甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

室町前期

【河内長野市】観心寺 後編(金堂、建掛塔、開山堂など)

今回も大阪府河内長野市の観心寺について。 前編では鎮守堂、恩賜講堂などについて述べました。 当記事では金堂、建掛塔、開山堂などについて述べます。 金堂 境内奥の中心部には金堂が鎮座しています。 桁行7間・梁間7間、入母屋、向拝3間、本瓦葺。 正平年…

【河内長野市】金剛寺 その1(南門、楼門、食堂、竜王三社)

今回は大阪府河内長野市の金剛寺(こんごうじ)について。 金剛寺は市西部の山間に鎮座する真言宗御室派の大本山です。山号は天野山。 創建は寺伝によると天平年間(729-749)、聖武天皇の命を受けた行基によって開基されたとのこと。平安期には後白河法皇らの帰…

【橿原市】人麿神社

今回は奈良県橿原市の人麿神社(ひとまろ-)について。 人麿神社は橿原市の中心市街地に鎮座しています。 創建は不明。柿本神社(葛城市新庄町)から分祀されたと伝えられています。本殿は1345年に造られたことがわかっており、当社は室町初期には確立されていた…

【葛城市】當麻寺 その1(仁王門、薬師堂)

今回は奈良県葛城市の當麻寺(たいまでら)について。 當麻寺(当麻寺)は市西部の山裾に鎮座する真言宗および浄土宗の寺院です。山号は二上山。 創建は不明。寺伝によれば、612年に聖徳太子の異母弟・麻呂古王によって開かれ、天武天皇(在位673-686)の時代に現在…

【橿原市】瑞花院(吉楽寺)

今回は奈良県橿原市の瑞花院(ずいけいん)について。 瑞花院は市北西部の住宅地に鎮座している浄土宗の寺院です。山号は祐禅山、寺号は吉楽寺。 創建は不明。興福寺の門徒で当地に居館を構えていた飯高(いだか)氏の菩提寺として開かれ、もとは真言宗だったと…

【大津市】園城寺(三井寺) その1 仁王門、食堂、金堂

今回は滋賀県大津市の園城寺(おんじょうじ)について。 園城寺は大津氏の中心市街に鎮座している天台寺門宗の総本山です。山号は長等山。通称は三井寺(みいでら)。 創建は飛鳥時代で、天智天皇所有の仏像を大友与多王が当地に祀ったのが始まりとのこと。平安…

【大津市】三尾神社

今回は滋賀県大津市の三尾神社(みお-)について。 三尾神社は園城寺(三井寺)の南東部に隣接して鎮座しています。 創建は不明。859年(貞観元年)、円珍が琴尾谷(現在の三井寺霊園琴谷苑)に園城寺の鎮守として三尾明神を祀り、社殿が建立されたようです。室町時…

【大津市】延暦寺(比叡山) 西塔

今回も滋賀県大津市の延暦寺について。 当記事では西塔地域について述べます。 東塔地域および横川地域については当該記事をご参照ください。 西塔 西塔(さいとう)は比叡山の南東部にある地域で、にない堂と釈迦堂、少し離れた場所に最澄の霊廟が鎮座してい…

【北名古屋市】高田寺

今回は愛知県北名古屋市の高田寺(こうでんじ)について。 高田寺は北名古屋市街の住宅地に鎮座している天台宗の寺院です。山号は医王山。 創建は寺伝によれば720年(養老二年)で、行基によって開かれました。その後最澄が当寺を訪れ、寺号を高田寺と改めたとの…

【愛荘町】金剛輪寺 後編(本堂、三重塔)

今回も滋賀県愛荘町の金剛輪寺について。 前編では参道と国重文の二天門について述べました。 当記事では国宝の本堂と、国重文の三重塔について述べます。 本堂(大悲閣) 二天門をくぐった先には、圧倒的な風格と存在感を漂わせる本堂(大悲閣)が堂々と鎮座し…

【愛荘町】金剛輪寺 前編(参道、二天門)

今回は滋賀県愛荘町の金剛輪寺(こんごうりんじ)について。 金剛輪寺は町東部の山際に鎮座する天台宗の寺院です。山号は松峯山。 別名は松尾寺。西明寺(甲良町)、百済寺(東近江市)とともに湖東三山のひとつ。 創建は寺伝によれば737年または741年で、聖武天皇…

【愛荘町】大行社

今回は滋賀県愛荘町の大行社(だいぎょうしゃ)について。 大行社は湖東三山ICに隣接する集落に鎮座しています。 創建は不明。金剛輪寺の鎮守として勧請されたようです。1878年に社殿を焼失したため、金剛輪寺境内社を移築したのが現在の本殿とのこと。 境内社…

【東近江市】春日神社(小八木町)

今回は滋賀県東近江市小八木町(こやぎちょう)の春日神社(かすが-)について。 春日神社は市東部の田園地帯の集落に鎮座しています。 創建は不明。興福寺(奈良市)の寺領であったため、春日大社から分祀されたようです。 境内の規模は標準的ですが、室町前期に…

