今回は群馬県の観光地ということで、太田市の世良田東照宮(せらだとうしょうぐう)について。
東照宮というと徳川家康を祀った神社で、全国東照宮連合会によると全国に47社があります。
世良田は新田義貞で知られる新田氏の名前の由来になった地で、徳川家は新田氏の系譜を自称していたため、この地には豪華な東照宮が鎮座しています。
現地情報
・所在地:
・アクセス:
世良田駅から徒歩15分程度
本庄児玉ICから県道45号線で30分程度
・駐車場:無料
・営業時間:境内は随時
本殿の拝観は4月から10月は09:00-16:30、11月から3月は09:30-16:00
・入場料:境内は無料、本殿の拝観は300円
・社務所:あり
・滞在時間:30分程度
境内
新田荘歴史博物館や長楽寺と隣接しているため広く感じますが、世良田東照宮の境内はさほど大きくはありません。道路に面した門をくぐると、すぐに拝殿が見えます。
無料で見られる区間はここまでで、社務所で拝観料300円を払うと、拝殿と本殿を間近で見られます。それだけでなく、社務所に併設された展示室にある宝物を見学することもできます。
拝観料を払ってチケットを貰うと、このような門(?)を通って有料区間へ入ります。
この門戸、開けるときは手動ですが、ひもで吊された徳利(とっくり)の重さにより自動で閉まります。別に斬新でもないカラクリですが、“徳利門番”という名前があるのは初めて知りました。
拝殿
改めて拝殿。平入の入母屋で瓦葺。
正面の扉や蔀(しとみ)が開かれていて、内部を覗き込めるようになっていました。
この拝殿は1641~1642(寛永18~19)年、3代将軍・家光の代に日光東照宮の旧社殿を移築したものとのこと。そうなると、以前の日光東照宮は今日のような権現造(ごんげんづくり)の社殿ではなかったということでしょうか...?
拝殿の背面。こっちにも扉と唐破風がついています。
本殿
そしてこちらが本殿。瓦葺きの一間社流造(いっけんしゃ ながれづくり)。
神社本殿は屋根を瓦葺きにはしないのが普通ですが、東照宮は神仏習合の傾向が強いためだからなのか、本瓦で屋根を葺いています。
なお、こちらは拝殿の移築に伴って新設されたもので、日光東照宮の旧社殿ではありません。
背面。
中央に角柱があるのが気になりますが、まさか二間社のわけはないはずなので、これは一間社でしょう。
正面の軒下。
向拝の虹梁と蟇股には龍があしらわれており、これは徳川家康が辰年生まれだったことに由来するそうです。
母屋の蟇股には鷹が彫刻されていて、これは左甚五郎の作と伝えられています。しかし、左甚五郎は実在したかどうかも怪しいので、真に受けないほうがいいかも。
正面側から見た側面。
派手な彩色や彫刻が目を引きますが、よく見ると正面側の垂木が三重、つまり三軒(みのき)になっています。二軒(ふたのき)ならよくありますが、三軒は初めて見ました。
最後に屋根の写真。
瓦のふちや垂木の先端まで金色で彩色されており、とにかく手が込んでいます。
さすがに日光や久能山ほどの規模と派手さはないですが、世良田東照宮は小さいながらも見応えがあると思いました。訪問したのは10連休の最中でしたが、境内は静かで落ち着いていて、本殿の裏にまで回ってじっくりと鑑賞することができて満足です。
以上、世良田東照宮でした。
(訪問日2019/05/02)