甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

【上越市】居多神社と春日神社

今回は新潟県上越市の居多神社(こた-)と上越市春日(かすが)の春日神社(かすが-)について。

 

居多神社

所在地:〒942-0081新潟県上越市五智6-1-11(地図)

 

居多神社(こた-)は上越市の住宅地に鎮座しています。

創建は平安期にまでさかのぼる延喜式内社で、天津神社(糸魚川市)と同様に越後国一の宮を称しています。社殿についてはかなり新しいもので、建築的な見どころはほぼありません。

 

参道と社殿

居多神社の入口

居多神社の境内は東向き。

境内に入ると石製の明神鳥居が立っており、すぐ奥に拝殿があります。

 

居多神社社殿

拝殿は銅板葺の切妻(妻入)。大社造(たいしゃづくり)の本殿を模した左右非対称のデザイン。

扁額は「居多大明神」。

 

居多神社社殿

拝殿の後方には本殿の覆い屋と思しき社殿が建っています。

銅板葺の切妻(妻入)。屋根には外削ぎの千木と、3本の鰹木。平成期の造営のようです。

祭神は大国主、ヌナカワ、タケミナカタの3柱。いずれも諏訪大社と関連の深い神です。案内板(設置者不明)によると縁結びと子宝の神として信仰されているとのこと。

 

社殿を見ても、越後国一の宮という肩書きにふさわしいかというと、率直に言って微妙なところ。後述の看板によると社殿は未完成でまだ何か造るつもりらしいですが、それが完成した暁には肩書きに見劣りしない社殿になるでしょうか...?

境内も、社殿の周りは木のない更地になっていて、神社に特有の幽玄な雰囲気もまったくありません。

 

居多神社の看板

境内の前にあった看板。寄進者の名簿が記載されています。

“まだ3,000万円が不足のため重ねての御厚志お願い致します”とのこと。

 

以上、居多神社でした。

 

春日神社(春日)

所在地:〒943-0809新潟県上越市春日18(地図)

 

春日神社(かすが-)は春日山城のふもとに鎮座しています。

上杉謙信の居城として著名な春日山城の名前の由来であり、平安期に春日大社から勧請されたようです。社殿は真新しいものですが、境内の雰囲気はまずまずです。

なお、春日山城内にある春日山神社とは別の神社なのでご注意ください。

 

参道と社殿

春日神社入口

春日神社の境内は南向き。

入口の鳥居は石製の明神鳥居。扁額なし。

 

春日神社参道

鳥居の先の参道の両脇には、杉の木が並び立ち苔が茂っていて雰囲気も良好。

参道の左手には手水舎。鉄板葺の切妻。

 

春日神社拝殿

拝殿は銅板葺の入母屋(平入)。切妻の向拝が1間。扁額は「春日大明神」。

 

拝殿の向拝

向拝は屋根の軒下の壁面から突き出しており、内部は格天井となっています。

軒裏は繁垂木ですが、母屋の垂木が二重であるのに対し、向拝の垂木は一重。

向拝柱は几帳面取りされた角柱。木鼻や虹梁の蟇股(かえるまた)などが見られます。

 

春日神社本殿

本殿は銅板葺の三間社神明造(さんけんしゃ しんめいづくり)。側面2間・背面3間、正面もおそらく3間。

祭神はタケミカヅチなどの春日神と思われます。

 

屋根には千木と鰹木。神明造ですが軒裏は繁垂木。破風板からは鞭懸(むちかけ)が突き出ており、室外に立てられた円柱が縁側の床を貫通して棟を受けています。

 

本殿背面

背面の床下を見てみると、母屋柱は床下までしっかりと円柱に成形されていました。

神明造は組物の使用を避ける傾向がありますが、この本殿は組物どころか舟肘木(ふなひじき)さえ使われておらず、柱のすぐ上に桁が乗っています。

 

以上、春日神社(春日)でした。

(訪問日2020/04/30)

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