世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【体験記】車とかぜんぜん分からないド素人が無謀にもユーザー車検を受けに行ってみた

 

ユーザー車検とは、陸運局に自分で自動車を持ち込み、各種書類や検査などの手続きを自分でやることを言います。

基本的に整備工場の人や車検屋の人がお客さんの車を持っていって受けるものです。

自家用車を個人的にユーザー車検する人は少数派です。

 

この記事に辿りついた方なら、ユーザー車検についてある程度は調べているかと思います。

なので、この記事では車についての知識がほぼ無いド素人がユーザー車検を受けに行ったらどうなるのか、どうなったかについて書いていきます。

 

なお、陸運局の構内では写真撮影が禁止になっているため、この記事はテキストオンリーになりますので、悪しからず。

 

1.この記事の前提について

 端的に結果を書くと、多少の失敗はあったものの、無事、ユーザー車検に通ることができました。

 

私の自動車についての知識は、運転のしかたとタイヤ交換のやり方くらいで、他のことはぜんぜんわからないというレベルです。

教習所でオイル残量のチェックを習った気がしますが、何年も前のことなので覚えていません。

 

愛車は、2年前にディーラー直営の中古屋で買った日産ノートです。もともと車には興味が無いので、改造みたいなことは一切していません。

購入したときに諸々の消耗品を新調してもらっており、タイヤも去年買ったスタッドレスです。

年間走行距離はせいぜい4000kmで、とくに酷使しているわけでもないので、乗っていてこれといった異常らしいものは見あたりません。

 

以上の条件でユーザー車検を受けに行ってみました。




2.ユーザー車検をおすすめできる人、できない人

 率直に言って、ユーザー車検は誰にでもおすすめできるものではないです。以下に、おすすめできる人とできない人の条件を箇条書きしてみました。

 

おすすめできる人

・自動車についての知識や技術に自信がある人

・自動車の改造をやってみたいと思っている人

・自動車関連の知識を増やしたい人

・車検の検査内容や、税制について学びたい人

車検費用を安く抑えたい人

・暇な人

 

以上の2つくらいを満たしていればユーザー車検を検討しても良いかもしれません。



おすすめできない人

・自動車の状態に不安がある人

・準備や下調べ、陸運局での各種手続きを面倒に感じる人

・分からないことを人に聞くのが恥ずかしい人

・場違いな空気の中に飛び込むのが嫌な人

・仕事が忙しくて平日休みを取れない人

 

以上の1つでも満たしている人は、ユーザー車検は受けない方が無難です。普通に、ディーラーや車検屋にお願いしましょう。




3.ユーザー車検は期日の30日前以内の平日に受けること

 車検はいつでも受ける事ができますが、車検期間を無駄にせずに受けたいのなら、期限の30日前以内に受けるのが基本です。

私の場合、平成31年2月28日が期限だったため、同年1月29日から車検を受けられました。

 

なお、陸運局は休日と祝日が休みのため、ユーザー車検を受けられるのは平日だけです。

会社員の方は、有休を取るなどしましょう。

平日休みを取れない人は、あきらめて下さい...

 

ユーザー車検を受ける時間は、陸運局によってまちまちのようですが、後述の予約の段階で好きな時間に決められます。




4.ユーザー車検を受ける場所と持物

 ユーザー車検を受ける場所はいわゆる「陸運局」です。

なお、「陸運局」は正式名称ではなく、「○○(地名)自動車検査登録事務所」といった感じのが正式名称です。

 

長野ナンバーなら長野の陸運局じゃないと駄目...みたいな決まりはなく、県外の陸運局でも問題ないようです。

なお、私は松本陸運局(松本自動車検査登録事務所)でユーザー車検を受けました。



持ち物について検索してみると、小難しい名前の書類がたくさん出てきますが、ほとんどは現地(陸運局)で調達できるものです。

予め準備しておくものは以下の4点だけです。

・車検証

自賠責保険

認印

・諸費用(お金)

 

車検証は、自動車の型番や重量税などが書かれている青っぽい色のB4サイズの紙です。

これは常に車内に置いておかないといけないものなので、忘れようがありません。

 

