今回は長野県のマイナー観光地ということで、大宮諏訪神社(おおみやすわ-)について。
大宮諏訪神社は飯田の中心市街地の北に鎮座し、同市内では鳩ヶ嶺八幡宮に並ぶ規模の境内を有しています。境内の入口は幹線道路が交差するT字路の突き当りで、非常に目立つ場所にあります。
現地情報
所在地 | 〒395-0082長野県飯田市宮の前4164-1(地図) |
アクセス |
桜町駅から徒歩5分 飯田ICから車で10分 |
駐車場 | 20台(無料) |
営業時間 | 随時 |
入場料 | 無料 |
社務所 | あり(要予約) |
公式サイト | なし |
所要時間 | 15分程度 |
境内
参道
境内の入口。
冒頭に書いたように、幹線道路のT字交差点の突き当りに位置しており、境内も広いので簡単に見つけられます。
なお、私はカーナビの案内に従って来たところ、狭い裏口から入る羽目に遭いました... いちおう裏口にも参拝者用の駐車場はありました。
鳥居をくぐるとすぐに随神門があります。扁額の文字は「諏訪神社」。
2階建ての楼門になっており、組物や垂木も立派。柱は、円柱と角柱が混在しています。
随神門の向こうには、急な石段が50段くらいあります。
飯田市は天竜川の河岸段丘にあるため、市街地でも意外と坂や丘陵が多い地形なのですが、そういった地形をうまく利用しているようです。
参道から脇にそれると、寺院風な瓦葺の方形屋根のお堂があります。何を祀っているのかは不明ですが、もしかしたらすぐ隣にある長久寺という寺院のものかもしれないです。
写真右の鳥居の奥には小さな滝があり、不動明王が祀られていました。
石段を登りきると、手水舎と拝殿・本殿があります。
拝殿・本殿は、参道の中央からずれた位置に建っています。
手水舎。ここでは浄水(みたらし)と言うようです。
この日は35℃近くまで気温が上がった真夏日だったので、手水がとても有難かったです。他の参拝者がいないのをいいことに、作法に反して何杯もすくって腕や首筋に水をかけずには居られませんでした
拝殿・本殿
拝殿は銅板葺の入母屋(平入)。正面の向拝の大きく弓なりにカーブした向唐破風(むこう からはふ)が特徴的。
扁額の文字は「天長地久」。垂れ幕の紋は、諏訪神社なので“諏訪梶”。祭神はタケミナカタとその妻・八坂刀女(やさかとめ)です。
本殿を見るため裏手に周りこもうとしたところ、拝殿と本殿の間は切妻の建物で接続されていて、権現造(ごんげんづくり)風の構造をしていました。接続部分の建物が何なのか謎なので断言はできないですが、これは広義の権現造(ごんげんづくり)と言えるかもしれません。
甲信地方では権現造の社殿は数が少なく、諏訪系の神社で権現造は初めて見たので、ちょっと驚きました。
一方、本殿だけを見れば、標準的な銅板葺の一間社流造(いっけんしゃ ながれづくり)です。梁は二手先。棟を支える束(つか)の左右に、水引(あるいは雲?)の意匠があるのが印象的。
全体的に彫刻は多くないですが、蟇股には繊細な彫刻が施されています。題材は鷹でしょうか。
背面。柱は丸柱。彫刻のない質素な脇障子が確認できます。
床下は、塀に阻まれて見えませんでした。
境内社(楠神社)
最後に境内社の写真を。
シンプルな一間社流造で、祭神は文字通り楠木正成。
ここからそう遠くない場所にある鳩ヶ嶺八幡宮と似た構造の境内ですが、こちらは適度に古さを感じさせてくれる社殿があり、本殿の裏まで回って見ることができる点も良かったと思いました。飯田を代表する神社の1つと言えるので、街歩きの際にでも参拝してみてはいかがでしょうか。
以上、大宮諏訪神社でした。
(訪問日2019/08/03)