世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【長野市】清水神社(真島) ~白木の本殿が美しい式内社~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、長野市真島(ましま)の清水神社(しみず-)について。

 

清水神社は、善光寺平を流れる犀川と千曲川に挟まれた地域(川中島)に鎮座しています。いかにも村の鎮守といったの感じの神社で、社殿もそれ相応ですが、適度に草が茂った長い参道が印象的です。

境内は、長野オリンピックの競技場だったホワイトリングと隣接しており、そのおかげもあってアクセス良好です。

 

 

現地情報

所在地 〒381-2204長野県長野市真島町真島2277(地図)
アクセス

長野駅にて東通り線に乗車 ホワイトリンク前バス停下車

または長野駅から徒歩1時間

長野ICから車で10分

駐車場 ホワイトリングの駐車場を利用可(無料)
営業時間 随時
入場料 無料
社務所 あり(要予約)
公式サイト なし
所要時間 10分程度

 

境内

参道

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境内の入口は木造の両部鳥居。

参道は草が茂った並木道。参道はそこそこの長さ(50メートルくらい)なのですが

下草がしっかりと刈られていて、手入れが行き届いている様子。

その割には、参道の中央の草があまり薄くなっておらず、草のクッションが膝に優しいです。

境内は東向きで、訪問時は夕方だったので逆光と相成りました。

 

写真の左に写り込んでいる変な建物はホワイトリング。正式名称は長野市真島総合スポーツアリーナ。

正式名称で呼ぶ人は絶無と言っていいレベルで、私は一時期この近くに住んでいたのですが、ホワイトリングが通称であることを今回初めて知りました...

1998年の長野オリンピックではフィギュアスケートとショートトラックに使われました。

 

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参道を進むと、境内を小川が横切っています。

左脇に普通の橋がかけられており、奥の拝殿へと続くコンクリートの舗装路が、言外に左の橋を渡るよう指示しています。

 

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狛犬(左側)。手の爪のあたりに塗装の跡が見られますが、口元と目だけ色が残っていて、目が充血しているように見えなくもないです。

後方の瓦屋根の建物は社務所。

 

拝殿と本殿

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拝殿は鉄板葺の入母屋(妻入)。

扁額はたいてい軒下に掲げるものですが、なぜか屋根の妻に置かれています。扁額の字は「式内清水神社」。

正面側は格子戸と雨戸で塞がれており、もともとは吹き放ちだったっぽい様子。

 

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拝殿の裏には、本殿が鎮座しています。骨組みと屋根に覆われていますが、鑑賞に支障はありません。

本殿は銅板葺の一間社流造(いっけんしゃ ながれづくり)。

正面1間・側面1間、向拝1間で、至って標準的な造り。

 

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左前から見た図。

陰になってしまっていますが、虹梁(こうりょう)の上には蟇股(かえるまた)がありました。向拝の彫刻は蟇股くらいで、非常にシンプル。

正面の階段の下には、浜床があります。

 

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左側面。

縁側は壁面と直行に張られた切目縁(きれめえん)。壁は一枚板のようです。

母屋の丸柱には長押(なげし)が打たれており、その上にはシンプルな組物とくり抜かれていない蟇股。梁の上では束が棟を受けており、その両脇に笈形(おいがた)が添えられています。

 

特筆することといったら壁の一枚板くらいで、悪い言いかたをすると、これといって凝ったところがないです。

しかし、下手に凝ったところがないおかげで、白木の木材が映え、素朴な美しさがあります。とくに、整然と並んだ二重の垂木が美しいと思います。

 

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背面。こちらも壁は一枚板。

母屋の柱は「床上は円柱だが床下は八角柱」という定番の手抜きがなされています。

脇障子は裏表ともに装飾の類はありません。

 

全体的に古風な造りをしているように見えますが、特に文化財指定されていないあたり、江戸後期あたりの造営でしょうか。

帰宅後に造営年代が気になってしまい、駄目元で自宅(諏訪)の最寄りの図書館をあたってみたのですが、対岸の牛島地区の村史はあったのに、なぜか真島地区のは見つからず...

年代は判明しだい追記いたします(期日未定)。

 

ちなみに真島は古くは「馬島」とも書き、御牧(官営の牧場)として朝廷に馬を納めていたようです。式台社であるのも、こうした歴史と関係がありそうです。

この辺の歴史も、どこかで真島の村史を読むことができたら追記したいです。

 

以上、清水神社でした。

(訪問日2019/09/13)