自賠責保険証は、文字通り自賠責の保険証で、B5サイズの灰色の紙です。

自賠責に入っていない車は公道を走れません。これも常に車内に置いておかないといけないものなので、忘れようがありません。

自賠責の更新は、陸運局に併設された保険窓口で当日にできるので、事前準備は特に要らないです。

 

認印三文判シヤチハタで構いません。

陸運局に提出する書類に認印を捺す箇所がありますが、私が行ったときは陸運局の係員から特に指示はなく、認印は使わなくてもユーザー車検に通りました。

いちおう念のため、持って行ったほうが良いかもしれません。

 

諸費用は車のサイズによりけりです。

私の愛車は1.1トンの小型車に類するので、手数料と重量税と自賠責とで合計50000円くらいになりました。

軽自動車だと、35000~40000円くらいになるようです。

基本的に、大きくて重い車ほど高額になります。

車検費用を計算できるサイトがあるので、そこで出た金額にプラス1万円したくらいのお金を持って行けば間違いはないでしょう。




5.予約の方法と混雑のピーク

 ユーザー車検を受けるには、予約が必要です。

予約はウェブと電話の2通りの方法がありますが、24時間いつでも受け付けてくれるウェブで予約するのが良いでしょう。

「自動車技術総合機構」の「自動車検査インターネット予約システム」という国土交通省のウェブサイトがあり、ここから予約を入れられます。

 

予約にはアカウントが必要で、初めての人は新規アカウント登録をしてからログインしましょう。

ログインするとユーザー車検を受ける場所と、受ける日時を予約できます。

予約は2週間前から1日前までできます。

ユーザー車検を受けられるのは平日だけなので、平日休みを取りにくい会社員の方は早めの予約をお勧めします。



混雑のピークとなるのは2月から3月にかけての期間のようです。

理由は、3~4月の新生活を機に車を購入する人が多く、そうした人たちは2~3月に車検期間が切れるためです。

ピーク期間にユーザー車検を受けることになるようなら、早めに予約をしておくべきでしょう。




6.ユーザー車検の費用(法定費用)について

 ユーザー車検の費用(法廷費用)は、手数料、重量税、自賠責費用、この3つの費用の合計になります。

 

手数料は、書類の処理や検査ラインの人たちの手数料です。

切手のような「収入証紙」を購入することで支払います。

私の場合は小型車だったので1700円でした。

この費用は、仮に検査に引っかかってユーザー車検を断念した場合でも返還してもらえないので注意しましょう。

 

重量税は、車の重さに対して課される税金です。

車検を受ける際には納税が必須です。

こちらも「収入証紙」の形式で支払います。

私の場合は、1.1トンだったので24600円でした。

大きくて重い車ほど車検費用が高くなるのは、この重量税が原因です。

 

自賠責費用は、加入が必須となる自賠責の保険料です。

車検期間と同じになるよう、2年契約にしておくのが一般的です。

私の場合は、25830円でした。

こちらは車の大きさや重さとは特に関係ないようで、軽自動車でも同じくらいの額になります。

 

以上の3つを合計すると、私の日産ノート車検費用(法定費用)は52130円になりました。

軽自動車の場合だと重量税が安いので、4万円を割り込むようです。

詳細な金額については、「車検 法廷費用 計算」といった感じで検索すると、計算ツールがヒットします。

 

余談になりますが、手数料、重量税、自賠責費用の3つをまとめて「法定費用」と呼びます。

ディーラーや車検屋に頼んだときの金額は、整備費用や人件費が法定費用に上乗せされた額ということです。

ユーザー車検が安くすむ理由は、必要最低限の法定費用だけを払えばいいからです。




7.ユーザー車検の流れ

 ユーザー車検の流れを大まかに書くと

・手数料と重量税を支払う

自賠責の更新をする

・各種書類を記入する

・検査を受ける

・各種書類を提出する

といった手順になります。

 

手数料と重量税については、陸運局に併設された窓口に行って切手のような「収入証紙」を買うことで支払います。この収入証紙は書類に貼りつけて陸運局に提出することになります。

