世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

寺社

【寺社の基礎知識】向拝と母屋(身舎)

今回は寺社の基礎知識ということで、仏堂・社殿を構成する要素である向拝と母屋について。 寺社建築を語るうえで必須といって過言でない用語が向拝(こうはい)と母屋(もや)。これを理解できていないと、寺社建築を正しく読み解くことは難しいです。 あまり聞き…

【岡谷市】十五社神社(間下) ~狭すぎ&深すぎな境内入口~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、岡谷市間下(ました)の十五社神社(じゅうごしゃ-)について。 十五社神社(間下)は、岡谷ICから岡谷駅に向かう県道沿いの目立たない場所に鎮座しています。 諏訪大社の系統であり、近辺には同名の神社が複数あります…

【下諏訪町】諏訪大社下社 秋宮・春宮

諏訪大社下社(すわたいしゃ しもしゃ)は下諏訪町の中心部に位置する神社です。 諏訪大社は全国に25,000件あるとされる諏訪神社の総本社であり、下社の境内である秋宮(あきみや)・春宮(はるみや)では江戸期の豪壮な社殿が国指定重要文化財に指定されています。…

【岡谷市】駒沢諏訪社 ~裏口が正門? 正面から入れない神社~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、岡谷市の駒沢諏訪社(こまざわすわしゃ)について。 駒沢諏訪社は岡谷市街から辰野へ向かう国道に面した集落の中に鎮座しています。 境内はちょっと風変わりな構成をしていますが本殿は標準的な流造で、覆い屋の窓…

【下諏訪町】武居恵比須社 ほか ~下諏訪東部の小ネタ特集~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、下諏訪町の武居恵比須社(たけいえびすしゃ)などの小ネタについて。 武居恵比須社と若宮神社(わかみや-)は、諏訪大社下社秋宮の裏手に鎮座しています。両者とも小規模な社殿があるだけですが、とくに武居恵比須社…

【下諏訪町】熊野神社(社) ~春宮の系譜 大隅流の本殿~

今回は長野県の観光地ということで、下諏訪町社(やしろ)の熊野神社(くまの-)について。 熊野神社は諏訪大社の下社春宮から西へ1kmほど離れた住宅街の山際に鎮座しています。 本殿は春宮を造営したことで知られる柴宮長左衛門の手によるもので、派手な彫刻で…

【長野市】清水神社(真島) ~白木の本殿が美しい式内社~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、長野市真島(ましま)の清水神社(しみず-)について。 清水神社は、善光寺平を流れる犀川と千曲川に挟まれた地域(川中島)に鎮座しています。いかにも村の鎮守といったの感じの神社で、社殿もそれ相応ですが、適度に…

【木曽町】熊野神社 ~木曽随一の規模を誇る三間社~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、木曽町の熊野神社(くまの-)について。 熊野神社は信州を代表する名峰・御岳山のふもと、開田高原に鎮座しています。 国道から外れた場所にあって全く目立たない神社ですが、木曽地方では数少ない三間社の本殿があ…

【千曲市】水上布奈山神社の本殿を徹底解説

今回は長野県のマイナー観光地ということで、千曲市の水上布奈山神社(みずかみふなやま-)について。 水上布奈山神社は、千曲市戸倉の市街地に鎮座しています。 創建は1603年で神社としては新しい部類ですが、諏訪の名工・柴宮長左衛門の手掛けた豪華絢爛な本…

【長野市】善光寺本堂の見どころを、たまには普通に語ってみる

今回は長野県の超メジャー観光地ということで、長野市の善光寺(ぜんこうじ)本堂について。 善光寺本堂については、前回、用語満載のガチガチな解説・考察を3記事にわたって行いました。 善光寺本堂は、何記事を費やしても語りつくせないほどの名建築ですが、…

【高山市】櫻山八幡宮 ほか ~高山市街の小ネタ特集~

今回は岐阜県の観光地ということで、櫻山八幡宮(さくらやま はちまんぐう)など高山市街の小ネタについて。 櫻山八幡宮は、高山の市街地の北西の山際に鎮座しています。 市内の観光の中心地である高山陣屋からは1キロメートルほどの距離があるものの、ここま…

【長野市】長田神社 ~長大な社叢にたたずむ由緒正しき神明宮~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、長野市の長田神社(ながた-)について。 長田神社は長野市の千曲川南岸の傾斜地にある集落の中に鎮座しています。 本殿は平成期の再建ですが創建は1089年とされ、伊勢の外宮に布などを献上したことから神宮領の御厨…

【長野市】善光寺七社(三鎮守+4社)を一日で制覇する ~後編~

今回は長野県の観光地ということで、善光寺七社(ぜんこうじ ななしゃ)について。 www.hineriman.work 前編では善光寺七社のうち、3社を巡りました。 今回は後編ということで残りの4社を巡っていきます。

【長野市】善光寺七社(三鎮守+4社)を一日で制覇する ~前編~

今回は長野県の観光地ということで、善光寺七社(ぜんこうじ ななしゃ)について。 長野市のシンボルと言えば、もちろん善光寺。長野はその門前町として発展し、千年近い昔から現在に至るまで、参拝者で賑わい続けています。 そんな寺町のイメージが根強い長野…

【飛騨市】気多若宮神社と白壁土蔵街 ~古川の小ネタ特集~

今回は岐阜県の観光地ということで、飛騨市の気多若宮神社(けたわかみや-)と古川の白壁土蔵街(ふるかわ-しろかべどぞうがい)などについて。 気多若宮神社は飛騨市古川の北側の山際に鎮座しており、映画『君の名は』の舞台のモデルにもなったからか、ここ数年…

