甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

2021-01-01から1年間の記事一覧

【名古屋市】建中寺

今回は愛知県名古屋市の建中寺(けんちゅうじ)について。 建中寺は東区の市街地に鎮座する浄土宗の寺院です。山号は徳興山。 創建は1651年(慶安四年)。尾張藩2代目・徳川光友によって尾張徳川家の菩提寺として開かれ、多数の塔頭や末寺を持つ大寺院だったよう…

【名古屋市】名古屋東照宮

今回は愛知県名古屋市の名古屋東照宮(なごや とうしょうぐう)について。 名古屋東照宮は名古屋城の南側の市街地に鎮座しています。 創建は1619年(元和五年)。徳川家康の三回忌の翌年、名古屋城三の丸に東照宮を勧請したのが始まりです。創建当時の社殿は極彩…

【名古屋市】大須観音(真福寺)

今回は愛知県名古屋市の大須観音(おおすかんのん)について。 大須観音は中区の市街地に鎮座している真言宗智山派の寺院です。山号は北野山。寺号は真福寺。 創建は1333年(元弘三年)で、北野天満宮(京都市)の別当として開かれた真福寺が由来。南北朝時代には…

【名古屋市】熱田神宮

今回は愛知県名古屋市の熱田神宮(あつたじんぐう)について。 熱田神宮は熱田区の市街地に鎮座しています。 創建は社伝によると646年(大化二年)。延喜式内社です。三種の神器のひとつである草薙剣が安置される神宮で、成立以来、国家的な崇敬を受けています。…

【名古屋市】笠覆寺(笠寺観音)

今回は愛知県名古屋市の笠覆寺(りゅうふくじ)について。 笠覆寺は南区の住宅地に鎮座する真言宗智山派の寺院です。山号は天林山。通称は笠寺観音(かさでらかんのん)。 創建は寺伝によると733年で、善光という僧侶が流木から彫った観音像を祀ったのが草創。そ…

【名古屋市】富部神社

今回は愛知県名古屋市の富部神社(とべ-)について。 富部神社は南区の住宅地に鎮座しています。 創建は1608年(慶長八年)。由来は諸説あり、スサノオを祭った祠を当地に移転した説と、津島神社から牛頭天王を勧請した説があります。清須城主・松平忠吉の帰依を…

【名古屋市】興正寺

今回は愛知県名古屋市の興正寺(こうしょうじ)について。 興正寺は昭和区の市街地にある丘陵に鎮座する真言宗の寺院です。山号は八事山。 創建は1686年(貞享三年)。御三家の尾張徳川家からの崇敬を受けて発展しています。 広大な境内には多数の伽藍が建ってい…

【名古屋市】龍泉寺

今回は愛知県名古屋市の龍泉寺(りゅうせんじ)について。 龍泉寺は守山区北部の高台に鎮座する天台宗の寺院です。山号は松洞山。寺号は竜泉寺とも表記されます。 創建は『龍泉寺記』によると延暦年間(782-806)で、最澄が熱田神宮を参拝したときに神託を得て開…

寺社建築の柱の見かた【寺社の基礎知識】

今回は寺社の基礎知識ということで、寺社建築の柱について。 柱は、寺社のみならずすべての建築の基本といえる要素です。 それだけに何気なく寺社を見ていると見逃しがちな部分でもあります。しかし、柱を見ることで寺社建築の格や、造営年代を推測すること…

【市川三郷町】熊野神社(大塚)

今回は山梨県市川三郷町大塚(おおつか)の熊野神社(くまの-)について。 熊野神社は町東部の集落に鎮座しています。 創建は不明。境内には丹塗りの本殿があり、彩色された蟇股を見ることができます。本殿縁側に安置されている狛犬は室町中期のもので、初期の石…

【市川三郷町】表門神社

今回は山梨県市川三郷町の表門神社(うわと-)について。 表門神社は町の東部の住宅地に鎮座しています。別名は御崎神社あるいは市川文珠。 創建は社伝によると孝霊天皇(7代天皇)の時代で、上戸村という場所に鎮座していたのが社名の由来のようです。式内論社…

【市川三郷町】弓削神社

今回は山梨県市川三郷町の弓削神社(ゆげ-)について。 弓削神社は町中央部の住宅地に鎮座しています。別名は二之宮(甲斐国ではなく市川三郷の二の宮という意味)。 創建は不明。延喜式内社に比定されています。ヤマトタケルが東征の帰途に酒折宮(甲府市)に立ち…

【富士川町】諏訪神社(高下)

今回は山梨県富士川町高下(たかおり)の諏訪神社(すわ-)について。 諏訪神社は富士川町の山間の集落に鎮座しています。別名は姫宮神社(ひめみや-)。 創建は不明。当地区の氏神のようです。 本殿は覆い屋に収められていて、各所の羽目には伊豆の工匠の手掛けた…

【富士川町】飛川神社

今回は山梨県富士川町の飛川神社(ひかわ-)について。 飛川神社は最勝寺地区の田園地帯に鎮座しています。 創建は不明。山梨県神社庁によると当地区の鎮守。 境内は小規模ですが、覆い屋に収められた本殿には大量の彫刻が配されており、峡南地域の神社本殿の…

【南アルプス市】八王子社(落合)

今回は山梨県南アルプス市落合(おちあい)の八王子社(はちおうじしゃ)について。 八王子社は市南部の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社伝によると鎌倉期には弘安の役(2度目の元寇)の戦勝祈願を行ったとのこと。室町後期には武田信虎が刀剣を奉納してい…

