世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【甲州市】立正寺 他2件 勝沼町の小ネタ

今回は山梨県のマイナー観光地ということで、甲州市勝沼町(かつぬま-)の小ネタについて。

 

勝沼の周辺はブドウの名産地で、駅名も“勝沼ぶとう郷”となっており、とにかくブドウ推しです。実際に自転車で走ってみても、畑地のほとんどがブドウ畑で、その広大さに圧倒されます。今回はそんな勝沼町を移動している最中に見つけた小ネタを全3件ほど紹介いたします。

 

 

大石宮(勝沼町綿塚)

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勝沼町に入ってまず最初に見つけたのが、この大石宮(おおいしみや?)。

勝沼町には同名の神社があるようなので、区別のため“勝沼町綿塚”を付しておきます。

 

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鳥居をくぐると瓦葺き入母屋の拝殿があります。

案内板はおろか社名が書かれた額も無く、詳細不明です。

 

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裏手に回ってみると、質素な銅葺の一間社流造(いっけんしゃ ながれづくり)の本殿がありました。

 

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背面。柱間が2つあるように見えますが、これは一間社でしょう。中央の丸い柱っぽいものは、たぶん床下や屋根まで通っていないと思います。こういう一間社はたまに見かけます。

なお、大石宮とは言いますが、付近に大岩のようなものはありませんでした。私の推測になりますが、同名の神社が別の場所にあるので、そこから分祀したものかも。

 

以上、大石宮でした。

 

飯縄神社

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続いて、ちょっと変わった社殿配置をしている飯縄神社(いいづな-)について。

写真は神楽殿なのですが、この後方に本殿が配置されています。

奇妙に思って案内板を読んでみると、もともと拝殿だった建物を、壁と柱を取り払って現在の状態に改造したそうです。柱を減らしたせいで正面の桁間が異様に長くなっており、なんとなく不安を感じなくもないバランスになっています。

 

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楽殿内部の天井。

 

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本殿は一間社流造(いっけんしゃ ながれづくり)。

側面はトタン板で間に合わせたような補修がされており、背面から見ると片側の脇障子が壊れていて痛々しい外観。予算とか後継者とかいった事情があるのでしょうか、あまりメンテナンスが行き届いていない感じです。

案内板の解説には“彫刻は粗野な面が見られる”と謙遜して書いていますが、文化的・歴史的に価値があるのは事実のはず。こういったマイナーな文化財をどのようにして維持するかというのは、やはり難しい問題なのでしょう。

 

以上、飯縄神社でした。

 

立正寺

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自転車で移動していると急なにわか雨に遭い、ちょうど立派な楼門の前を通りかかったので、しばらく雨宿りさせてもらうことにしました。

立正寺(りっしょうじ)という日蓮宗の寺院のようです。

 

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本堂は瓦葺の入母屋。正面5間、奥行6間の大規模な建物になっています。

 

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本堂の軒下。

組物から突き出た肘木や、海老虹梁のあたりで微妙な曲線を描いている垂木が格好良いです。

 

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本堂内部。

蟇股や組物だけでなく、欄間の彫刻も手が込んでいます。

雨宿りのために立ち寄ったのですが、思いがけず良いものを見られてラッキーな気分になれました。

お礼というわけではないですが、財布の中でかさばっていた小銭を全て賽銭箱に入れさせていただきました。総額わずか数十円ですが...

 

以上、立正寺でした。

(訪問日2019/04/27)