今回は長野県のマイナー観光地ということで、諏訪市の兒玉石神社(こだまいし-)について。
今回は温泉寺が目的で諏訪市に来たのですが、その途中、遠目に見ても独特な存在感を放っている神社を発見しました。見てみたところ、諏訪大社上社の摂社とのことで、ちょっとした発見もあったので紹介したいと思います。
現地情報
所在地 | 〒392-0002長野県諏訪市湯の脇1-12-3(地図) |
アクセス |
上諏訪駅から徒歩15分 岡谷ICまたは諏訪ICから車で20分程度 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 随時 |
入場料 | 無料 |
社務所 | なし |
公式サイト | なし |
所要時間 | 5分程度 |
境内
市街地のほうから歩いてきて、もう少しで目的の温泉寺に着くというあたりで、道から数十メートル外れたところに兒玉石神はありました。名前からして、石を信仰する神社のようです。
境内に入ると兒玉(小玉)というには大きすぎるうえ、丸くもない石に囲まれた神社がありました。
境内の様子。拝殿・本殿の四囲には御柱が立てられています。
やはり諏訪大社の系統のようで、上社の摂社とのこと。つまり、独立した神社ではありません。
しめ縄のかかった大岩は「いぼ石」と言い、ここに溜まった雨水で洗うとイボが直るという伝承があるようです。この手のイボ取りの伝承は、全国的に割とありふれています。
余談になりますが、佐久市には肬水神社(いぼみず-)という神社があり、「石宮」の別名で呼ばれています。イボ取りと大岩がセットになっている点では、兒玉石神社とよく似ている気がします。
拝殿。
質素な造りですが、組物、虹梁、蟇股が使われています。
本殿
本殿は銅板葺きの一間社流造(いっけんしゃ ながれづくり)。
破風板には1つだけ懸魚が付いており、透かし彫りの繊細な造形をしています。
案内板によると、この本殿は八剱神社(やつるぎ-)の旧社殿を移築したものとのこと。
ここで注目してほしいのは、柱に角柱が使われていること。
基本的に角柱は丸柱(円柱)より格下で、神社本殿の母屋(身舎)には使われません。しかし諏訪大社の境内には角柱を使った摂社末社が多数あります。ここから推察できるのは、この兒玉石神社は摂社末社と同格であるということです。
兒玉石神社は上社から離れているので独立した神社のように感じてしまいますが、実は摂社の1つにすぎないというわけです。
案内板に「摂社」と明記されているので推理するまでもなかったのですが、柱というものは意外と饒舌に社殿の格を教えてくれます。皆様も、神社を見るときは柱をよく観察してみてください。
以上、兒玉石神社でした。
(訪問日2019/06/18)