世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【都留市】円通院 ~甲信地方随一の密度?! 小さな隠れ名刹~

今回は山梨県のマイナー観光地ということで、円通院(えんづういん)について。

 

都留市には三重塔(のような何か)を有する名刹があるとの情報を数年前から掴んでいて、円通院は何かのついでに見に行きたい、と思い続けていました。

都留市の関係者には悪いですが、長野県民の私に言わせれば都留市って微妙な位置にあるんですよね... 都留は大月と河口湖の間ですが、大月なら国道20号か中央道で行くし、河口湖なら甲府で中央道を降りて本栖湖精進湖を回る道のほうが個人的に好きですので、都留という土地はそこに用がない限り来ないような場所だと思うのです。

今回は同行していた家族がリニア見学センターを見たいということで都留に用事ができたので、ついに円通院への訪問がかないました!

リニア見学センターは率直に言ってしょぼかったですが、円通院は期待どおり素晴らしい名刹でした。

 円通院へのアクセスは都留市駅から徒歩5分程度です。

駐車場は境内に5台分程度ありますが、周辺の道は少々狭いので運転に要注意です。

 

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まずは山門。二階建ての楼門になっています。うまく言葉にできないですが、他の寺院の楼門にはない独特の雰囲気を持っています。

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楼門の軒下。額には「覚雄殿」とあります。

垂木は二重になっています(二軒という)が、1階の垂木は無塗装、2回の垂木は先端が赤く塗られています。

2階と比べると1階は地味に見えますが、近づいてよく見てみるとかなりの密度で組物が配されていて、手が込んだ造りになっています。

 

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本堂は瓦葺きで、反りのある寄棟造り。

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楼門ほどではないですが、本堂も立派な造りです。

 

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引き返して境内のほぼ全景を撮った写真。本堂、楼門、鐘突き堂、そして三重塔(後述)が小さなスペースにひしめくように立っており、これほど密度の濃い境内はなかなか無いかも。

右奥の方にある鐘突き堂と、吊されている鐘は由緒あるものだそうですが、あいにく写真を撮り忘れてしまいました。

 

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そしてこちらが楼門とともに円通院の目玉(?)と言える六角形の三重塔です。三重塔は「報恩塔」と言うらしく、1968(昭和43)年に着工したものとのこと。

窓はガラス張りになっており、見ての通り仏塔の類ではありません。三重塔というよりは、“3階の塔”といったところ。

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拡大した図。

現代の建築なので、当然ながら文化財指定などはされていません。とはいえ、安楽寺(上田市)の八角三重塔が他に例のない物件で国宝指定までされているあたりから考えると、この六角三重塔も相当の珍物件であることは間違いないでしょう。

 

この日は新倉浅間神社五重塔(忠霊塔)も見てきましたが、私としてはこちらの六角三重塔のほうが好みかも。優劣を付けるのは野暮なことだと承知してはいますが、こちらのほうが凝った感じがしていて味わい深いと思うのです。

 

以上、円通院でした。

(訪問日2019/03/30)