甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

多宝塔

【京都市】常寂光寺

今回は京都府京都市の常寂光寺(じょうじゃっこうじ)について。 常寂光寺は市街地西端の小倉山のふもとに鎮座する日蓮宗の寺院です。山号は小倉山。 鎌倉初期、当地には藤原定家の山荘があり、ここで小倉百人一首が編纂されたと言われます。常寂光寺の創建は1…

【京都市】清凉寺(嵯峨釈迦堂) 後編 多宝塔、豊臣秀頼公首塚、一切経蔵など

今回も京都府京都市の清凉寺について。 前編では仁王門と本堂について述べました。 当記事では多宝塔、豊臣秀頼公首塚、一切経蔵などについて述べます。 多宝塔と聖徳太子殿 本堂向かって左、境内の南東には多宝塔が東面しています。 三間多宝塔、銅瓦葺。 1…

【太子町】叡福寺 前編(南大門、金堂、多宝塔)

今回は大阪府太子町の叡福寺(えいふくじ)について。 叡福寺は町の中心部に鎮座する太子宗の本山です。山号は磯長山。 別名は上の太子。中の太子・野中寺(羽曳野市)、下の太子・大聖勝軍寺(八尾市)と並ぶ三太子のひとつ。 創建は不明。寺伝によれば620年に聖徳…

【河内長野市】金剛寺 その2(多宝塔、金堂、鐘楼)

今回も大阪府河内長野市の金剛寺について。 その1では南門、楼門、食堂、竜王三社について述べました。 当記事では多宝塔、金堂、鐘楼について述べます。 多宝塔 食堂の前を進むと境内は一段高い区画に入ります。この区画は南側に多宝塔、北側に本堂が鎮座し…

【橿原市】久米寺

今回は奈良県橿原市の久米寺(くめでら)について。 久米寺は橿原神宮の南側に鎮座する真言宗御室派の寺院です。山号は霊禅山。 創建は不明。寺伝によれば聖徳太子の弟の来目皇子(くめのみこ)や久米仙人なる人物の開基らしいです。奈良末期から平安初期にかけ…

【稲沢市】性海寺

今回は愛知県稲沢市の性海寺(しょうかいじ)について。 性海寺は市南部の住宅地に鎮座している真言宗の寺院です。山号は大塚山。 創建は寺伝によれば弘仁年間(810~824)で、空海が熱田神宮を参拝した折に開かれたとのこと。鎌倉期に中興され、勅願を受けて元寇…

【稲沢市】萬徳寺

今回は愛知県稲沢市の萬徳寺(まんとくじ)について。 萬徳寺は稲沢市街の長野地区に鎮座している真言宗豊山派の寺院です。山号は長沼山。 創建は寺伝によると768年。称徳天皇の勅願を受けた慈眼によって開かれ、その後空海によって再興されたとのこと。災害に…

【名古屋市】笠覆寺(笠寺観音)

今回は愛知県名古屋市の笠覆寺(りゅうふくじ)について。 笠覆寺は南区の住宅地に鎮座する真言宗智山派の寺院です。山号は天林山。通称は笠寺観音(かさでらかんのん)。 創建は寺伝によると733年で、善光という僧侶が流木から彫った観音像を祀ったのが草創。そ…

【岡崎市】大樹寺

今回は愛知県岡崎市の大樹寺(だいじゅじ)について。 大樹寺は市北部の市街地に鎮座している浄土宗の寺院です。山号は成道山。 創建は室町期。松平家の菩提寺として開かれ、家中から大樹(征夷大将軍の唐名)が出ることを願ったのが寺号の由来。現在の大樹寺は…

【知立市】知立神社

今回は愛知県知立市の知立神社(ちりゅう-)について。 知立神社は知立市の中心地に鎮座する三河国二の宮です。別名は池鯉鮒神社(ちりふ-)。 境内には尾張造という様式の社殿があるほか、希少な神宮寺の多宝塔も現存しており、後者は重要文化財に指定されてい…