【南アルプス市】神部神社(下宮地)

今回は山梨県南アルプス市下宮地(しもみやじ)の神部神社(かんべ-)について。 神部神社は南アルプス市の住宅地に鎮座しています。 創建は社伝によると垂仁天皇(11代天皇)の時代、大和国の三輪神社(奈良県桜井市の大神神社のこと)を勧請したのが由来とのこと。…

【南アルプス市】浅間神社(江原)

今回は山梨県南アルプス市江原(えばら)の浅間神社(せんげん-)について。 浅間神社は南アルプス市の住宅地に鎮座しています。 創建は社伝によると景行天皇(12代天皇)の時代とされています。案内板によると1504年(文亀四年)再建の棟札があり、室町期にはすでに…

【南アルプス市】八幡神社(藤田)

今回は山梨県南アルプス市藤田(とうだ)の八幡神社(はちまん-)について。 八幡神社は南アルプス市の住宅地に鎮座しています。 創建は境内案内板によると天長年間(824-833)に宇佐神宮から勧請され、鎌倉初期に加賀美遠光によって社殿が建立されたとのこと。そ…

【韮崎市】藤武神社

今回は山梨県韮崎市の藤武神社(ふじたけ-)について。 藤武神社は市北部の丘陵、新府城の跡地に鎮座しています。 創建は不明。山梨県神社庁によると徳川家康の命で再建されたとのこと。 社名は藤井庄と武田庄を見下ろせる丘にあることが由来とされます。別名…

【甲府市】武田神社

今回は山梨県甲府市の武田神社(たけだ-)について。 武田神社は甲府市街の北端に鎮座しています。 創建は1919年(大正八年)。武田氏の本拠地だった躑躅ヶ崎館の跡地が境内となっていて、武田信玄が祭神として祀られています。 社殿は大正時代の創建当初のもの…

【甲州市】恵林寺

今回は山梨県甲州市の恵林寺(えりんじ)について。 恵林寺は市の北部の住宅地に鎮座している臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は乾徳山。 創建は1330年で、甲斐国守護・二階堂貞藤が夢窓疎石を当地に招いて開山しました。戦国期に武田氏の菩提寺として再興されて…

【甲州市】大善寺

今回は山梨県甲州市の大善寺(だいぜんじ)について。 大善寺は市の南東部の国道沿いに鎮座している真言宗智山派の寺院です。山号は柏尾山。別名はぶどう寺。 創建は寺伝によると718年。奈良時代に隆盛をきわめたようですが、平安期の火災で境内伽藍を焼失し、…

【立科町】津金寺

今回は長野県立科町の津金寺(つがねじ)について。 津金寺は旧中山道の沿線に鎮座している天台宗の寺院です。山号は慧日山。 創建は702年とされ、行基が戸隠権現の霊験を受けて聖観音を安置したのが始まりと伝えられています。鎌倉期には学問所として知られ、…

【佐久市】駒形神社

今回は長野県佐久市の駒形神社(こまがた-)について。 駒形神社は市南部の高台の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。境内案内板によると“牧に関連した神社と推定されている”とのこと。本殿は標準的な一間社流造ですが室町中期の造営と考えられており、貴重…

【佐久市】伊豆箱根三島神社

今回は長野県佐久市の伊豆箱根三島神社(いず はこね みしま-)について。 伊豆箱根三島神社は鳴瀬地区の農地の一角にある城跡に鎮座しています。 創建は不明。鎮座地の岩尾城は室町中期に造られ、戦国時代末期まで大井氏の居城として使われていたとのこと。社…

【佐久市】諏訪八幡神社

今回は長野県佐久市の諏訪八幡神社(すわ はちまん-)について。 諏訪八幡神社は市西部の集落に鎮座しています。 創建は不明。長野県神社庁によると、鎌倉以前から崇敬されており、八幡社は鶴岡八幡宮からの勧請とのこと。境内にはふたつの本殿が並立し、両者…

【佐久市】諏訪神社(小宮山)

今回は長野県佐久市小宮山(こみやま)の諏訪神社(すわ-)について。 諏訪神社は市南西部の集落に鎮座しています。 創建は不明。公民館と隣接する境内は拝殿と本殿があるだけで、神社としてこの上なくシンプルな内容。本殿は茅葺形鉄板葺の三間社流造で、軒下や…

【佐久市】諏訪社(大沢)

今回は長野県佐久市大沢(おおさわ)の諏訪社(すわしゃ)について。 諏訪社は市南部の集落に鎮座しています。 創建は不明。社務所の由緒書きによれば、1329年(嘉暦四年)の記録に記載があるらしいです。長野県神社庁ホームページによると、もとは水神が祀られ、1…

【佐久市】諏訪神社(下小田切)

今回は長野県佐久市下小田切(しもおたぎり)の諏訪神社(すわ-)について。 諏訪神社は佐久臼田ICの東に鎮座しています。 創建は不明。長野県神社庁ホームページによると1629年(寛永六年)の水帳から、祠があったことが判っているとのこと。1913年には同市臼田の…

【佐久市】五社神社(中小田切)

今回は長野県佐久市中小田切(なかおたぎり)の五社神社(ごしゃ-)について。 五社宮は切原小学校の裏手に鎮座しています。 社名は五社宮とも言うようですが、当記事では長野県神社庁のホームページに準拠して五社神社とします。 創建、由緒、祭神は不明。小規…