比叡山にあり、10代・崇神天皇の時代に現在地へ…
今回は愛知県稲沢市の長光寺(ちょうこうじ)について。 長光寺は岐阜街道に面した住宅地に鎮座している臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は興化山。 創建は伝承によれば851年(仁寿元年)、小野篁が当地の街道沿いに地蔵を祀ったことが始まりとされます。以降、平…
今回は愛知県稲沢市の尾張大国霊神社(おわり おおくにたま-)について。 尾張大国霊神社は稲沢市街に鎮座しています。別名は国府宮(こうのみや)。 創建は詳細不明。当地に尾張国府が置かれたころに創建されたようなので、奈良時代と思われます。平安期の『延…
今回は石川県羽咋市の気多大社(けた たいしゃ)について。 気多大社(氣多大社)は海沿いの高台に鎮座しています。能登国一宮。 創建は不明。社伝によれば出雲から下向した大己貴命(大国主)が当地の鬼などを退治し、当地に祀られたのが始まりとのこと。 気多大…
今回は愛知県名古屋市の富部神社(とべ-)について。 富部神社は南区の住宅地に鎮座しています。 創建は1608年(慶長八年)。由来は諸説あり、スサノオを祭った祠を当地に移転した説と、津島神社から牛頭天王を勧請した説があります。清須城主・松平忠吉の帰依を…
今回は新潟県十日町市の松苧神社(まつお-)について。 松苧神社は市郊外にある松苧山の山頂に鎮座しています。 創建は平安時代にさかのぼり、坂上田村麻呂がヌナカワを祀ったのが由来とのこと。社殿については参道を登った先に茅葺の本殿だけがあり、室町期の…
今回は長野県飯田市の開善寺(かいぜんじ)について。 開善寺は上川路地区の住宅地に鎮座する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は畳秀山。 創建は寺伝によると鎌倉時代で、地頭の江馬氏の開いた寺院が前身とのこと。実質的な創建は1335年(建武三年)で、信濃国守…
今回は長野県佐久市の山田神社(やまだ-)について。 山田神社は佐久市の集落の山際に鎮座しています。 境内には多数の社殿があり、特に本殿は善光寺と似た「撞木造」(しゅもくづくり)という屋根になっており、神社本殿として非常に特異で凝った造りをしていま…
今回も静岡県富士宮市の富士山本宮浅間大社について。 前編では随神門や拝殿などについて述べました。 当記事では国重文の本殿や湧玉池周辺について述べます。 本殿 拝殿の後方には幣殿(写真中央右の低い棟)がつづき、その奥に独特な外観の本殿が高々とそび…
今回も長野県上田市の安楽寺について。 前編では本堂などの伽藍について紹介・解説しました。 当記事では国宝の八角三重塔 などについて解説していきます。 経蔵と傅芳堂 国宝の八角三重塔のある場所へ行くには、本堂の左手にある拝観受付を通って階段の斜面…
今回も山梨県山梨市の大井俣窪八幡神社について。 その1では鳥居、神門、比咩三神、鐘楼について、 その2では高良神社、武内大神、若宮八幡神社について述べました。 当記事では窪八幡神社の拝殿および本殿について述べます。 窪八幡神社拝殿 境内の中心部に…