世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【岡谷市】十五社神社(本町) ~神明造風な角柱の本殿~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、岡谷市本町(ほんちょう)の十五社神社(じゅうごしゃ-)について。

 

十五社神社(本町)は岡谷駅を出てすぐの場所に鎮座しています。

本殿は標準的な流造(ながれづくり)となっているのですが、普通の流造にはあまり見られない特徴を観察することができ、どことなく風変わりな外観を楽しむことができます。

 

 

現地情報

所在地 〒394-0028長野県岡谷市本町1-6(地図)
アクセス

岡谷駅から徒歩5分

岡谷ICから車で15分

駐車場 なし
営業時間 随時
入場料 無料
社務所 なし
公式サイト なし
所要時間 10分程度

 

境内

参道

f:id:hineriman:20190729100416j:plain

十五社神社の入口。岡谷駅の正面口を出て北へ向かってすぐの場所にあります。

写真左奥に茂っているのが社叢で、小さな境内なので拝殿がすでに少し見えています。

 

拝殿

f:id:hineriman:20190729100433j:plain

f:id:hineriman:20190729100445j:plain

参道を進むと、神明造(しんめいづくり)を意識したデザインの拝殿があります。

正面に長く伸びた切妻の向拝が特徴的なシルエットを形作っています。

 

案内板によると、祭神はタケミナカタ(諏訪大社の主祭神)とその妻の八坂刀女、そしてその子の13柱。あわせて15柱の神を祀っているので十五社と言うとのこと。諏訪大社の系統に属するので、境内には御柱が立っています。

岡野屋十五社とも呼ばれていてもともとは村社でしたが、昭和9年に郷社に指定されたようです。岡野屋というのは(おかのや)岡谷の旧地名です。

 

f:id:hineriman:20190729100520j:plain

拝殿の右側には手水舎がありましたが、水は出ていませんでした。

 

f:id:hineriman:20190729100533j:plain

拝殿と本殿の右側面には、石垣のようになった場所に多数の摂社末社が鎮座しており、その全てに御柱が立てられていました。諏訪地域の神社ではしばしば見かける光景です。

 

本殿

f:id:hineriman:20190729100553j:plain

本殿は瑞垣に囲われていますが、前述の石垣に登ると楽に鑑賞できます。

銅板葺の一間社流造(いっけんしゃ ながれづくり)で、柱はいずれも角柱。彫刻や組物は見当たりません。

特徴的な点は、流造には珍しく棟に千木と鰹木が乗っていること。そして破風から4本並んだ棒が突き出ており、これは本来なら神明造の社殿に見られる鞭掛(むちかけ)という意匠。

流造はありふれた様式ですが、部分的に神明造の意匠を取り入れたものが稀にあります(下記記事)。

www.hineriman.work

 

f:id:hineriman:20190729100705j:plain

全体的に質素な造りですが、正面の階段の下には板が張られています(浜床と言う)。床板は壁面に直交する向きに張る“切目縁”(きれめえん)。なぜか階段の下だけ少々手の込んだ造りになっています。

 

境内については以上。

本殿も含めて境内はややあっさりめの内容ですが、とにかく岡谷駅から近いので、飯田線の乗り換えの待ち時間なんかに気軽に寄ってみるのが良いと思います。ほか、この近辺には照光寺や成田公園、洩矢神社など岡谷市を代表する名所があり、そのついでに見てみるのもいいでしょう。

 

以上、十五社神社(本町)でした。

(訪問日2019/07/06)