甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【上市町】日石寺(大岩不動)

今回は富山県上市町の日石寺(にっせきじ)について。 日石寺は町南部の山間に鎮座する真言密宗の大本山です。山号は大岩山。通称は大岩不動。 創建は不明。寺伝によると、725年(神亀二年)に行基によって開かれたとのこと。創建から中世にかけての沿革は不明。…

【立山町】雄山神社(前立社壇)

今回は富山県立山町の雄山神社(おやま-)について。 雄山神社は立山の山中に鎮座する越中国一宮です。里宮にあたる前立社壇(まえだてしゃだん)は常願寺川沿岸の集落に鎮座しています。 創建は不明。社伝によると、701年(大宝元年)に開かれた説と、703年(大宝…

【南砺市】瑞泉寺(井波別院) 後編 本堂、太子堂

今回も富山県南砺市の瑞泉寺について。 前編では、山門、式台門について述べました。 当記事では、本堂、太子堂などについて述べます。 鐘楼 山門の先は、有料の区画となっています。 拝観受付を済ませて参道を左手(北)へそれると、鐘楼があります。 鐘楼は…

【南砺市】瑞泉寺(井波別院) 前編 山門、式台門

今回は富山県南砺市の瑞泉寺(ずいせんじ)について。 瑞泉寺は井波地区の市街地に鎮座する真宗大谷派の寺院です。山号は杉谷山。井波別院(いなみべついん)を称しています。 創建は1390年(明徳元年)、本願寺5世の綽如によって開かれました。室町後期には土山御…

【南砺市】善徳寺(城端別院) 後編 本堂、鐘楼、太鼓楼など

今回も富山県南砺市の善徳寺について。 前編では山門について述べました。 当記事では、本堂、大鐘楼、太鼓楼などについて述べます。 本堂 山門をくぐると、右手に本堂が南面しています。本尊は阿弥陀如来。 入母屋、向拝3間、桟瓦葺。 1759年(宝暦九年)上棟…

【南砺市】善徳寺(城端別院) 前編 山門

今回は富山県南砺市の善徳寺(ぜんとくじ)について。 善徳寺は城端地区の市街地に鎮座する真宗大谷派の寺院です。山号は廓龍山。城端別院(じょうはなべついん)を称しています。 創建は室町時代。1471年(文明三年)、蓮如が砂子坂(金沢市)に開いた道場が前身と…

【高岡市】勝興寺 その3 経堂、大広間及び式台など

今回も富山県高岡市の勝興寺について。 その1では総門、唐門について、 その2では本堂とその周辺について述べました。 当記事では、経堂、宝蔵、鼓楼、式台門、大広間及び式台などについて述べます。 経堂 本堂向かって左手には、経堂が北面しています。 桁…

【高岡市】勝興寺 その2 本堂

今回も富山県高岡市の勝興寺について。 その1では総門と唐門について述べました。 当記事では、本堂とその周辺について述べます。 本堂 唐門の先には、北陸屈指の規模を誇る巨大な本堂が鎮座しています。 入母屋、向拝3間、亜鉛合板葺。間口39.3m、奥行37.4m…

【高岡市】勝興寺 その1 総門、唐門

今回は富山県高岡市の勝興寺(しょうこうじ)について。 勝興寺は伏木地区の高台に鎮座する浄土真宗本願寺派の寺院です。山号は雲龍山。 勝興寺の前身は、1471年(文明三年)に蓮如が開いた土山御坊(南砺市土山)で、1494年に同市高窪に移転したのち、佐渡にあっ…

【豊川市】豊川稲荷(妙厳寺) その3 景雲門と奥の院

今回も愛知県豊川市の豊川稲荷について。 その1では総門と山門について、 その2では本殿などについて述べました。 当記事では景雲門と奥の院などについて述べます。 禅堂と三重塔 本殿右側から渡り廊下をくぐって奥の院のほうへ向かうと、途中に禅堂などの伽…

【豊川市】豊川稲荷(妙厳寺) その2 本殿など

今回も愛知県豊川市の豊川稲荷について。 その1では総門と山門について述べました。 当記事では本殿とその周辺の社殿について述べます。 鎮守堂と鐘楼堂 総門の右奥(北西)には鎮守堂と鐘楼堂が鎮座しています。 こちらは鎮守堂で、南向き。龍天堂の別名があ…

【豊川市】豊川稲荷(妙厳寺) その1 総門と山門

今回は愛知県豊川市の豊川稲荷(とよかわ いなり)について。 豊川稲荷は豊川の中心市街に鎮座する曹洞宗の寺院です。山号は円福山、寺号は妙厳寺(みょうごんじ)。 創建は1441年(嘉吉元年)。曹洞宗法王派の東海義易によって、豊川沿岸の円福ヶ丘という場所に妙…