甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

福島県

【会津若松市】厳島神社

今回は福島県会津若松市の厳島神社(いつくしま-)について。 厳島神社は若松市街の飯盛山中腹に鎮座しています。 創建は社伝によると永徳年間(1381~1384)で、当地の豪族が宗像社の分霊を祭祀したのがはじまりとのこと。創建後は神仏習合により弁才天と同一視…

【磐梯町】恵日寺 後編(薬師堂、不動堂、山門および本堂)

今回も福島県磐梯町の恵日寺について。 前編では慧日寺跡について述べました。 当記事では薬師堂、不動堂、恵日寺山門および本堂について述べます。 仁王門と薬師堂 慧日寺跡の敷地を出て、東側の区画へ進むと、薬師堂と仁王門があります。両者とも南向きで…

【磐梯町】恵日寺 前編(慧日寺跡)

今回は福島県磐梯町の恵日寺(えにちじ)について。 恵日寺は磐梯町市街の北側の山際に鎮座する真言宗豊山派の寺院です。山号は磐梯山。 前身の慧日寺(えにちじ)は807年(大同二年)、徳一によって法相宗の寺院として開かれました。当時の慧日寺は数千もの僧兵と…

【喜多方市】新宮熊野神社 後編(本殿)

今回も福島県喜多方市の新宮熊野神社について。 前編では長床などの社殿について述べました。 当記事では3棟の本殿について述べます。 本殿 3棟 長床の先には石段があり、境内奥の一段高い場所に、透塀に囲われた本殿が鎮座しています。 本殿は熊野三山を模…

【喜多方市】新宮熊野神社 前編(長床)

今回は福島県喜多方市の新宮熊野神社(しんぐう くまの-)について。 新宮熊野神社は市西部の住宅地に鎮座しています。 創建は伝承によると1055年(天喜三年)で、源頼義が前九年の役の戦勝を祈願して熊野堂(現在の会津若松市河東町)に熊野神社を祀ったのがはじ…

【会津若松市】会津さざえ堂(旧正宗寺三匝堂)

今回は福島県会津若松市の会津さざえ堂(あいづ さざえどう)について。 会津さざえ堂は飯盛山の中腹に鎮座する仏堂です。正式名称は旧正宗寺三匝堂(きゅう しょうそうじ さんそうどう)、または円通三匝堂(えんつうさんそうどう)。 会津さざえ堂は正宗寺の伽藍…

【会津坂下町】恵隆寺(立木観音)

今回は福島県会津坂下町の恵隆寺(えりゅうじ)について。 恵隆寺は町西部の田園地帯の集落に鎮座する真言宗豊山派の寺院です。山号は金塔山。通称は立木観音(たちき かんのん)。 創建の年代や経緯は諸説ありますが不明。伝承によると540年に梁の渡来僧・青岩に…

【会津坂下町】心清水八幡神社

今回は福島県会津坂下町の心清水八幡神社(こころしみず はちまん-)について。 心清水八幡神社は町西部の山際に鎮座しています。別名は塔寺八幡宮(とうでら はちまんぐう)。 創建は社伝によると1055年(天喜三年)。源頼義・義家父子が前九年の役の折に、戦勝を…

【柳津町】円蔵寺 後編(奥之院弁天堂)

今回も福島県柳津町の円蔵寺について。 前編では仁王門と本堂について述べました。 当記事では本堂周辺の伽藍や奥之院弁天堂について述べます。 本堂周辺の伽藍 奥之院へ移動する前に、本堂周辺の伽藍から紹介。 こちらは本堂正面の縁側から只見川を見下ろし…

【柳津町】円蔵寺 前編(仁王門と本堂)

今回は福島県柳津町の円蔵寺(えんぞうじ)について。 円蔵寺(圓藏寺)は川沿いの温泉街に鎮座する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は霊巌山。通称は福満虚空藏菩薩。 創建は不明。寺伝によると807年に徳一が空海作の虚空蔵菩薩を当地に祀ったのがはじまりで、そ…