世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【茅野市】御座石神社 ~“御座石”は一体どこにある?~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、御座石神社(ございし-)について。

 

御座石神社はビーナスラインこと国道152号線の道沿いに鎮座し、そのものずばりな“御座石神社”という交差点があります。中央道を下りて白樺湖や尖石(縄文のビーナス)などの主要な観光地へ向かうときには必ず通るであろう交差点で、ちょっと変わった名前なので読みかたが気になってしまう人も少なくないと思います。

 御座石神社へのアクセスは茅野駅が最寄りで、徒歩40分くらいです。

駐車場は、境内に数台分の駐車スペースがあります。

 

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国道152号線、御座石神社交差点です。右側の茂みが御座石神社の社叢になります。

ちなみに、道路案内の青看板の左に写っているのは“諏訪富士”の異名もある蓼科山(たてしなやま)です。私の中では茅野といったら蓼科山のイメージです。

 

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国道沿いの面は裏口になるので、境内を回り込んで正面側に移動。鳥居が2つ立っています。

奥にある鳥居は、丸太を組んで作られています。諏訪大社に立てられる御柱と同じ材質で、樅(もみ)の木でしょう。

この神社は諏訪大社の系統なのですが、境内に御柱は立っていません。御柱祭の際は、曳いてきた丸太で鳥居を作るみたいです。よく見ると、鳥居は4本の柱で構成されており、御柱の本数といっしょですね。

 

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誰がやってくれているのかは謎ですが、境内の砂利には筋状の模様が引かれていて、枯山水のような雰囲気。

 

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拝殿は向拝付きの入母屋。

諏訪大社の祭神(タケミナカタ)の母であるヌナカワが祀られているとのこと。

 

 

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装飾はほぼ無くシンプルな作りですが、虹梁(こうりょう)には雲のような意匠があり、蟇股(かえるまた)には諏訪大社上社の“梶の葉”(かじのは)の紋が彫られています。

 

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これが社名の由来になった御座石...と言いたいところですが、案内板を見ても何故か石の名前が書かれておらず、本当にこれが御座石なのかは確信が持てません。社名になるくらいの石なら堂々と名前を書けばいいのに、どうしてそうしないのでしょう?

それはひとまず置いておいて、案内板の解説によると、石の窪みは祭神のヌナカワが鹿に乗って越後国(新潟県)から大門峠を越えてやってきたときの足跡とのこと。

ヌナカワというと確か新潟県糸魚川市のあたりと関係の深い神だったと思いますが、糸魚川から諏訪・茅野へ来るなら松本と塩尻峠を通るのが最短で、大門峠(白樺湖の近く)を通るルートはかなりの遠回りになるはずです。どうしてこんなルートで来たのか、私には皆目見当がつきません...

 

“どぶろく祭”なるお祭りに使用する重要な石であることは確かなようですが、この石はちょっと眉唾というか、突っ込みどころが散見されますね。

ついでに突っ込んでおくと、石に足跡をつける鹿って、どんな鹿なのでしょう? 鹿が強かったのか、あるいは石が柔らかかったのか...

 

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なお、境内には他にもいろいろと意味ありげな石が多数あります。この看板に“御座石”の記述がいちおうありますが、最後のほうに取って付けたような感じです。

社名の由来になるような由緒ある石なら“七石”の筆頭になってもいいのに、何故こんな扱いなのでしょう?

結局、御座石はどれなのか、現存するのか否か、納得行く答えは得られませんでした。

 

以上、御座石神社でした。

(訪問日2019/03/23)