甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

隅木入り春日造

【安中市】熊野神社(安中)

今回は群馬県安中市安中(あんなか)の熊野神社(くまの-)について。 熊野神社は安中市街の中心部に鎮座しています。 創建は1559年(永禄二年)。領主の安中忠政が、安中城の鬼門除けとして熊野権現を勧請したのがはじまり。以降、歴代の安中城主の崇敬を受け、城…

【伊賀市】高倉神社

今回は三重県伊賀市の高倉神社(たかくら-)について。 高倉神社は市北部の山際に鎮座しています。 創建は社伝によると第11代・垂仁天皇の時代で、神武天皇の東征に従軍した神を当地に祀ったのがはじまりとされます。史料上の初出は『日本三代実録』で、861年(…

【甲州市】熊野神社 後編(本殿の詳細)

今回も山梨県甲州市の熊野神社について。 前編では、拝殿と本殿の概要について述べました。 当記事では、本殿の詳細について述べます。 本殿(第一本殿と第二本殿) 向かって右(東側)の2棟。 右が第一本殿、左が第二本殿で、2棟とも同じ様式で造られているため…

【橿原市】人麿神社

今回は奈良県橿原市の人麿神社(ひとまろ-)について。 人麿神社は橿原市の中心市街地に鎮座しています。 創建は不明。柿本神社(葛城市新庄町)から分祀されたと伝えられています。本殿は1345年に造られたことがわかっており、当社は室町初期には確立されていた…

【高崎市】榛名神社 後編(双竜門、神楽殿、本社・拝殿・幣殿)

今回も群馬県高崎市の榛名神社(はるな-)について。 前編では随神門、五重塔などについて述べました。 後編では双竜門、神楽殿、本社・拝殿・幣殿について紹介・解説いたします。 双竜門 薬医門の先には双竜門(そうりゅうもん)があります。 一間一戸、四脚門、入…

【みなかみ町】月夜野神社

今回は群馬県みなかみ町の月夜野神社(つきよの-)について。 月夜野神社は利根川沿いの河岸段丘に鎮座しています。 創建は不明。もとは都神明宮と呼ばれていたようです。本殿は別の神社から移設したもののようで、板軒にまで彫刻を配した非常に派手な本殿を見…

【上田市】別所神社

今回は長野県上田市の別所神社(べっしょ-)について。 別所神社は別所温泉の北側の丘に鎮座し、常楽寺と隣接しています。 創建については不明。紀州・熊野大社から勧請され、明治期まで熊野社と呼ばれていたのを現在の社名に改称したとのこと。社殿については…

【山梨市】大井俣窪八幡神社 その2(高良神社、武内大神、若宮八幡神社)

今回も山梨県山梨市の大井俣窪八幡神社について。 「その1」では鳥居、神門、比咩三神、鐘楼について述べました。 当記事では摂社・末社の高良神社、武内大神、若宮八幡神社について述べます。 高良神社本殿 境内上段の区画の左手前(南側)には、末社の高良神…

【長野市】葛山落合神社

今回は長野県長野市の葛山落合神社(かつらやま おちあい-)について。 葛山落合神社は長野市郊外の山間の集落に鎮座しています。 本殿は室町時代の造営で重要文化財、摂社・諏訪社も室町時代の造営で県宝に指定されており、充実した内容となっています。また、…

【笛吹市】山梨岡神社

今回は山梨県笛吹市の山梨岡神社(やまなしおか-)について。 山梨岡神社は市北部の集落に鎮座しています。 創建は不明。社伝によると第10代・崇神天皇の時代、疫病をしずめるため当社後方にある御室山に神を祀ったのがはじまりで、第13代・成務天皇の時代に現在…

【大町市】若一王子神社

今回は長野県大町市の若一王子神社(にゃくいちおうじ-)について。 若一王子神社は大町市の市街地に鎮座しています。 広い社叢の中には中信地方で唯一の三重塔があるだけでなく、桧皮葺の本殿や、観音堂などなど非常に見どころが多く、寺社好きならば必見の充…

【小諸市】布引観音(釈尊寺)

今回は長野県小諸市の布引観音(ぬのびきかんのん)釈尊寺(しゃくそんじ)について。 布引観音は小諸市・東御市の境界近くにあり、すぐ北側を千曲川が流れています。 伽藍は崖の上の険しい地形にあり、とくに観音堂は岩壁に引っかかるようにして建つ独特の景観と…