甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【上田市】弓崎神社

今回は長野県上田市の弓崎神社(ゆみさき-)について。 弓崎神社は塩田平の北部の山際に鎮座しています。 創建や由緒は不明。境内は山の斜面を利用した造りになっており、神楽殿と三間社の古風な本殿を見ることができます。 現地情報 所在地 〒386-1106長野県…

【上田市】塩野神社(保野)

今回は長野県上田市保野(ほや)の塩野神社(しおの-)について。 塩野神社(保野)は塩田平の中心部に鎮座しています。 創建は672年(天武元年)とされますが諸説あるようです。同市前山の塩野神社とともに平安期の『延喜式』に記載された「鹽野神社」に比定される…

【上田市】前山寺

今回は長野県上田市の前山寺(ぜんさんじ)について。 前山寺は塩田平南部にある前山(まえやま)地区の山際に鎮座する真言宗の寺院です。山号は独鈷山(獨股山)。 創建は平安時代で、空海が修行の地として開いたのが始まりといわれます。現在地に伽藍が造られた…

【上田市】塩野神社(前山)

今回は長野県上田市前山(まえやま)の塩野神社(しおの-)について。 塩野神社(前山)は塩田平南部の山際に鎮座しています。 創建は不明。同市保野の塩野神社とともに、平安期の『延喜式』に記載された「鹽野神社」に比定される式内論社です。戦国期には武田氏や…

【上田市】中禅寺

今回は長野県上田市の中禅寺(ちゅうぜんじ)について。 中禅寺は塩田平の南部の山際に鎮座する真言宗の寺院です。山号は竜王山。 創建は、伝承によれば平安期に空海によって開基されたとのこと。塩田平の他寺院と同様に、鎌倉期に隆盛をきわめ、そののち衰退…

【上田市】手塚八幡社

今回は長野県上田市の手塚八幡社(てづかはちまんしゃ)について。 手塚八幡社は塩田平南部のため池が点在する田園地帯に鎮座しています。 境内には案内板などがないため、創建や由緒については不明。社殿については、江戸初期あたりの造営と思しき本殿が良好…

【糸魚川市】白山神社(能生)

今回は新潟県糸魚川市能生(のう)の白山神社(はくさん-)について。 白山神社(能生)は国道8号沿線の海岸に面した集落に鎮座しています。 創建は崇神天皇の代とのことですが、詳細不明。同市内の奴奈川神社(天津神社の境内社)とともに式内社に比定されている古…

【糸魚川市】天津神社

今回は新潟県糸魚川市の天津神社(あまつ-)について。 天津神社は糸魚川市の中心市街地に鎮座しています。 創建は景行天皇の時代といわれる古社。彌彦神社(弥彦村)や居多神社(上越市)とともに越後国一宮を称し、式内社の可能性がある神社(式内論社)です。また…

【上田市】生島足島神社

今回は長野県上田市の生島足島神社(いくしまたるしま-)について。 生島足島神社は塩田平東部の集落に鎮座しています。 創建は不明で、タケミナカタ(諏訪明神)が当地で米粥を煮たことに由来するとのこと。『延喜式』に記載された式内社であることから、平安期…

【上田市】別所神社

今回は長野県上田市の別所神社(べっしょ-)について。 別所神社は別所温泉の北側の丘に鎮座し、常楽寺と隣接しています。 創建については不明。紀州・熊野大社から勧請され、明治期まで熊野社と呼ばれていたのを現在の社名に改称したとのこと。社殿については…

【上田市】常楽寺

今回は長野県上田市の常楽寺(じょうらくじ)について。 常楽寺は別所温泉の山際に鎮座する天台宗の寺院です。山号は金剛山。 創建については、鎌倉時代に円仁(慈覚大師)によって開基されたといわれ、当時「信州の学海」とまで呼ばれた塩田平の中枢をなす寺院…

【上田市】安曽神社

今回は長野県上田市の安曽神社(あそ-)について。 安曽神社は塩田平の南東部にある田園地帯の集落に鎮座しています。 創建は不明で、社伝によれば860年ごろに再建されているとのこと。境内は、信州の神社ではめずらしい楼門があるほか、本殿は江戸中期の三間…

【上田市】法住寺

今回は長野県上田市の法住寺(ほうじゅうじ)について。 法住寺は鹿教湯温泉の入口にあたる東内地区に鎮座する天台宗の寺院です。山号は金峰山。 創建は平安時代(貞観年間)といわれ、円仁(慈覚大使)によって創建されたとのこと。伽藍は室町期の戦火で焼失して…

【上田市】安楽寺 前編(本堂などの伽藍)

今回は長野県上田市の安楽寺(あんらくじ)について。 安楽寺は別所温泉の北側の山際に鎮座する曹洞宗の寺院です。山号は崇福山。 創建は奈良時代から平安時代といわれ、詳細な年代は不明。宋に渡って禅宗を学んだ樵谷惟仙(しょうこく いせん)が住職となったの…

【大桑村】定勝寺

今回は長野県大桑村の定勝寺(じょうしょうじ)について。 定勝寺は中山道・須原宿に鎮座する臨済宗の寺院です。山号は浄戒山。 創建は室町初期で、木曽氏によって開山されたとのこと。伽藍は洪水によって何度か流失していますが、現在の伽藍は大部分が安土桃山…

【多治見市】永保寺 後編(開山堂、その他の伽藍)

今回も岐阜県多治見市の永保寺について。 前編では庭園と観音堂について述べました。 後編の当記事では開山堂とその他の伽藍について解説していきます。 開山堂 観音堂の前の池を迂回して境内の西の端へ進むと、その奥には開山堂(国宝)が鎮座しています。 正…

【多治見市】永保寺 前編(庭園と観音堂)

今回は岐阜県多治見市の永保寺(えいほうじ)について。 永保寺は多治見市街の高台に鎮座する臨済宗の寺院です。山号は虎渓山。 創建は鎌倉後期の1313年で、多数の庭園を設計したことで知られる夢窓疎石によって開基されました。境内については鎌倉後期と室町…

【八百津町】明鏡寺

今回は岐阜県八百津町の明鏡寺(みょうきょうじ)について。 明鏡寺は八百津町南部の山際の集落に鎮座している臨済宗の寺院です。山号は霊光山。 創建は室町初期で、鎌倉幕府6代将軍の宗尊親王の菩提を弔うため開かれたとのこと。伽藍の大部分は現代のものです…