世をひねる

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

【甲斐市】船形神社(志田)

今回は山梨県甲斐市志田(しだ)の船形神社(ふながた-)について。

 

船形神社は塩崎駅の南側の住宅地に鎮座しています。

創建は不明で、『甲斐国志』によると元は諏訪神社だったようです。社殿は江戸期のものと思われる標準的な流造本殿があるだけですが、入口の鳥居は室町前期のものとされ、県指定文化財となっています。

 

現地情報

所在地 〒400-0107山梨県甲斐市志田1(地図)
アクセス 塩崎駅から徒歩15分
韮崎ICから車で10分
駐車場 なし
営業時間 随時
入場料 無料
社務所 なし
公式サイト なし
所要時間 10分程度

 

境内

参道と鳥居

船形神社鳥居

船形神社の境内は南向き。入口には石造の明神鳥居。

案内板(山梨県・甲斐市教育委員会)によると高さ2.35m、柱間は中心間距離2.35m、柱の最大径はφ0.45m、材質は石英角閃石安山岩。向かって左の柱の銘より1397年(応永4年)の建立であることが判っているとのこと。

山梨県指定有形文化財です。

 

柱は腰が膨らんで徳利柱(エンタシスとも言う)のようになっており、若干内に転び(傾斜)がついています。柱上には台輪を介して笠木・島木が乗っており、中央に接合部が見えます。貫と島木のあいだには額束。

 

丸石神

鳥居の手前には甲州名物(?)の丸石神。

 

拝殿と本殿

船形神社拝殿

参道を数十メートルほど進むと拝殿があります。

桟瓦葺の切妻(平入)。向拝1間。扁額は「船形神社」。

 

船形神社本殿

拝殿の裏には塀に囲われた本殿が鎮座しています。

本殿は銅板葺の一間社流造(いっけんしゃ ながれづくり)。

造営年代は不明ですが、彫刻の内容からして江戸中期かそれ以降のものでしょう。

祭神は山梨県神社庁によるとタケミナカタ、大国主(オオナムチ)、保食神(ウカノミタマ?)の3柱。

 

箱棟の正面の紋は梶の葉で、これは諏訪神社の紋。鬼板の紋は花菱。

甲府盆地は豪雪地帯というわけではないのですが、桁下につっかえ棒をあてがって軒を支えています。

 

本殿向拝

真正面からは撮影できなかったので、向拝を左側面(西面)から見た図。

正面側の軒先は角柱の向拝柱で支えられ、獅子が彫刻された木鼻が見えます。見えづらいですが木鼻の上には斗(ます)が乗せられ、組物の肘木を受けています。虹梁の中備えは内部が彫刻された蟇股(かえるまた)。

柱上で垂木を受けている手挟(たばさみ)には牡丹と思しき花が彫刻されています。軒裏の垂木は赤く塗装され、三重になっています。

向拝柱と母屋柱(写真左)をつなぐ梁はありません。

 

本殿妻壁

母屋柱の頭貫には木鼻がつけられ、頭貫の上には題材不明の獣が彫られた蟇股が見えます。

柱上の組物は出組で、持出しされた妻虹梁の下には軒支輪、上ではシンプルな大瓶束(たいへいづか)が棟を受けています。

桁隠しの懸魚(げぎょ)はなぜか後方(写真左)にだけつけられています。前方の桁隠しが欠損してしまったのではと思って反対側(東面)から見てみたものの、反対側も前方の桁隠しがありませんでした。

 

本殿大棟

破風板の拝みには鬼面。反対側も同様の鬼面がつけられています。

神社本殿の鬼面は甲信地方ではよく見かけますが、たいていは大棟の鬼板につけられ、この本殿のように破風板につけられるのはめずらしいです。

 

本殿背面

右後方から見た図。後方の軒先が折れ曲がってしまっています。

背面にも蟇股や軒支輪が見えます。縁側は3面にまわされており、欄干は擬宝珠付き。

 

ほか、階段や床下や浜床の有無も確認したかったのですが、背伸びしても塀にさえぎられて見えなかったため割愛。

 

以上、船形神社(志田)でした。

(訪問日2020/06/20)

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