世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【下諏訪町】慈雲寺 ~下社春宮の裏の隠れ名刹~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、下諏訪町の慈雲寺(じうんじ)について。

 

諏訪大社下社春宮の裏手には「万治の石仏」という名所があります。その影に隠れがちですが、実はもう1つ、慈雲寺という名刹もあります。下社春宮の周辺をゆっくりと散策するのなら、是非とも訪れてほしい場所なので、紹介したいと思います。

 

現地情報

・所在地:

 〒393-0005
 長野県諏訪郡下諏訪町東町中中606

・アクセス:

 下諏訪駅から徒歩20分程度

 岡谷ICから国道20号線で15分程度

・駐車場:20台程度(無料)

・営業時間:随時

・入場料:無料

・寺務所:なし

・滞在時間:20分程度

 

境内 

境内入口

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下社春宮の鳥居のところから東(秋宮のあるほう)へ向かうと、多数の石碑に囲まれた石段があります。ここが慈雲寺の入口です。

 

矢除石

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石段の途中で脇道にそれると、「矢除石(やよけいし)」なる石があります。

慈雲寺は武田信玄から篤く信仰されていたようで、この石には矢を当たらなくする力があるとのこと。

 

境内社

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ここは寺の境内ですが、矢除石の近くに立派な境内社があります。社名は不明です。

覆いがあるせいで屋根が見づらいですが、一間社流造でしょう。正面は唐破風になっています。

柱は全て円柱(丸柱)で、切目長押の下と内法長押の上にまで彫刻が配置されているのが特徴的。

 

境内

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石段に戻って境内を登って行くと、途中で道路が横断しています。この道路は国道142号で、和田峠から来た車がけっこうなスピードで飛ばしてくるので、横断注意です。

なお、写真中央の坂道を進んだ先には参拝者用の駐車場があります。

 

写真左側の階段を進んで門をくぐると、苔蒸した石畳の道になります。

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途中、脇道にそれると石の多宝塔がありました。

織田・豊臣に仕えて高島城を築き、諏訪高島藩の初代藩主となった日根野高吉の供養塔とのこと。慈雲寺には彼の墓もあります。

 

楼門(仁王門)

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仁王門は、2階建ての楼門になっています。2階の屋根は二軒(ふたのき)の平行垂木です。

山号は「白華山」。臨済宗の寺院とのこと。

1階部分の軒下には彫刻が配置されていますが、これは下社春宮の彫刻を手がけた柴宮長左衛門(旧姓は伊藤・村田)の作だそうです。

 

本堂

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楼門をくぐって進むと、ものすごい枝振りの松が。伝承によると、戦国時代、信玄と懇意だった和尚(上人)が植えたものとのこと。

本堂は入母屋(平入)で、周囲には欄干のない縁(えん)が巡らされています。

 

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本堂の左脇へ進むと、石庭とよく解らない建物があります。

 

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こちらは、法隆寺の夢殿を二重にした感じの多宝塔(?)。案内板がないので詳細不明です。

 

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そしてこちらは、善光寺(長野市)や清白寺(山梨市)を彷彿とさせるような裳階(もこし)がついた入母屋の建物。こちらも詳細不明です。

 

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最後に、本堂の裏にある庭園。

 

ちょっとよく分からない建物もいくつかありますが、広々とした閑静な境内に堂々とした伽藍が広がっていて、俗世から隔絶された世界に来たような感覚になれると思います。諏訪大社下社春宮から徒歩5分程度の場所ですので、万治の石仏を見て尚時間があるのなら、この慈雲寺にも足を伸ばしてみるといいでしょう。

 

以上、慈雲寺でした。

(訪問日2019/05/18)

 

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