世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【市川三郷町】一宮浅間神社 ~※甲斐国一宮ではありません~

今回は山梨県の観光地ということで、市川三郷町の一宮浅間神社(いちのみやあさま-)について。なお、一之宮浅間神社(いちのみやあさま-)という表記と読みもあるようです。

 

表題のとおり、名前に“一宮”を冠していますが、甲斐国(山梨県に相当)の一宮はこの神社ではなく、笛吹市の浅間神社(あさま-)になります。

社名の由来については諸説あるようなので当記事では割愛させていただき、今回も社殿の解説を中心に境内を見て行くことにいたします。

 

現地情報

・所在地:

 〒409-3606
 山梨県西八代郡市川三郷町高田字 宮本3696

・アクセス:

 市川大門駅から徒歩15分程度

 増穂ICから5分程度

・駐車場:3台(無料)

・営業時間:随時

・入場料:無料

・社務所:なし(書き置きの御朱印あり)

・滞在時間:15分程度

 

境内 

境内入口

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こちらが一宮浅間神社の入口。赤い両部鳥居が立っています。

石碑には「一宮淺間神社」とありますが、“淺”は“浅”の旧字体ですね。

浅間神社の系統は神仏習合の傾向が強いからなのか、両部鳥居があるところが多い気がします。

 

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鳥居をくぐって階段を登って行くと、石鳥居の跡っぽいものが。

阿部定タイプのトマソンかと思いましたが、自然に折れてしまっただけのように見えるのでトマソンとは言えないでしょう。

 

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さらに階段を登ると、今度は正真正銘のトマソンがありました。

橋の下に川は流れておらず、水路と思しき溝は丁寧にセメントで埋め立てられています。これは無用橋タイプですね。

 

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階段を登りきると随神門がありました。

神社で楼門(2階建ての門)はちょっと珍しいかも。

 

拝殿

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随神門をくぐるとすぐに拝殿があります。瓦葺の入母屋(平入)。

 

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拝殿の後ろには本殿があり、拝殿と本殿は切妻屋根の廊下(?)でつながれています。

権現造(ごんげんづくり)と似た構成ですが、屋根が一体化していないので権現造とは呼べません。

 

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別アングルから見下ろした本殿。銅板葺の三間社流造(さんけんしゃ ながれづくり)です。案内板には“流し造りの本殿”とありました。

流造であるのはまちがいないですが、このアングルではパッと見で一間社か三間社かが判りません。

とはいえ、母屋(身舎)の奥行きは黒い丸柱が3本、つまり2間あります。奥行き2間の一間社流造なんて考えただけでも奇妙で有り得ない代物なので、神社建築の常識で考えればこれは三間社でしょう。

 

全体的に塗装が新しく、拝殿や廊下(?)にガラス窓が使われていて、あまり古いようには見えません。とはいえ、神社そのものの歴史は非常に古く、案内板によると924年に現在の場所に造営されたとのこと。

浅間神社なので祭神はコノハナノサクヤで、富士山との関わりが深い神です。ちなみに、一宮浅間神社の境内から富士山は見えません。

 

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最後に、随神門から見上げた拝殿。

拝所の賽銭箱の横には、神社の由緒を書いたパンフレット(手作りっぽい)や書き置きの御朱印(1枚100円)が置かれていました。

写真の掲載は控えますが、御朱印は“ヘタウマ”な感じの素朴な筆跡で書かれていました。

 

以上、一宮浅間神社でした。

(訪問日:2019/06/01)