今回は群馬県のマイナー観光地ということで、八幡八幡神社(やわたはちまん-)について。正式名称は上野国一社八幡宮(こうづけのくにいっしゃはちまんぐう)と言うようです。
この日は達磨寺が目当てで高崎へ来たのですが、国道18号線を走っていると「八幡八幡神社」という看板が目に入り、衝動的に立ち寄りました。なんだかくどい感じのする名前を見て、これは寄ってみなくては、と思ったわけです。
行ってみると、神社なのに立派な仁王門があったり鐘突き堂があったりと、神社にしてはかなり「寺寄り」な性質です。神仏習合の時代を色濃く現代に留めたすばらしい神社だと思いました。
車で行く場合は、境内の横手のほうに無料の駐車スペースがあります。
達磨寺方面からきて、国道18号線を横切る信号待ちの景色。
赤い看板があり、道路にまたがる大鳥居がそびえ立っています。この時点で、八幡八幡神社という神社は只者ではなさそうな雰囲気が漂っています。
随神門。こちらは江戸時代中期(1750年頃)のものとのこと。
随神門から見上げた境内。
鳥居の向こうにはまた門(仁王門)があり、鐘突き堂まであります。この写真だけでも、この神社が純粋な神社ではないことが判ります。
仁王門。奥には拝殿(本殿)が見えます。
鐘突き堂と神楽殿。どちらも立派です。
神仏習合の寺社の中でも、これほど仏教と神道がバランス良く両立できているところはなかなかないのでは?
境内の離れた場所にあった天満宮。
小さいながらも均整のとれた形で、見ていてなんだか落ち着くバランスです。彫刻も凝っていて、この天満宮単体で見ても素晴らしいものだと思います。
個人的に、このお堂、すごく好きです。
拝殿(本堂)。拝殿は本堂と一体化した「権現造り」です。
拝殿は地味でなんとなく寺のような雰囲気をしていますが、
裏手に回って本殿を見てみると、妙義神社(富岡市)や貫前神社(富岡市)みたいな派手な装飾が施されています。
前は寺、奥は神社、まさに神仏習合の象徴と言うべき構造。この構造は、拝殿と本殿が一体化した権現造りだからこそできるものですね。
ここまでみごとに神仏が融合した建物は、私は今まで見たことがないです。
拝殿の中では、多数の天井画が見られますが、劣化が著しいです。
余談ですが、天井画は画面が下を向く都合上、劣化した絵の具が重力でぽろぽろと落ちてきますから、どうしても色落ちしやすいです。建物に人が出入りする振動だけでも絵の具が落ちてくる、と岩松院(長野県小布施町)の解説で聞いた憶えがあります。あと、蝋燭や線香の煙も劣化の原因になります。
私が訪問したときは平日の昼前だったため境内はほぼ無人でしたが、普段からこんなに人気がない場所なのでしょうか? だとしたら、ここはかなりの穴場かもしれないです。
以上、八幡八幡神社でした。
(訪問日2019/03/01)