世をひねる

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

【恵那市】武並神社

今回は岐阜県恵那市の武並神社(たけなみ-)について。

 

武並神社は恵那市街の国道19号線沿いに鎮座しています。

創建は伝承によると平安期、記録上では鎌倉期の1220年(承久2年)とのこと。社殿については檜皮葺の拝殿と幣殿があるほか、室町期に造営された大型の本殿が国重文に指定されています。

 

現地情報

所在地 〒509-7201岐阜県恵那市大井町1101(地図)
アクセス 恵那駅または東野駅から徒歩15分
恵那ICから車で10分
駐車場 40台(無料)
営業時間 随時
入場料 無料
社務所 あり(要予約)
公式サイト なし
所要時間 15分程度

 

境内

参道

武並神社入口

武並神社の境内は南西向き。

入口には石造の明神鳥居が立ち、扁額は「武並神社」。

鳥居のすぐ右手には国道19号線が通っており、片側2車線の快走路を車が走り抜けて行くせいでちょっと落ち着きのない雰囲気。

 

武並神社手水舎

手水舎は参道の左手にあります。

銅板葺の切妻。柱と梁だけは石材が使われています。

 

拝殿と幣殿

武並神社拝殿

拝殿は檜皮葺の入母屋(妻入)。正面3間・側面2間。柱は角柱。

扁額は「武並神社」。鬼板と大棟には笹竜胆の紋がありました。

 

拝殿側面

左側面(東面)。

入母屋なので前後対称な屋根形状。柱間にはガラス戸がはめ込まれています。

 

武並神社幣殿

拝殿の後方には幣殿と塀。

両者とも檜皮葺の切妻。幣殿は四脚門のような平面になっています。

幣殿には伊勢神宮本殿の古材が使われているとのこと。

 

幣殿側面

幣殿の側面。

柱の正面と側面には、唐獅子と獏が彫られた木鼻が取り付けられています。

壁面は豕扠首(いのこさす)と間斗束(けんとづか)を組み合わせたような意匠。

 

本殿

武並神社本殿

幣殿の後方には玉垣に囲われた本殿が鎮座しています。

本殿は檜皮葺の三間社入母屋(さんけんしゃ いりもや)。正面3間・側面2間、向拝3間。

造営は1564年(永禄7年)の再建で、附の棟札とともに国指定重要文化財となっています。

祭神は大国主、誉田別命、スクナビコナ。

 

本殿向拝

正面の軒先を支える向拝柱は、C面が大きく取られた大面取り角柱。

向拝柱はシンプルな無地の虹梁(こうりょう)でつながれ、中備えは内部に彫刻が入った蟇股(かえるまた)。

柱上の組物は出三斗(でみつど)と連三斗(つれみつど)。柱の側面につけられた拳鼻には斗(ます)が載っていて、ここでも組物を受けています。

向拝柱と母屋柱をつなぐ梁は、装飾がなく直線的な形状。母屋側は、挿肘木のような意匠で梁の下部を受けています。

 

安土桃山時代の直前である室町末期のものだからか、縋破風(すがるはふ)の桁隠しや、向拝の虹梁中備えの蟇股などに彫刻が見られます。神社本殿に彫刻的な意匠が盛り込まれてゆく過渡期の作風といったところでしょうか。

 

本殿母屋

当然ながら母屋柱は円柱。

柱上の組物は一手先の出組なのですが、角部の組物は二手先のような構造になっているのが独特。

組物のあいだには間斗束。持出しされた桁の下には軒支輪。

 

母屋正面の扉はシンプルな板戸で、組物や桁下の意匠は側面と同様。

縁側は3面にまわされていて、終端には脇障子が立てられています。欄干は跳高欄(はねこうらん)。

 

本殿屋根

右側から見た屋根。

入母屋破風には懸魚が下がっています。影になって見づらいですが、破風の内部には妻虹梁と大瓶束(たいへいづか)があります。

大棟は瓦になっており、鬼瓦が取り付けられています。

 

境内社

多度社

本殿の左右には境内社。

こちらは本殿左(西)にある多度神社。

 

神明神社

本殿右(東)には神明神社。

 

稲荷神社

拝殿の手前には五郷稲荷神社。

 

以上、武並神社でした。

(訪問日2020/06/27)

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