甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

滋賀県

【愛荘町】金剛輪寺 前編(参道、二天門)

今回は滋賀県愛荘町の金剛輪寺(こんごうりんじ)について。 金剛輪寺は町東部の山際に鎮座する天台宗の寺院です。山号は松峯山。 別名は松尾寺。西明寺(甲良町)、百済寺(東近江市)とともに湖東三山のひとつ。 創建は寺伝によれば737年または741年で、聖武天皇…

【愛荘町】大行社

今回は滋賀県愛荘町の大行社(だいぎょうしゃ)について。 大行社は湖東三山ICに隣接する集落に鎮座しています。 創建は不明。金剛輪寺の鎮守として勧請されたようです。1878年に社殿を焼失したため、金剛輪寺境内社を移築したのが現在の本殿とのこと。 境内社…

【東近江市】春日神社(小八木町)

今回は滋賀県東近江市小八木町(こやぎちょう)の春日神社(かすが-)について。 春日神社は市東部の田園地帯の集落に鎮座しています。 創建は不明。興福寺(奈良市)の寺領であったため、春日大社から分祀されたようです。 境内の規模は標準的ですが、室町前期に…

【東近江市】押立神社

今回は滋賀県東近江市の押立神社(おしたて-)について。 押立神社は市郊外の田園地帯に鎮座しています。 創建は社伝によると奈良時代。60年に一度のドケ祭という奇祭で知られるようです。 境内は広大な社叢に覆われており、大門と本殿は室町初期の南北朝時代…

【東近江市】弘誓寺(五個荘町)

今回は滋賀県東近江市五個荘町(ごかしょうちょう)の弘誓寺(ぐぜいじ)について。 弘誓寺は近江商人の町・金堂地区に鎮座する浄土真宗大谷派の寺院です。山号は金龍山。 近江七弘誓寺のひとつで、市内をはじめ近隣に同名の寺院が複数存在します。 創建は1290年(…

【近江八幡市】奥石神社

今回は滋賀県近江八幡市の奥石神社(おいそ-)について。 奥石神社は旧中仙道沿線の集落にある史跡・老蘇(おいそ)の森に鎮座しています。通称は鎌宮。 創建は社伝によれば7代孝霊天皇の時代とのこと。10代崇神天皇の時代には社殿が造られたようです。平安期には…

【近江八幡市】桑実寺

今回は滋賀県近江八幡市の桑実寺(くわのみでら)について。 桑実寺は観音寺山(繖山)に鎮座する天台宗の寺院です。山号は繖山(きぬがさやま)。 創建は寺伝によれば677年(白鳳六年)で、天智天皇の勅願により定恵(藤原鎌足の子)が開基したといわれます。寺号は定…

【近江八幡市】長命寺 後編(三重塔、護摩堂、三仏堂、護法権現)

今回も滋賀県東近江市の長命寺について。 前編では日吉神社、参道、本堂について述べました。 当記事では三重塔、護摩堂、三仏堂、護法権現などについて述べます。 三重塔 本堂の右手には丹塗りの三重塔が西面して鎮座しています。 三間三重塔婆、こけら葺。…

【近江八幡市】長命寺 前編(日吉神社、参道、本堂)

今回は滋賀県近江八幡市の長命寺(ちょうめいじ)について。 長命寺は琵琶湖畔の山間に鎮座する天台宗系(単立宗派)の寺院です。山号は姨綺耶山。 創建は、寺伝によると当地にて武内宿禰が柳の木の下で長寿を祈願し、聖徳太子がその柳の木から十一面観音を彫っ…

【近江八幡市】八幡社(馬淵町)

今回は滋賀県近江八幡市馬淵町(まぶちちょう)の八幡社(はちまんしゃ)について。 八幡社は国道8号沿線の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社伝によれば、源義家が熱病にかかった馬を当地で休ませたところ平癒したことから、八幡神を勧請したのが由来のよ…

【栗東市】宇和宮神社

今回は滋賀県栗東市の宇和宮神社(うわみや-)について。 宇和宮神社は国道8号沿線の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社伝によれば717年(養老元年)、玉岡宿禰広国という人物により勧請されたとのこと。 境内社殿は本殿が室町期のもので、滋賀県内に多く…