 

自賠責は、おそらく収入証紙の窓口のすぐ近くに自賠責の窓口があるのでそこで更新を行います。保険期間は、車検期間と合わせて2年(24ヶ月)にするのが一般的です。

 

各種書類は陸運局の「継続」の窓口でもらいます。初めての人は、記入のしかたや収入証紙の貼る場所を聞いておくといいでしょう。

書類の記入は、車検証を見て書いていけば特に難しいところはありません。

 

以上のペーパーワーク(書類の準備)は不慣れな人がやると30分近くかかるので、予約した時刻よりも早めに、余裕を持って行くのが吉です。




検査については検査コースに車を持ち込み、自分で車を動かすことで検査します。検査内容は、原動機と車台番号の確認、ワイパーとライトの確認、排気ガス検査、サイドスリップ検査、スピードメーター検査、ヘッドライト検査、下回り検査になります。

詳しい内容については後述します。

検査が終わると、その結果が書かれた紙をもらえます。

 

検査後は、ここまで揃えた書類を全て窓口に提出します。

書類に不備がなければ車検に合格となり、新しい車検証とフロントガラスの裏に貼るシールをもらえます。

車検証は自賠責の保険証といっしょに車内に保管し、シールは早めに貼り替えておきましょう。

 

これでユーザー車検はおわりです。




8.検査内容の詳細

 先述した検査内容の詳細と、注意点、そして私がやらかした失敗を書いて行きます。



・原動機と車台番号の確認

同一性の確認、というやつです。書類に書かれた車と、これから検査コースに入る車が本当に同じものなのかをチェックします。替え玉を防ぐのが目的です。

原動機と車台番号はボンネットを自分で開けて場所を示し、係員に確認してもらいます。

 

私はボンネットの開け方と車台番号が分からず、係員に聞いたところ呆れられました...

そんなことがあって、検査コースではベテランっぽい係員のおっちゃんに付き添ってもらうことになりました。



・ワイパーとライトの確認

係員の指示に従ってワイパーやライトを動かしていき、正常に動作するかを見ます。

これについては普通に車を運転していれば分かるはずです。

尚、私はパッシングを使ったことがほぼないので、指示されてちょっと戸惑いました...



排気ガス検査

車のマフラーに検査用のコードを突っ込み、排気ガスの検査をします。

尚、私の場合は付き添いのおっちゃんがやってくれたので、車内で待つだけでした。



・サイドスリップ検査

検査装置に前輪を乗せ、ハンドルを左右に回すことで直進安定性を見ます。

古くなっているタイヤを履いている場合や、タイヤ交換を自分でやっている場合はひっかかる可能性もあるかもしれません。

手間取っていると付き添いのおっちゃんが窓の外からハンドルを掴んで操作してくれました。



スピードメーター検査

ベルトコンベヤみたいなところに車を乗せて40km/hの速度で走行させ、スピードメーターの表示が実際の速度とちがっていないかを調べます。



・ヘッドライト検査

ヘッドライトの明るさや光軸が基準に収まっているかを見ます。

指示に従ってヘッドライトを操作すれば、あとは機械が自動で検査してくれます。

注意事項として、この検査を受けるときはヘッドライトの光軸を「0(ゼロ)」に、つまりいちばん下向きしておくこと。

尚、私は光軸が「1」になっていることに気づかずに検査を受け、見事にここで引っかかり、後述のテスターで指摘を受けてようやく気づきました...



・下回り検査

車の下回りを、地下にいる係員に見てもらいます。

指示に従ってブレーキを踏んだり離したりするだけなので、下で何が行われているのかはよくわかりませんでした。




9.検査に不合格になったら

 検査に不合格になったら、陸運局のすぐ近くにあるテスター(予備検査場)という場所で車の調整をしてもらいます。

 

テスターには陸運局の検査コースとほぼ同じ設備があります。

検査コースで受取った結果の用紙を見せれば、それに応じた調整をやってもらえます。

 

手数料は内容にもよりますが、全ての検査をフルコースでやってもらうと5000円くらいになるようです。

 

テスターで調整してもらい、ここでの予備検査に合格したなら、再度陸運局の検査コースへ入りましょう。

検査コースへの入場は、最大3回までできます。

予約したラウンドが終わってしまっているようなら、次のラウンドが始まるのを待ちましょう。

一発で通る自信がないようなら、検査に引っかかる可能性も考慮して、なるべく午前のラウンドを予約しておくことをおすすめします。



なお、私の場合、ヘッドライトの光軸検査に引っかかり、その調整に1080円(税込)ほどかかりました。

そしてテスターで見てもらったところ、光軸が「1」になっていることに指摘されて始めて気づいたのでした...

