世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【佐久市】肬水神社(石宮) ~大岩に張りつく空中楼閣~

今回は長野県のマイナー観光名所ということで、佐久市の肬水神社(いぼみずじんじゃ)について。

カーナビやGoogle Mapには石宮(いしみや?)という名前で掲載されています。

うまく見つけられないときは、内山峡を目印にすると良いでしょう。

 

肬水神社は富岡街道こと国道254号線の道沿いにある懸け造り(?)の神社です。

当サイトでは布引観音などの懸け造りを幾つか紹介してきましたが、懸け造りは大抵の場合、平地が少ない場所に造られるものです。換言するなら、制限のある立地で“苦肉の策”として採用される建築様式だと言えるわけです。

 

しかし、この肬水神社は周囲に充分な平地があるにもかかわらず懸け造りになっているという点がなんとも奇妙です。

 

肬水神社へのアクセスは肬水バス停が最寄りですが、本数が少ないので注意です。

国道254号線沿いにあるので、車で行くのが良いでしょう。なお、駐車場はありません。

路駐になるので、近隣の人や通行者の迷惑にならない場所を選ぶよう注意しましょう。

 

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肬水神社の遠景。岩山の中腹に切妻の建物が張りついています。

神社の真正面を走る国道254号線は荒船山のふもとを通りますが、この岩山も荒船山を彷彿とさせる雰囲気があります。

 

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石の鳥居と社殿。石段と石垣は崩れかけで、ちょっと不安定な感が否めません。

鳥居の額には行書体で「石宮」と書かれていました。

 

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鳥居の位置から見上げた社殿。張り出した社殿が、いかにも頼りなさそうな柱で支えられています。それに、柱の本数も心細い感じがします。

 

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側面。社殿の半分近くが空中に張り出ている様子が見て取れます。

 

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真下から見上げた社殿。土台の岩の形状に合わせて柱が立てられており、柱の配置は左右非対称です。

ただでさえ不安定そうな立地なのに、柱の配置が不規則で、見れば見るほど不安になってくる...

 

少々きしむ木の階段を上ると、階段の上は木の格子で上が塞がれており、社殿へは登れませんでした。

ものは試しで格子を押し上げてみると少し動きはしましたが、私が非力なのと足場が不安なせいで、これ以上力をかけるのは危ないと思い、断念しました。

 

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階段の上に立ちながら格子のすき間から手とスマフォを突っ込んで撮影した内部。

社殿の中はこのほかには特に何もない様子です。

 

撮影を終えて気づいたのですが、社殿の階段が簡素な造りの割には高さがあり、「もしかしたら踏み抜いてしまうのでは?」という恐れが急に芽生え、へっぴり腰になって階段を下りました...

 

観光でテンションが上がると、それに任せてほいほいと高所に登っていき、下るときになって自分が高所恐怖症であることを思い出してしまう人って、私だけでしょうか?

 

以上、肬水神社でした。

(訪問日2019/03/01)