甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

【松本市】瘡守稲荷大明神と浄林寺

今回は長野県松本市の瘡守稲荷大明神(かさもり いなり だいみょうじん)と浄林寺(じょうりんじ)について。

 

現地情報

所在地 〒390-0811長野県松本市中央1-17-11(地図)
アクセス 松本駅から徒歩10分
松本ICから車で15分
駐車場 なし
営業時間 随時
入場料 無料
社務所 あり(要予約)
公式サイト なし
所要時間 5分程度

 

瘡守稲荷大明神

松本市街の中心部を東西に走る“伊勢町通り”という目抜き通りから逸れ、女鳥羽川のほうへ向かうとこんな感じの境内が見えてきます。

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ご覧のとおり、いろんなものが狭い場所に密集しており、何がなんだか解らない状態になっております。

これが瘡守稲荷と浄林寺の境内です。

 

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お稲荷さんといったら赤い鳥居が並んだ参道。しかし、この稲荷は鳥居の大きさや形式が統一されておらず、雑然とした印象を受けます。

 

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参道、と言ってもせいぜい5メートルくらいですが、途中には手水舎があります。

極彩色に塗装されていてきれいなのですが、水が出ていません。しかも、参道は鳥居がほぼ隙間なく林立しているので、参道を外れて手水舎に行くことができません...

手水を使うにはいったん拝殿の前まで行き、参道の外に出て手水舎まで引き返してくる必要があります。

 

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拝殿は正面唐破風(からはふ)の切妻造り(平入)。

境内が狭いうえ、いろいろと物があるため、建物の全体図は撮れませんでした。

 

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拝所の様子。左右には、高さ1メートル近い張り子の狐(狛犬?)が控えていました。

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参拝時に振る綱は、写真左は鈴、右はなぜか鰐口(わにぐち)になっていました。

ふつうは神社なら鈴、寺院なら鰐口ですが、両方が並んで下がっているのは初めて見たので驚きました。

 

浄林寺

続いて、瘡守稲荷と隣接する浄林寺の紹介に移ります。

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山門は瓦葺きの入母屋。

 

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垂木が二重になっているだけでなく、組物や虹梁もあります。

 

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こちらは鐘つき堂(鐘楼)。瓦葺きの入母屋。市指定文化財です。

網が張ってあってほとんど見えないですが、軒下の彫刻は立川流(諏訪大社を造営した宮大工)の作。

本堂については、現代の建物のようなので割愛いたします。

 

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最後に、浄林寺のほうから見た瘡守稲荷神社。

 

以上、瘡守稲荷神社と浄林寺でした。

(訪問日2019/06/22)