【栗東市】小槻大社

今回は滋賀県栗東市の小槻大社(おつきたいしゃ)について。 小槻大社は市郊外の丘陵に鎮座しています。 創建は、社伝によると栗太郡を領する豪族の小槻山君が氏神を祀ったのが始まりとのこと。平安期の『延喜式』にも記載があり、式内社となっています。室町…

【草津市】志那神社

今回は滋賀県草津市の志那神社(しな-)について。 志那神社は市郊外の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社記によれば『延喜式』に「意布伎神社」と記載された式内社のようですが、何らかの理由で現在の社名に改められています。また、清和天皇の奉納した…

【草津市】老杉神社

今回は滋賀県草津市の老杉神社(おいすぎ-)について。 老杉神社は市郊外の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社伝によれば704年の草創とのこと。1452年には近江国守護・佐々木氏の家臣である下笠高賀によって本殿が造営され、これが現在の本殿です。室町幕…

【草津市】伊砂砂神社

今回は滋賀県草津市の伊砂砂神社(いささ-)について。 伊砂砂神社は草津市の中心市街に鎮座しています。 創建は不明。社伝によれば1468年(応仁二年)に六角高頼が河内国の渋川神社(大阪府八尾市)を勧請したのが始まりとのこと。古くは天大将軍社と称し、雨乞い…

【栗東市】大宝神社

今回は滋賀県栗東市の大宝神社(だいほう-)について。 大宝神社は栗東市の市街地に鎮座しています。 創建は社伝によると701年(大宝元年)で、疫病を鎮める神として崇敬されたようです。室町期には足利将軍家や佐々木氏の寄進を受けたようですが、安土桃山期に…

【野洲市】稲荷神社(小篠原)

今回は滋賀県野洲市小篠原(こしのはら)の稲荷神社(いなり-)について。 稲荷神社は国道8号沿いの住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社伝によれば948年(天暦二年)、伏見稲荷大社から福林寺という寺院に勧請されたのが始まりとのこと。福林寺は衰亡しました…

【野洲市】生和神社

今回は滋賀県野洲市の生和神社(いくわ-)について。 生和神社は市東部の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社伝によれば、1009年(寛弘六年)に領主となった藤原忠重(藤原鎌足の孫にあたる)が当地を開拓して大蛇を退治し、その後生和大明神として祀られるよ…

【野洲市】御上神社

今回は滋賀県野洲市の御上神社(みかみ-)について。 御上神社は国道8号沿線の三上地区に鎮座しています。 創建は孝霊天皇(7代天皇)の時代とされ、近隣にある三上山を神体として祀ったのが始まりとされています。平安期には藤原不比等によって現在地に社殿が建…

【野洲市】大笹原神社

今回は滋賀県野洲市の大笹原神社(おおささはら-)について。 大笹原神社は市東部の山際に鎮座しています。 創建は社伝によれば986年(寛和2年)。1414年に岩倉城主・馬淵定信によって社殿が再建され、これが現在の社殿となっています。 本殿は国宝に指定されてい…

【竜王町】鏡神社

今回は滋賀県竜王町の鏡神社(かがみ-)について。 鏡神社は町西部の丘陵に鎮座しています。 創建は不明。祭神である天日槍尊が当地に鏡を納めたことが社名の由来とのこと。平安期には牛若丸こと源義経が当地で元服したという伝説があるようです。 境内は拝殿…

【竜王町】苗村神社 後編(拝殿、西本殿)

今回も滋賀県竜王町の苗村神社について。 前編では西本殿と楼門について述べました。 当記事では拝殿と国宝の西本殿などについて述べます。 拝殿 楼門の先の参道左手には手水舎。 切妻、桟瓦葺。 参道を右に90度折れると拝殿があります。 入母屋(妻入)、銅板…

【竜王町】苗村神社 前編(東本殿、楼門)

今回は滋賀県竜王町の苗村神社(なむら-)について。 苗村神社は町の中部の田園地帯に鎮座しています。 創建は垂仁天皇(11代天皇)の時代とされています。平安期の『延喜式』には当社を指して長寸(なむら)神社と記述があるようで、延喜式内社となっています。 …

【竜王町】勝手神社

今回は滋賀県竜王町の勝手神社(かって-)について。 勝手神社は町南部の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社伝によれば859年(貞観元年)に奈良県吉野町の勝手神社から勧請されています。 境内には桧皮葺の大規模な本殿が鎮座しており、室町前期の造営のた…