世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【太田市】世良田東照宮 ~日光から移築された拝殿~

今回は群馬県の観光地ということで、太田市の世良田東照宮(せらだとうしょうぐう)について。

 

東照宮というと徳川家康を祀った神社で、全国東照宮連合会によると全国に47社があります。

世良田は新田義貞で知られる新田氏の名前の由来になった地で、徳川家は新田氏の系譜を自称していたため、この地には豪華な東照宮が鎮座しています。

 

現地情報

・所在地:

 〒370-0426
 群馬県世良田町 3119-1

・アクセス:

 世良田駅から徒歩15分程度

 本庄児玉ICから県道45号線で30分程度

・駐車場:無料

・営業時間:境内は随時

 本殿の拝観は4月から10月は09:00-16:30、11月から3月は09:30-16:00

・入場料:境内は無料、本殿の拝観は300円

・社務所:あり

・滞在時間:30分程度

 

境内 

 

f:id:hineriman:20190606122809j:plain

新田荘歴史博物館や長楽寺と隣接しているため広く感じますが、世良田東照宮の境内はさほど大きくはありません。道路に面した門をくぐると、すぐに拝殿が見えます。

無料で見られる区間はここまでで、社務所で拝観料300円を払うと、拝殿と本殿を間近で見られます。それだけでなく、社務所に併設された展示室にある宝物を見学することもできます。

 

 

f:id:hineriman:20190606122825j:plain

拝観料を払ってチケットを貰うと、このような門(?)を通って有料区間へ入ります。

この門戸、開けるときは手動ですが、ひもで吊された徳利(とっくり)の重さにより自動で閉まります。別に斬新でもないカラクリですが、“徳利門番”という名前があるのは初めて知りました。

 

拝殿

f:id:hineriman:20190606122836j:plain

改めて拝殿。平入の入母屋で瓦葺。

正面の扉や蔀(しとみ)が開かれていて、内部を覗き込めるようになっていました。

この拝殿は1641~1642(寛永18~19)年、3代将軍・家光の代に日光東照宮の旧社殿を移築したものとのこと。そうなると、以前の日光東照宮は今日のような権現造(ごんげんづくり)の社殿ではなかったということでしょうか...?

 

f:id:hineriman:20190606122850j:plain

拝殿の背面。こっちにも扉と唐破風がついています。

 

本殿

f:id:hineriman:20190606122905j:plain

そしてこちらが本殿。瓦葺きの一間社流造(いっけんしゃ ながれづくり)。

神社本殿は屋根を瓦葺きにはしないのが普通ですが、東照宮は神仏習合の傾向が強いためだからなのか、本瓦で屋根を葺いています。

なお、こちらは拝殿の移築に伴って新設されたもので、日光東照宮の旧社殿ではありません。

 

f:id:hineriman:20190606122913j:plain

背面。

中央に角柱があるのが気になりますが、まさか二間社のわけはないはずなので、これは一間社でしょう。

 

f:id:hineriman:20190606122929j:plain

正面の軒下。

向拝の虹梁と蟇股には龍があしらわれており、これは徳川家康が辰年生まれだったことに由来するそうです。

母屋の蟇股には鷹が彫刻されていて、これは左甚五郎の作と伝えられています。しかし、左甚五郎は実在したかどうかも怪しいので、真に受けないほうがいいかも。

 

f:id:hineriman:20190606122937j:plain

正面側から見た側面。

派手な彩色や彫刻が目を引きますが、よく見ると正面側の垂木が三重、つまり三軒(みのき)になっています。二軒(ふたのき)ならよくありますが、三軒は初めて見ました。

 

f:id:hineriman:20190606122946j:plain

最後に屋根の写真。

瓦のふちや垂木の先端まで金色で彩色されており、とにかく手が込んでいます。

 

さすがに日光や久能山ほどの規模と派手さはないですが、世良田東照宮は小さいながらも見応えがあると思いました。訪問したのは10連休の最中でしたが、境内は静かで落ち着いていて、本殿の裏にまで回ってじっくりと鑑賞することができて満足です。

 

以上、世良田東照宮でした。

(訪問日2019/05/02)