甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

江戸後期

【八王子市】広園寺

今回は東京都八王子市の広園寺(こうおんじ)について。 広園寺(廣園寺)は住宅地に鎮座する臨済宗南禅寺派の寺院です。正式な寺号は廣園禅寺。山号は兜卒山。 創建は諸説あり不明。室町前期に大江氏によって開かれたようです。『新編武蔵風土記稿』によると138…

【奈良市】興福寺 後編(南円堂、北円堂、三重塔)

今回も奈良県奈良市の興福寺について。 前編では五重塔、東金堂、中金堂などについて述べました。 当記事では南円堂、北円堂、三重塔について述べます。 南円堂 中金堂の前を通って境内西側へ向かうと、南円堂(なんえんどう)が東向きに鎮座しています。堂内…

【諏訪市】諏訪大社上社本宮 後編(拝殿など)

今回も長野県諏訪市の諏訪大社上社本宮について。 前編では神楽殿、勅使殿、入口御門について述べました。 当記事では拝殿などの社殿について述べます。 摂末社遥拝所 布橋を通って拝殿へ向かうと、途中の左手に摂末社遥拝所が北面しています。 この社殿は、…

【千曲市】武水別神社 後編(拝殿と本殿)

今回も長野県千曲市の武水別神社について。 前編では高良社などの境内社について述べました。 当記事では拝殿と本殿について述べます。 拝殿 勅使殿の後方には拝殿があります。 神楽殿のような外観をしていますが、立札に「拝殿」と書かれています。 梁間3間…

【須坂市】普願寺

今回は長野県須坂市の普願寺(ふがんじ)について。 普願寺は須坂市街東部に鎮座する浄土真宗本願寺派の寺院です。山号は大岩山。 創建は1247年(宝治元年)。堅阿坊信性によって武蔵国秩父郡の大岩という場所に「大岩山普願寺」として開かれました。寺号は1314…

【奈良市】氷室神社

今回は奈良県奈良市の氷室神社(ひむろ-)について。 氷室神社は市街地東端の東大寺入口に鎮座しています。 創建は社伝によると710年(和銅三年)、春日山に氷の神を祀ったのが始まりで、当社から平城京へ氷を上納していたとのこと。860年(貞観二年)に現在地へ移…

【大阪市】住吉大社

今回は大阪府大阪市の住吉大社(すみよし たいしゃ)について。 住吉大社は住吉区の市街地に鎮座している摂津国一宮です。 創建は諸説ありますが不明。文献史料上の初見は『日本書紀』で、686年(朱鳥元年)の記事に当社が出現します。平安期の『延喜式』には「…

【藤井寺市】葛井寺

今回は大阪府藤井寺市の葛井寺(ふじいでら)について。 葛井寺は市の中心部に鎮座する真言宗御室派の寺院です。山号は紫雲山。別名は藤井寺、剛琳寺。 創建は寺伝によると725年、聖武天皇の命を受けた行基によって開かれたとのこと。葛井氏の氏寺として開かれ…

【大和高田市】専立寺

今回は奈良県大和高田市の専立寺(せんりゅうじ)について。 専立寺は大和高田の中心市街地に鎮座する浄土真宗本願寺派の寺院です。山号は如意山。別名は高田御坊。 創建は1600年(慶長五年)。大和国内における本願寺派の拠点のひとつとして隆盛し、周辺は寺内…

【北杜市】海岸寺

今回は山梨県北杜市の海岸寺(かいがんじ)について。 海岸寺は旧須玉町の山間に鎮座する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は津金山。 創建は寺伝によれば717年(養老元年)で、行基によって草創されたとのこと。平安末期には源義光(新羅三郎)ら武田氏の庇護を受け…

【津市】専修寺 その3(通天橋、御廟など)

今回も三重県津市の専修寺について。 その1では唐門と山門について、 その2では如来堂と御影堂について述べました。 当記事では通天橋や御廟などの伽藍について述べます。 通天橋 如来堂と御影堂のあいだは、通天橋という渡り廊下によってつながれています。…

【津市】専修寺 その1(唐門と山門)

今回は三重県津市の専修寺(せんじゅじ)について。 専修寺は市北部に鎮座する真宗高田派の寺院です。山号は高田山。通称は本山専修寺、一身田専修寺(いしんでん せんじゅじ)。 創建は室町後期の文明年間(1469-1487)。当寺の前身である本寺専修寺(栃木県真岡市…

【大津市】園城寺(三井寺) その3 微妙寺、毘沙門堂、観音堂、護法善神堂

今回も滋賀県大津市の園城寺について。 その1では仁王門、食堂、金堂について、 その2では閼伽井屋、一切経蔵、塔婆などについて述べました。 当記事では微妙寺、毘沙門堂、観音堂、護法善神堂などについて述べます。 微妙寺 境内南側には、園城寺の別所(境…

【大津市】園城寺(三井寺) その2 閼伽井屋、一切経蔵、塔婆

今回も滋賀県大津市の園城寺について。 その1では仁王門、食堂、金堂について述べました。 当記事では閼伽井屋、一切経蔵、塔婆などについて述べます。 鐘楼(三井の晩鐘) 金堂向かって右手前には鐘楼があります。 切妻、檜皮葺。 1602年(慶長七年)造営。国指…

【高岡市】瑞龍寺

今回は富山県高岡市の瑞龍寺(ずいりゅうじ)について。 瑞龍寺は高岡市の中心部に鎮座している曹洞宗の寺院です。山号は高岡山。 創建は1614年(慶長十九年)。加賀藩2代目・前田利長が金沢に開いた宝円寺(法円寺)という寺院を、3代目・前田利常が当地に移転して…

