甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【安曇野市】有明山神社(里宮)

今回は長野県安曇野市の有明山神社(ありあけやま-)について。 有明山神社は市西部の有明地区の山際に鎮座しています。 創建は不明。伝承によると、坂上田村麻呂が蝦夷征伐の折に当地で戦勝祈願をしたとのこと。鎌倉時代以降は、当地の領主・仁科氏の祈願所と…

【大町市】仁科神明宮

今回は長野県大町市の仁科神明宮(にしなしんめいぐう)について。 仁科神明宮は長野県の北西部、大町市の郊外に鎮座しています。 この地は伊勢神宮に山の幸を献上していた御厨(みくりや)だったため、仁科神明宮は伊勢と同じ「神明造」(しんめいづくり)の本殿…

【大町市】若一王子神社

今回は長野県大町市の若一王子神社(にゃくいちおうじ-)について。 若一王子神社は大町市の市街地に鎮座しています。 広い社叢の中には中信地方で唯一の三重塔があるだけでなく、桧皮葺の本殿や、観音堂などなど非常に見どころが多く、寺社好きならば必見の充…

【塩尻市】永福寺

今回は長野県塩尻市の永福寺(えいふくじ)について。 永福寺は塩尻市の旧市街に鎮座する真言宗の寺院です。山号は慈眼山。 創建は室町後期ですが本尊の馬頭観音は行基の作と伝えられ、木曽義仲を弔うため開基されました。もとは長福寺といったようですが、9代…

【塩尻市】阿礼神社

今回は長野県塩尻市の阿礼神社(あれい-)について。 阿礼神社(阿禮神社)は旧塩尻宿の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。社伝によると当地には諏訪氏の分流の一族が住んでいて、当初はその氏神だったとのこと。平安時代には坂上田村麻呂が東征の折に当社に…

【富岡市】貫前神社 後編(本殿、境内社など)

今回も群馬県富岡市の貫前神社について。 前編では楼門や拝殿などについて述べました。 当記事では本殿や境内社について述べます。 本殿 拝殿の後方には、二重の塀に囲われた本殿が鎮座しています。 梁間3間・桁行3間、入母屋(妻入)、向拝3間、檜皮葺。 拝殿…

【富岡市】妙義神社 後編(唐門、拝殿・幣殿・本殿)

今回も群馬県富岡市の妙義神社について。 前編では総門と波己曽社などについて述べました。 当記事では唐門と拝殿・幣殿・本殿などについて述べます。 随神門 波己曽社から参道に戻ると、参道の先に長大な石段があります。 石段の先には随神門。 三間一戸、八…

【富岡市】菅原神社 ~日光を彷彿とさせる精緻な社殿~

今回は群馬県のマイナー観光地ということで、富岡市の菅原神社(すがわら-)について。 菅原神社は富岡市郊外の山間の集落の中に鎮座しています。 社格は村社で、言うなれば村の鎮守といったポジションの神社なのですが、本殿は立派な三間社で、その壁面は極彩…

【甲府市】玉諸神社

今回は山梨県甲府市の玉諸神社(たまもろ-)について。 玉諸神社は甲府市街東部の住宅地の中に鎮座しています。 甲斐国(山梨県)で第3位の格を持つ三宮(さんのみや)とされている由緒正しい古社であり、特に江戸初期の造営である本殿は他の神社で見られない独特…