【東近江市】押立神社

今回は滋賀県東近江市の押立神社(おしたて-)について。 押立神社は市郊外の田園地帯に鎮座しています。 創建は社伝によると奈良時代。60年に一度のドケ祭という奇祭で知られるようです。 境内は広大な社叢に覆われており、大門と本殿は室町初期の南北朝時代…

【近江八幡市】桑実寺

今回は滋賀県近江八幡市の桑実寺(くわのみでら)について。 桑実寺は観音寺山(繖山)に鎮座する天台宗の寺院です。山号は繖山(きぬがさやま)。 創建は寺伝によれば677年(白鳳六年)で、天智天皇の勅願により定恵(藤原鎌足の子)が開基したといわれます。寺号は定…

【草津市】老杉神社

今回は滋賀県草津市の老杉神社(おいすぎ-)について。 老杉神社は市郊外の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社伝によれば704年の草創とのこと。1452年には近江国守護・佐々木氏の家臣である下笠高賀によって本殿が造営され、これが現在の本殿です。室町幕…

【野洲市】生和神社

今回は滋賀県野洲市の生和神社(いくわ-)について。 生和神社は市東部の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社伝によれば、1009年(寛弘六年)に領主となった藤原忠重(藤原鎌足の孫にあたる)が当地を開拓して大蛇を退治し、その後生和大明神として祀られるよ…

【野洲市】大笹原神社

今回は滋賀県野洲市の大笹原神社(おおささはら-)について。 大笹原神社は市東部の山際に鎮座しています。 創建は社伝によれば986年(寛和2年)。1414年に岩倉城主・馬淵定信によって社殿が再建され、これが現在の社殿となっています。 本殿は国宝に指定されてい…

【竜王町】鏡神社

今回は滋賀県竜王町の鏡神社(かがみ-)について。 鏡神社は町西部の丘陵に鎮座しています。 創建は不明。祭神である天日槍尊が当地に鏡を納めたことが社名の由来とのこと。平安期には牛若丸こと源義経が当地で元服したという伝説があるようです。 境内は拝殿…

【竜王町】苗村神社 後編(拝殿、西本殿)

今回も滋賀県竜王町の苗村神社について。 前編では西本殿と楼門について述べました。 当記事では拝殿と国宝の西本殿などについて述べます。 拝殿 楼門の先の参道左手には手水舎。 切妻、桟瓦葺。 参道を右に90度折れると拝殿があります。 入母屋(妻入)、銅板…

【竜王町】苗村神社 前編(東本殿、楼門)

今回は滋賀県竜王町の苗村神社(なむら-)について。 苗村神社は町の中部の田園地帯に鎮座しています。 創建は垂仁天皇(11代天皇)の時代とされています。平安期の『延喜式』には当社を指して長寸(なむら)神社と記述があるようで、延喜式内社となっています。 …

【竜王町】勝手神社

今回は滋賀県竜王町の勝手神社(かって-)について。 勝手神社は町南部の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社伝によれば859年(貞観元年)に奈良県吉野町の勝手神社から勧請されています。 境内には桧皮葺の大規模な本殿が鎮座しており、室町前期の造営のた…

【大鹿村】福徳寺

今回は長野県大鹿村の福徳寺(ふくとくじ)について。 福徳寺は山間の集落に鎮座している天台宗の寺院です。山号は医王山。 創建は平安後期とされ、南北朝時代は天台宗の修験道場だったようです。伽藍については本堂だけが残っている状態ですが、本堂は室町前…

【岡崎市】天恩寺

今回は愛知県岡崎市の天恩寺(てんおんじ)について。 天恩寺は市南部の山際に鎮座している臨済宗の寺院です。山号は廣澤山。 創建は寺伝によると室町初期で、足利尊氏と足利義満によって開かれたとのこと。戦国期には長篠の戦いへ赴く徳川家康が当寺に泊まっ…

【岡崎市】妙源寺

今回は愛知県岡崎市の妙源寺(みょうげんじ)について。 妙源寺は岡崎市の住宅地に鎮座する浄土真宗の寺院です。山号は桑子山。 創建は1258年とされ、安藤信平によって開かれた妙眼寺が前身。三河一向一揆のさいに徳川家康を助けたため現在の寺号に改称し、江…

【岡崎市】滝山寺

今回は愛知県岡崎市の滝山寺(たきさんじ)について。 滝山寺(瀧山寺)は岡崎市北部の山間にある天台宗の寺院です。山号は吉祥陀羅尼山。 草創は奈良時代で、もとは山岳信仰の霊場だったようです。平安後期から鎌倉期にかけて隆盛し、室町期は衰退するものの江…

【多治見市】永保寺 後編(開山堂、その他の伽藍)

今回も岐阜県多治見市の永保寺について。 前編では庭園と観音堂について述べました。 後編の当記事では開山堂とその他の伽藍について解説していきます。 開山堂 観音堂の前の池を迂回して境内の西の端へ進むと、その奥には開山堂(国宝)が鎮座しています。 正…