無知ゆえに1080円を無駄にしたということです...

皆様はこんな馬鹿なことでお金を取られないよう、気をつけてください!





10.ユーザ車検の所要時間

  初めてのユーザー車検に要した時間はだいたい1時間30分くらいでした。

 内訳を書くと、書類の記入や自賠責の更新などに30分、早く着きすぎたため検査ラインのまえで待っていた時間が30分、検査ラインとテスターと再検査に30分、といった内訳でした。

 

 初めてで要領が悪く、分からないことばかりで係員の人に聞きまくっていたせいもあって1時間30分もかかりましたが、たぶん今度行ったときは1時間以内で済ませられると自分では思っています。




11.車検のあとは

 車検が終わったら、フロントガラスの内側のシールを貼り替えておきましょう。

このシール、けっこう粘着力が強いので、古いのをはがすときは意外に手間取ります...

せっかく車検に通ったのに、期限切れのシールをつけて走っていると法律違反になってしまうので、忘れないうちに貼り替えておくように。

 

シールと一緒に車検証も受け取ることになりますが、この新しい車検証は自賠責の保険証と一緒に車内の適当な場所にしまっておきましょう。

車検証と自賠責保険証が車内にない状態で走るとこれもまた法律違反になってしまいますので注意して下さい。




12.ユーザー車検を受けてみて思ったこと

 以下は個人的な感想になります。

 

まず思ったのは、世の中のほとんどの人が車検をディーラーや車検屋に任せている理由になんとなく納得が行った、ということ。

業者に頼む車検はユーザー車検よりも数万円ほど割高ですが、陸運局での書類の手続きを代行してもらえますし、「検査に引っかかったらどうしよう」という不安もありません。

プロの整備士が点検整備してくれるので、車検後の安心・安全も素人のユーザー車検とは段違いです。

それに、業者なら平日休みを取れない人の代わりに陸運局まで車検に持って行ってくれるし、場合によっては代車を用意してくれます。

これらのサービスを総合すれば、数万円の割増料金も決して高いものではないはずです。



次に、陸運局の雰囲気について。

陸運局に行ってみると分かりますが、陸運局ユーザー車検を受けに来ている人のほとんどは車検屋などの業者の方で、私のように私服で来ている人は明らかに場違いで浮いた存在になります。

かといって、つなぎとかを着ていってプロっぽい雰囲気を出したあげく無知を晒すのは悲惨なので、素人は素人らしく私服で行くのが良いと思います。

むしろ、いかにも素人っぽい雰囲気を出しておいたほうが、係員の人が助けてくれます。

 

そして陸運局の方は、ユーザー車検を受けに来る人が一定以上の知識を持っているものと思っているため、たいていのことは聞かないと教えてくれません。

分からないことがあったら、素直に聞きましょう。

陸運局は一種のお役所ではありますが、「教えて下さい」と頼めば懇切に教えてくれます。

少なくとも、私が行った松本陸運局の局員さんたちは丁寧に教えてくれました。



最後に、今回のユーザー車検を総括すると、「やってみて良かった」と思います。

重量税や自賠責についての知識がほんの少しではありますが学べましたし、「そもそも車検って一体なにを見るのか」という素朴な疑問の答えが解りました。

 

ただ、次回もユーザー車検を受けたいかと聞かれれば、答えは否ですね...

今度はちゃんとした業者に、整備してもらったうえで車検を通したいです。

とはいえ、自分の中に「ユーザー車検」という1つの選択肢ができたことに大いに満足です。