【小布施町】玄照寺

今回は長野県小布施町の玄照寺(げんしょうじ)について。 玄照寺は市街地南西部の集落に鎮座している曹洞宗の寺院です。山号は陽光山。 前身は臨済宗・随光寺という寺院で、創建は不明ですが室町末期の戦乱で大きく衰退しています。現在の宗派・寺号となったの…

【磐田市】淡海国玉神社

今回は静岡県磐田市の淡海国玉神社(おうみ くにたま-)について。 淡海国玉神社は磐田市街にある旧中仙道・見附宿に鎮座しています。 創建は不明。『延喜式』に記載された式内社のひとつで、平安期には確立されていたようです。以降、見附(磐田市見付)には国府…

【名古屋市】建中寺

今回は愛知県名古屋市の建中寺(けんちゅうじ)について。 建中寺は東区の市街地に鎮座する浄土宗の寺院です。山号は徳興山。 創建は1651年(慶安四年)。尾張藩2代目・徳川光友によって尾張徳川家の菩提寺として開かれ、多数の塔頭や末寺を持つ大寺院だったよう…

【名古屋市】興正寺

今回は愛知県名古屋市の興正寺(こうしょうじ)について。 興正寺は昭和区の市街地にある丘陵に鎮座する真言宗の寺院です。山号は八事山。 創建は1686年(貞享三年)。御三家の尾張徳川家からの崇敬を受けて発展しています。 広大な境内には多数の伽藍が建ってい…

【富士川町】飛川神社

今回は山梨県富士川町の飛川神社(ひかわ-)について。 飛川神社は最勝寺地区の田園地帯に鎮座しています。 創建は不明。山梨県神社庁によると当地区の鎮守。 境内は小規模ですが、覆い屋に収められた本殿には大量の彫刻が配されており、峡南地域の神社本殿の…

【甲州市】大善寺

今回は山梨県甲州市の大善寺(だいぜんじ)について。 大善寺は市の南東部の国道沿いに鎮座している真言宗智山派の寺院です。山号は柏尾山。別名はぶどう寺。 創建は寺伝によると718年。奈良時代に隆盛をきわめたようですが、平安期の火災で境内伽藍を焼失し、…

【立科町】津金寺

今回は長野県立科町の津金寺(つがねじ)について。 津金寺は旧中山道の沿線に鎮座している天台宗の寺院です。山号は慧日山。 創建は702年とされ、行基が戸隠権現の霊験を受けて聖観音を安置したのが始まりと伝えられています。鎌倉期には学問所として知られ、…

【佐久市】諏訪社(大沢)

今回は長野県佐久市大沢(おおさわ)の諏訪社(すわしゃ)について。 諏訪社は市南部の集落に鎮座しています。 創建は不明。社務所の由緒書きによれば、1329年(嘉暦四年)の記録に記載があるらしいです。長野県神社庁ホームページによると、もとは水神が祀られ、1…

【山梨市】金櫻神社(歌田)

今回は山梨県山梨市歌田(うただ)の金櫻神社(かなざくら-)について。 金櫻神社は市南部の住宅地に鎮座しています。 創建は景行天皇の治世(古墳時代)で、天橋立から橋立明神を勧請したのが始まりのようですが信憑性のほどは不明。山梨市内や甲府市に何件かある…

【駒ケ根市】光前寺 後編(弁天堂、本堂、三重塔)

今回も長野県駒ケ根市の光前寺について。 前編では仁王門、三門、鐘楼について述べました。 後編では弁天堂、本堂、三重塔について紹介・解説いたします。 弁天堂 三門をくぐった先には池があり、その小島には弁天堂が鎮座しています。 桁行1間・梁間1間、入母…

【高崎市】榛名神社 後編(双竜門、神楽殿、本社・拝殿・幣殿)

今回も群馬県高崎市の榛名神社(はるな-)について。 前編では随神門、五重塔などについて述べました。 後編では双竜門、神楽殿、本社・拝殿・幣殿について紹介・解説いたします。 双竜門 薬医門の先には双竜門(そうりゅうもん)があります。 一間一戸の四脚門、入…

【高崎市】榛名神社 前編(随神門、五重塔など)

今回は群馬県高崎市の榛名神社(はるな-)について。 榛名神社は高崎市の山中に鎮座しています。 創建は586年にさかのぼり、山中に神籬を立てたのが始まりといわれます。平安期の『延喜式』にも記載されていて、上野国六宮とされています。江戸期までは榛名山…

【みなかみ町】月夜野神社

今回は群馬県みなかみ町の月夜野神社(つきよの-)について。 月夜野神社は利根川沿いの河岸段丘に鎮座しています。 創建は不明。もとは都神明宮と呼ばれていたようです。本殿は別の神社から移設したもののようで、板軒にまで彫刻を配した非常に派手な本殿を見…

【諏訪市】岩久保観音堂

今回は長野県諏訪市の岩久保観音堂(いわくぼ かんのんどう)について。 岩久保観音堂は諏訪市南東部の山際に鎮座しています。 創建は不明。もとは古岩久保という場所にあったのを当地に移転したようです。現在の観音堂は大隅流の名工・柴宮長左衛門の作で、各…

【松本市】牛伏寺 前編(山門、如意輪堂、総門)

今回は長野県松本市の牛伏寺(ごふくじ)について。 牛伏寺は松本市の山間にある真言宗智山派の寺院です。山号は金峯山。 創建は寺伝によれば聖徳太子の時代とのこと。もとは山岳信仰と修験道の道場だったようです。中信地方を代表する大寺院で、伽藍は江戸後…