善光寺本堂を徹底解説 part3~歴史資料から「撞木造」の誕生年代に迫る~

今回も長野県の超メジャー観光地ということで、長野市の善光寺について。 前回(part2)は、善光寺本堂の撞木造の誕生の経緯を語りました。 今回はpart3ということで、歴史資料に残された再建工事と火災の記録や、絵巻物に描かれた本堂の姿を見つつ、撞木造が…

善光寺本堂を徹底解説 part2~屋根と間取りから「撞木造」の成り立ちを考える~

今回も長野県の超メジャー観光地ということで、長野市の善光寺について。 前回(part1)は、善光寺本堂がいかに特異で個性的な建築であるかについて語りました。 今回はpart2ということで、間取り図を見ながら建物の外観と照らし合わせたり、類似の構造をもっ…

善光寺本堂を徹底解説 part1~善光寺はなぜ人々を惹きつけて止まないのか~

今回は長野県の超メジャー観光地ということで、長野市の善光寺本堂(ぜんこうじ ほんどう)について。 ご存知、善光寺は長野県を代表する超メジャースポット。その魅力については先人たちが語りつくしており、私が口をはさむ隙は無いと思っていたのですが、意…

【高山市】日枝神社 ~飛騨随一の美麗な旧社殿~

今回は岐阜県のマイナー観光地ということで、高山氏の日枝神社(ひえ-)について。 日枝神社は高山の市街地の南東の山際に鎮座しています。広い境内には多数の境内社があり、いずれの社殿も県か市の指定文化財にとどまっていますが、旧社殿である富士社は派手…

【松本市】田村堂と波多神社 ~廃仏毀釈の餌食となった「信濃日光」の残滓~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、松本市の田村堂(たむらどう)と波多神社(はた-)について。 田村堂と波多神社は、松本市波田の山際に鎮座しています。松本市街から上高地へ向かう途中の道沿いに「重要文化財 田村堂」と書かれた案内板があるので、…

【高山市】飛騨国分寺 ~街のランドマークがそびえる、定番の観光スポット~

今回は岐阜県の観光地ということで、高山市の飛騨国分寺について。 飛騨国分寺は高山の市街地の中心部に鎮座しており、境内はさほど大きくないものの、飛騨地方で唯一の三重塔や重要文化財の本堂などなど、見どころの多い内容となっています。 文化的・歴史的…

【鯖江市】舟津神社 ~深い杜の奥に鎮座する異形の大型本殿~

今回は福井県の観光地ということで、鯖江市の舟津神社(ふなつ-)について。 舟津神社は鯖江市の市街地の山際に鎮座しており、延喜式内社にも記載がある県内屈指の古社です。歴史ある神社のだけに境内は非常に広く長く、うっそうと茂った社叢に覆われています。…

【長野市】頤気神社(松代) ~境内社は善光寺リスペクト?~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、長野市の頤気神社(いけ-)について。市内に同名の神社があるため、所在地の松代を付しておきます。 頤気神社は長野ICのすぐ近くに鎮座しており、延喜式神名帳にも記載がある古社です。 本殿は至って普通の建築様式…

【池田町】須波阿須疑神社 ~和様・唐様・天竺様が融合したハイブリッド建築~

今回は福井県のマイナー観光地ということで、池田町の須波阿須疑神社(すわあずき-)について。 須波阿須疑神社は、福井市から少し山へ入った場所にある池田町の里山に鎮座しており、須波(諏訪)という名前のため信州の諏訪大社とも縁があるようです。いちばん…

【長野市】祝神社 ~真田十万石の城下にたたずむレア物件「二間社」~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、長野市の祝神社(ほうり-)について。 祝神社は松代(まつしろ)の市街地の一角に鎮座しており、二間社(にけんしゃ)というちょっとレアな様式の本殿が、いかにも城下町らしい堀と石垣の上に建っている様を楽しむこと…

【長野市】玉依比売命神社 ~T字型の拝殿 これがホントの「撞木造り」?!~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、長野市の玉依比売命神社(たまよりひめのみこと-)について。 玉依比売命神社は真田氏の城下町・松代の西端の山際に鎮座しています。 長野市というと、撞木造(しゅもくづくり)と呼ばれるT字形の棟を持った善光寺が著…

【越前市】大瀧神社・岡太神社 (奥の院)~奇怪な社殿の御神体に挑む~

今回は福井県の観光地ということで、大瀧神社・岡太神社(おおたき-・おかもと-)について。 前回・前々回は下宮の解説をしましたが、下宮の社殿に感動したので、御神体でもある権現山に鎮座する奥の院にも行ってみました。 そういうわけで、今回は奥の院の社殿の…

【越前市】大瀧神社・岡太神社 下宮 (後編)~日本一複雑な社殿の細部に迫る~

今回も福井県の観光地ということで、大瀧神社・岡太神社(おおたき-・おかもと-)について。 前編では境内の様子と、複雑な拝殿・本殿の大まかな構造について語りました。 今回は重要文化財の拝殿・本殿を、さまざまなアングルから詳細に見ていこうと思います。 所…

【越前市】大瀧神社・岡太神社 下宮 (前編)~複雑怪奇に入組んだ屋根を読み解け!~

今回は福井県の観光地ということで、大瀧神社・岡太神社(おおたき-・おかもと-)について。 大瀧神社・岡太神社は越前市の山際に鎮座している神社で、紙の神として知られています。この2社は奥の院こそ別々ですが、下宮は1つの社殿を共有しています。 そして最大…

【麻績村】麻績神明宮 ~貴重かつ大規模な江戸期の神明造~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、麻績村の麻績神明宮(おみ しんめいぐう)について。 麻績神明宮は麻績村の盆地の山際に鎮座しており、江戸時代に建立された神明造(しんめいづくり)の本殿を鑑賞することができます。 長野県内には神明造の本殿がい…