今回は東京都渋谷区の明治神宮(めいじじんぐう)について。
明治神宮は代々木地区の市街地に鎮座しています。
創建は1920年(大正九年)。明治天皇を祀るため、第一次大戦後、勤労奉仕によって造営されました。太平洋戦争では空襲により本殿などの主要な社殿を焼失し、焼失した社殿は戦後に再建されました。
現在の社殿は大正(創建時)と戦後のもので、大正の社殿は伊東忠太の設計、戦後の社殿は角南隆の設計で造られたものです。計36棟の社殿が国の重要文化財となっています。
当記事では参道や南神門周辺について述べます。
現地情報
所在地 | 〒151-8557東京都渋谷区代々木神園町1-1(地図) |
アクセス | 原宿駅から徒歩3分 |
駐車場 | なし(※周辺にコインパーキングあり) |
営業時間 | 05:20-17:20 |
入場料 | 無料 |
社務所 | なし |
公式サイト | 明治神宮 |
所要時間 | 30分程度 |
境内
参道
明治神宮の境内は南向き。境内の入口は北と南にあり、南側が正面のようです。
こちらは南側の入口に立つ一の鳥居で、すぐ近くに原宿駅があります。
一の鳥居は木造明神鳥居。
一の鳥居向かって右には南制札。
切妻、銅板葺。
1920年(大正九年)造営。「明治神宮」36棟として国指定重要文化財。
制札には、車馬の乗入れ、魚鳥の捕獲、竹木の伐採、以上を禁止するといった内容が書かれています。神社の制札としてよくある内容です。
破風板には金具がつき、懸魚がさがっています。
軒裏は一重まばら垂木。
一の鳥居をくぐって進むと、参道に神橋(しんきょう)がかかっています。
RC造、反橋。橋長10.3メートル。
こちらも1920年造営で、「明治神宮」として国重文です。
神橋の先には、参道の両脇に酒樽が積まれています。
右手には各地の銘酒が、左手にはワインの樽が奉納されています。銘酒の奉納は神社ではよく見る光景ですが、ワインについては明治天皇がワインを愛飲していたことにちなむようです。
さらに参道を進むと、参道がクランク状に折れ曲がり、東向きの二の鳥居が現れます。
二の鳥居は木造明神鳥居。
二の鳥居から進むと、境内の中心部に到着し、三の鳥居と主要な社殿が現れます。
こちらは三の鳥居で、木造明神鳥居です。
南手水舎と祓舎
三の鳥居向かって左手前(南西)には、南手水舎(みなみ てみずしゃ)があります。
切妻、銅板葺。
1920年造営、国重文。
南の妻面。
柱はいずれも面取り角柱で、柱上は舟肘木。
妻飾りは豕扠首。
破風板の拝みには、猪目(ハート形)に開口された懸魚が下がっています。
南手水舎の反対側、三の鳥居南東には祓舎(はらえしゃ)。
桁行3間・梁間2間、切妻、銅板葺。
1920年造営、国重文。
南の妻面。
手水舎と同様に柱は面取り角柱で、柱上は舟肘木。
妻飾りは豕扠首で、破風板や懸魚の意匠も手水舎と同様です。
三の鳥居の左右には、このような塀(玉垣)が立てられています。上の写真は向かって右側(東側)のもの。
こちらも「明治神宮」36棟のひとつとして国重文のようです。
三の鳥居をくぐると、左手に宿衛舎(しゅくえいしゃ)があります。
こちらも1920年造営で、国重文です。
参道や南神門周辺については以上。