甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

【韮崎市】穂見神社中之社(穴山)

今回は山梨県韮崎市穴山(あなやま)の穂見神社中之社(ほみ- なかのしゃ?)について。

 

山梨県で穂見神社というと、韮崎市旭町にある奥宮が著名です。同名の神社も多数あり、県内では論社として高尾穂見神社(南アルプス市)や当記事で紹介する穂見神社中之社(穴山)があります。

 

現地情報

所在地 〒407-0263山梨県韮崎市穴山町1857(地図)
アクセス 新府駅から徒歩20分
須玉ICから車で5分
駐車場 なし
営業時間 随時
入場料 無料
社務所 なし
公式サイト なし
所要時間 10分程度

 

境内

境内入口

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こちらが穂見神社の入口。

 

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石垣の上には拝殿。

 

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拝殿の手前には校倉造っぽい宝物殿があります。

 

本殿

拝殿がちょっと微妙な内容なので心配になってきてしまいますが、裏手に回ると非常に立派な本殿が鎮座しています。

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本殿は間口3間、奥行2間。屋根は銅板葺。三間社流造(さんけんしゃ ながれづくり)、軒唐破風(のき からはふ)付きです。宝歴三年(1753年)の造営とのこと。

 

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正面の唐破風部分の軒下。額の字はかなり褪色してしまっていますが、辛うじて「穂見神社」と判読できます。

 

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母屋(身舎)の内部。奥行きは2間ですが、奥のほうの1間だけが内陣になっているようです。

境内入口にあった石碑によると祭神はウカノミタマ(倉稲魂命)、タケミナカタ、スサノオの3柱とのこと。扉も3組あります。

内陣なので柱は丸柱(円柱)。扉の上の欄間と長押の彫刻が目を引きます。

 

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斜め前から見上げた軒下。

梁と桁は組物によって三手先(みてさき)に持出しされています。

 

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側面の軒下。

神社本殿ですが梁と屋根をつなぐ巨大な笈形が特徴的。中央の彫刻はおそらく虎。

 

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組物をよく見ると、色の違う木材が混じっています。

 

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側面の床下。

軒下は組物が印象的でしたが、床下は雲のような意匠の持ち送り板が使われています。

 

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背面にも縁側が巡らされています。

 

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最後に全体図。

 

以上、穂見神社中之社(穴山)でした。

(訪問日2019/06/01)