世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【松本市】深志神社(深志天神) ~諏訪神社と天満宮が横並び~

今回は長野県の観光地ということで、深志神社(ふかし-)について。深志天神という別名もあるようです。

 

深志は現在の松本市中心部の地名です。そもそも“松本”という地名は戦国時代に大名・小笠原氏が失地であった深志を取り戻すという悲願を遂げたことを祝って付けたものなので、地名としての歴史と由緒は“深志”のほうが古かったりします。

そんな歴史ある地名を冠した神社なので、深志神社の創設も古く、鎌倉末期から室町初期にかけての時代にタケミナカタ(諏訪大社の祭神)を祀ったのが始まりとされています。江戸時代以降は松本城の歴代城主たちからも篤く信仰を受けたようです。

 

 

 

現地情報

・所在地:

 〒390-0815
 長野県松本市深志3丁目7-43

・アクセス:

 松本駅から徒歩10分程度

 松本ICから国道158号線にて車で15分程度

・駐車場:なし

・営業時間:随時

・入場料:無料

・社務所:あり

・滞在時間:5分程度

 

境内

境内入口 

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鳥居と境内全景。鳥居は稚児柱のある両部鳥居。

塗装がきれいで、よく手入れされている印象。扁額には「深志神社」とあります。

 

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狛犬。胴が長く、身長の割に座高が高そうな体型。

 

社殿

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手水舎。極彩色の彫刻や白地に金の梁が美しいです。

彫刻に目を奪われていると見落としそうになりますが、なぜか柱が7本もあって奇妙な造りになっています。手水舎はたいてい4本柱なのですが、どうしてこんな造りになった?

 

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灯籠と神楽殿。妻入の入母屋です。他、特にコメントすることはないです。

 

拝殿

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拝殿。屋根は銅板葺き。平入りの入母屋で、向拝は軒唐破風(のき からはふ)です。

 

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拝殿の唐破風。よく見ると紋が2種類あります。写真右側にある紋は梶の葉で、タケミナカタのものです。左側にあるの紋は天神、すなわち菅原道真です。この2つの紋はレイアウトが似ているので、注意深く見ないと見落としてしまいそうでした。

この神社はタケミナカタと天神が合祀されているので、諏訪神社でありながら天満宮でもあるというわけです。

 

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賽銭箱の前から拝殿を写した写真。垂れ幕には梶の葉が緑で、梅が赤で描かれています。

 

本殿

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拝殿の裏へ回ってみると、2つの本殿が軒を寄せ合うようにして並んでいました。写真奥が諏訪神社、手前が天満宮です。両者とも銅板葺きの一間社流造(いっけんしゃ ながれづくり)。特に文化財指定はされていないようです。

母屋の柱は円柱、向拝は角柱。正面の階段の下には浜床があり、縁側は三手先の組物で支えられています。全体として紅白がベースのめでたい感じの配色。

 

社殿については以上になります。以下は余談。

タケミナカタというと、雷神とされるタケミカズチ(漢字で書くと武御雷)との力比べに負けて諏訪に封じられた伝説があります。

天神(菅原道真)というと学問の神としておなじみですが、「桑原桑原」という雷除けのおまじないにあるように、雷神として扱われることもあります。

タケミナカタと天神、雷神と繋がりのある両者が隣同士に並んでいるというのは、ちょっと意味深に感じなくもないですね。どう考えてもただの偶然にちがいないですが。

 

以上、深志神社(深志天神)でした。

(訪問日2019/04/06)

 

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