甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

【大桑村】白山神社と池口寺

今回は長野県大桑村の白山神社(はくさん-)池口寺(ちこうじ)について。

 

白山神社

所在地:〒399-5501長野県木曽郡大桑村殿1755(地図)

 

白山神社(はくさん-)は木曽川西岸の斜面の山林に鎮座しています。

創建は不明。社殿については本殿など4棟が国指定重要文化財となっていますが覆い屋の内部にあり、窓から一部を覗き見ることしかできません。

 

白山神社入口

白山神社の境内は南向き。

入口には石造の明神鳥居があり、扁額は「白山神社」。

参道は急な階段になっており、途中で左脇に女坂のような傾斜のゆるい迂回路があります。

 

白山神社拝殿

石段や歩道を3分ほど登ると、その先に拝殿があります。

拝殿は銅板葺の切妻。向拝1間。

 

本殿覆い

本殿覆い

拝殿の裏手には本殿が納められた覆い屋があります。

内部を覗き見ることはできるのですが、ただでさえ窓の隙間が小さいうえ、ガラス戸の上に網が張られていて写り込みがひどく、内部の様子はほとんど分かりません。流造で見世棚造の本殿があることが辛うじて分かりました。

覆い屋の中には白山神社、熊野神社、伊豆神社、蔵王神社の4棟の本殿が納められているらしく、いずれも檜皮葺の一間社流造(いっけんしゃ ながれづくり)で見世棚造とのこと。

造営年代は1334年(弘元4年)で、国指定重要文化財長野県最古の神社建築です。

 

本殿については以上。

中の様子がほとんど分からないので、国重文の本殿ですがこれ以上語ることがありません...

日本遺産木曽路のページによると氏子総代のかたにお願いすれば内部に入って見学させてくれるらしいですが、有料でかまわないからもっと気楽に見学できるようにしてほしいというのが私の率直な感想です。

 

境内社

こちらは覆い屋の左手にある摂社末社。

詳細な年代は不明ですが、覆い屋の中の本殿とくらべるとかなり新しいものと思われます。

 

以上、白山神社でした。

 

池口寺

所在地:〒399-5501長野県木曽郡大桑村殿1121-1(地図)

 

池口寺(ちこうじ)は木曽川西岸の集落に鎮座している臨済宗の寺院です。山号は瑠璃山。

創建は不明ですが、平安後期とのこと。伽藍については薬師堂が鎌倉期の造営と伝えられ、長野県宝に指定されています。

 

池口寺の境内は白山神社の入口から橋を渡ってすぐの場所にあります。

なお、山門があるようですが、その存在に気づきませんでした...

池口寺薬師堂

こちらが長野県宝に指定されている薬師堂。

薬師堂は銅板葺の寄棟(妻入)。正面3間・側面4間。柱はいずれも円柱。

軒裏は一重でまばら垂木。柱上では舟肘木(ふなひじき)が桁を受けており、斗(ます)は使われていません。

長押の上ではいちおう頭貫が通っていますが、その木口をカバーする木鼻もありません。木鼻は鎌倉期から登場する部材なので、これを使わないのは古式な作風です。

 

造営年は詳細不明ですが、鎌倉後期とされています。薬師堂に使われているヒノキ材の一部は1289年に伐採されたものであることが判っているとのこと。

鎌倉時代の造営ともなると国重文くらいの文化財指定は受けてもおかしくないのですが、県宝指定にとどまっています。おそらく棟札のようなはっきりとした年代の根拠となる資料がないせいでしょう。

本尊は薬師如来。

 

薬師堂側面

左側面。

壁板が横方向に張られているほか、正面と大きなちがいはなし。

 

薬師堂床下

母屋柱の床下は、八角形に成形されていました。

柱は仕口を使って補修している様子で、おそらくこの堂の大部分は鎌倉期ではなく室町以降の補修によるものなのではないでしょうか。

 

以上、池口寺でした。

(訪問日2020/06/27)

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