世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【飯田市】鳩ヶ嶺八幡宮 ~伊那谷の八幡神社の代表格~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、飯田市の鳩ヶ嶺八幡宮(はとがみねはちまんぐう)について。

 

鳩ヶ嶺八幡宮は飯田市の市街地に鎮座しており、伊那八幡駅というそのものズバリな駅から徒歩5分の好立地にあります。この駅名からも解るように、鳩ヶ嶺八幡宮は伊那谷(南信地方)を代表する八幡宮と言えます。

 

 

現地情報

・所在地:

 〒395-0814

 長野県飯田市八幡町1999

・アクセス:

 伊那八幡駅から徒歩5分程度

 飯田ICから車で10分程度

・駐車場:20台程度

・営業時間:随時

・入場料:無料

・社務所:あり

・滞在時間:15分程度

 

境内

参道

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幹線道路を折れ、T字路の突き当りに行きついた場所に鳥居があります。

写真の左右に走っている道路は旧遠州街道(飯田から新野峠を経て浜松に至る)で、往時は人馬でごった返すほどの賑わいだったとのこと。現在は、近辺の住人か鳩ヶ嶺八幡宮に用がある人くらいしか通らない、比較的静かな道になっています。

 

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参道。

飯田市は坂や岡の多い地形ですが、この鳩ヶ嶺八幡宮は岡の上に拝殿と本殿があります。

 

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手水舎と随神門。

随神門は赤い塗装が特徴的。柱は角柱ですが、門の内部の2本だけが円柱でした。

 

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随神門から見上げた拝殿。階段の数は、せいぜい50段といったところ。

 

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参道の途中で脇道に折れると境内社があります。

左の流造は「天神様」、右の神明造は「大黒天」。両者とも小さいながら縁側や階段の下の床などが造られていて、手の込んだ印象を受けました。

 

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さらに参道の脇には矢場があります。

中央の額の「金的」はタマを蹴り上げる禁じ手のことではなく、弓の的に金紙を貼ったもののことです。神事やお祭りで射会を奉納した記念みたいなものでしょう。八幡宮は武神なので、矢場があるのも頷けます。



拝殿と本殿

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参道の石段を登りきると、大規模な拝殿があります。

拝殿は銅板葺の入母屋(平入)、正面に千鳥破風、向拝に唐破風。

写真右奥に写っている回廊や、裏手にある本殿とは一体化した造りになっています。

 

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本殿は銅板葺の三間社流造(さんけんしゃ ながれづくり)。このアングルだと間口の数がわからないですが、奥行きが2間あるので少なくとも3間社であるのは推測できます。

正面側が建具で塞がれていて向拝が見えない上、背面にまわって見ることもできず、ちょっと残念。まともに見ることができないので、他に解説のしようがありません...

 

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拝殿の近くにある案内板によると誉田別命(ほんだわけのみこと 八幡宮の主祭神)の神像が重要文化財とのことですが、もちろん拝観はできません。

もう1つ案内板(文化庁、長野県・飯田市教育委員会の設置)について突っ込みを入れておくと、「鳩ヶ嶺八幡本殿」について“三間流造”とありましたが、これは“三間流造”の誤字ですね。

この案内板の文責者はきっと将棋好きで、三間飛車の使い手だったにちがいない...(適当)

 

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社殿についてはもう語ることもないので、最後に境内にあった石像の写真を。

鳩ヶ嶺なのでハトなのだと思いますが、なんだか鎌倉のお土産みたいなフォルムをしています。

 

境内については以上。

建築的な見どころはいまひとつと言わざるを得ないですが、参道や境内の雰囲気は悪くなく、伊那八幡の名にふさわしい内容だと思います。飯田の市街地を散策するなら、少し足を伸ばして行ってみるだけの価値はある内容です。

 

以上、鳩ヶ嶺八幡宮でした。

(訪問日2019/08/03)