今回は長野県伊那市の仲仙寺(ちゅうせんじ) について。
仲仙寺は伊那市の北西の山裾に鎮座しており、別名を羽広観音(はびろかんのん)といい、平安時代の開基と伝えられています。本尊の十一面観音は、馬の守り神として中南信の広い範囲から信仰を集めていたようです。
現地情報
所在地 | 〒399-4501長野県伊那市西箕輪羽広3052(地図) |
アクセス | 伊北ICから車で10分 |
駐車場 | 50台(無料) |
営業時間 | 随時 |
入場料 | 無料 |
寺務所 | あり |
公式サイト | 仲仙寺 羽広観音 公式ホームページ |
所要時間 | 20分程度 |
境内
参道
駐車場へ入ろうとすると、写真のような門(?)があります。
私の車は辛うじて通れましたが、「大型車用駐車場」の案内板があるので、それに従って行ったほうが無難かと思います。
参道を進むと、本瓦葺の仁王門があります。三手先の組物で持ち出された梁が特徴的。
金剛力士像(仁王像)は寺伝によると1501年の作とされ、長野県の県宝に指定されています。京都の仏師がこの地を訪れて作成したとのこと。
仁王門をくぐって参道の坂を上ってゆくと、手水と閻魔堂(えんまどう)があります。
閻魔堂は正面3間・奥行3間の寄棟(平入)で、二重になった垂木は放射状に延びています。内部には、閻魔大王などの像が安置されていました。
山門は二階建ての楼門になっています。
山門を背面から見た図。
柱はいずれも円柱が使われています。垂木は一重で並行。
観音堂
山門をくぐると、その先には観音堂、右手には鐘つき堂があります。
本堂は銅板葺の入母屋(平入)で、正面5間・奥行5間、向拝は軒唐破風(のき からはふ)が1間。前方の2間は吹き放ちの外陣。
拝殿の向拝部分のアップ。蟇股(かえるまた)や、その上の束(つか)の周りにも彫刻が施されていて、建物自体の規模の大きさも相まって見栄えがします。
唐破風の中央には白く縁どられた懸魚(げぎょ)がついていますが、縋破風(すがるはふ)にも懸魚がついているのがちょっと変わっていると感じました。
堂内の奉納品。本尊は馬の守り神として信仰され、馬にまつわる奉納品が見られます。現代では、馬のかわりに交通安全の神として信仰されているようです。
写真の左下に写っているのと似た額が幾つかあったのですが、これは「千疋絵馬」(せんひきえま)というもので、馬の絵を1人につき1頭書いて巨大な絵馬を作り上げる風習があったようです。
以上、仲仙寺でした。
(訪問日2019/08/03)