寺社
今回は三重県名張市の名居神社(ない-)について。 名居神社は市東部の集落に鎮座しています。 創建は不明。『日本書紀』によると推古天皇七年(飛鳥時代)、各地に地震を鎮める神が祀られました。「なゐ」は地震を意味する古語であることから、当社は飛鳥時代に…
今回は寺社の基礎知識として、和様、大仏様、禅宗様および折衷様について。 寺社建築の3様式 意匠と構造による分類 建築には入母屋や流造といったように、屋根の構造による分類法があります。 それとは別に、日本の寺社建築には各所の意匠と構造による分類法…
今回は長野県須坂市の普願寺(ふがんじ)について。 普願寺は須坂市街東部に鎮座する浄土真宗本願寺派の寺院です。山号は大岩山。 創建は1247年(宝治元年)。堅阿坊信性によって武蔵国秩父郡の大岩という場所に「大岩山普願寺」として開かれました。寺号は1314…
今回は長野県須坂市の浄運寺(じょううんじ)について。 浄運寺は須坂長野東ICの近くの集落に鎮座する浄土宗の寺院です。山号は井上山。 創建は1213年(建保二年)とされ、当地を領した源氏の井上氏の発願を受けて開かれたとのこと。開山は法然の直弟子・角張で…
今回は長野県長野市の川中島古戦場八幡社(かわなかじま こせんじょう はちまんしゃ)について。 川中島古戦場八幡社は八幡原(はちまんぱら)史跡公園の一画に鎮座しています。 創建は不明。社伝によると平安時代、信濃に配流された村上顕清が当地に八幡宮を祀…
今回は長野県岡谷市の平福寺(へいふくじ)について。 平福寺は市西部の住宅地に鎮座する真言宗智山派の寺院です。山号は彌林山。 創建は不明。14世紀に下社神宮寺の僧侶・憲明阿闍梨によって中興され、室町期は下社春宮の別当として隆盛したようです。戦国期に…
今回は奈良県奈良市の率川神社(いさがわ-)について。 率川神社は奈良市街の中心地に鎮座しています。 創建は社伝によると593年。当初はヒメタタライスズヒメ(媛蹈韛五十鈴姫)を祀っていて、のちにその父神と母神も祀られるようになったようです。平安期の『…
今回は奈良県奈良市の手向山八幡宮(たむけやま はちまんぐう)について。 手向山八幡宮は奈良公園の一角、東大寺の南東に鎮座しています。 創建は749年(天平勝宝元年)。東大寺の鎮守として宇佐神宮から勧請されたのがはじまりで、当初は平城宮の南に鎮座して…
今回も奈良県奈良市の東大寺について。 その1では南大門について、 その2では中門と大仏殿について、 その3では鐘楼と念仏堂などについて、 その4では法華堂と二月堂などについて述べました。 当記事では正倉院と転害門について述べます。 正倉院 大仏殿から…
今回も奈良県奈良市の東大寺について。 その1では南大門について、 その2では中門と大仏殿について、 その3では鐘楼と念仏堂などについて述べました。 当記事では法華堂と二月堂などについて述べます。 法華堂(三月堂) 鐘楼から坂を登ると、そのさきに法華堂…
今回も奈良県奈良市の東大寺について。 その1では南大門について、 その2では中門と大仏殿について述べました。 当記事では鐘楼と念仏堂などについて述べます。 鐘楼 前回の大仏殿は有料の区画でしたが、今回の鐘楼などは南大門と同様に随時出入りできます。…
今回も奈良県奈良市の東大寺について。 その1では南大門について述べました。 当記事では中門と大仏殿について述べます。 中門と回廊 南大門をくぐって参道を進むと、大仏殿の手前に中門(ちゅうもん)があります。 中門は、五間三戸、楼門、入母屋、本瓦葺。 …
今回は奈良県奈良市の東大寺(とうだいじ)について。 東大寺は奈良市街東端に鎮座する華厳宗の大本山です。山号はありません。 創建は史料によって諸説ありますが奈良時代初期。全国の国分寺の総本山として、聖武天皇の命を受けた良弁により開かれた金鐘寺が…
今回は奈良県奈良市の氷室神社(ひむろ-)について。 氷室神社は市街地東端の東大寺入口に鎮座しています。 創建は社伝によると710年(和銅三年)、春日山に氷の神を祀ったのが始まりで、当社から平城京へ氷を上納していたとのこと。860年(貞観二年)に現在地へ移…
今回は大阪府大阪市の住吉大社(すみよし たいしゃ)について。 住吉大社は住吉区の市街地に鎮座している摂津国一宮です。 創建は諸説ありますが不明。文献史料上の初見は『日本書紀』で、686年(朱鳥元年)の記事に当社が出現します。平安期の『延喜式』には「…
今回は大阪府堺市の石津神社(いしづ-)について。 石津神社は堺区の市街地に鎮座しています。 創建は社伝によると5代・孝昭天皇の時代とされます。平安期の『延喜式』に記載された「石津太神社」に比定される式内論社のひとつ。その後の中世の沿革は不明。江戸…
今回は大阪府堺市の大鳥大社(おおとり たいしゃ)について。 大鳥大社は市北西部の住宅地に鎮座している和泉国一宮です。正式名称は大鳥神社。 創建は不明。社伝では、ヤマトタケルの墓から飛んだ白鳥が当地に降りたのが由来。史実的には、当地に住む大鳥連が…
今回は大阪府堺市の家原寺(えばらじ)について。 家原寺は西区の住宅地に鎮座する行基宗の単立寺院(本山)です。山号は一乗山。 別名・通称は智恵の文殊、ハンカチ寺。以前は落書き寺とも呼ばれたようです。 創建は寺伝によると704年(慶雲元年)、行基が母方の実…
今回は大阪府堺市の光明院(こうみょういん)と万代寺(まんだいじ)について。 光明院 所在地:〒591-8037大阪府堺市北区百舌鳥赤畑町5-732(地図) 光明院(こうみょういん)は百舌鳥八幡宮の東側に鎮座する高野山真言宗の寺院です。山号は仏頂山、寺号は金輪寺。 …
今回は大阪府堺市の百舌鳥八幡宮(もず はちまんぐう)について。 百舌鳥八幡宮は市の中心部に近い住宅地に鎮座しています。 創建は29代・欽明天皇(在位539~571)の時代とされます。729年には行基によって境内に神宮寺(万代寺)が開かれ、平安時代には広大な社領…
今回は大阪府堺市の金岡神社(かなおか-)について。 金岡神社は市北東部の住宅地に鎮座しています。 創建は社伝によれば仁和年間(885~889)。社名は、当地に住んでいた大和絵師・巨勢金岡(こせの かなおか、生没年不明 平安前期)に由来します。その後の沿革は不…
今回は大阪府藤井寺市の葛井寺(ふじいでら)について。 葛井寺は市の中心部に鎮座する真言宗御室派の寺院です。山号は紫雲山。別名は藤井寺、剛琳寺。 創建は寺伝によると725年、聖武天皇の命を受けた行基によって開かれたとのこと。葛井氏の氏寺として開かれ…
今回は大阪府藤井寺市の辛国神社(からくに-)について。 辛国神社は市の中心部に鎮座しています。 創建は不明。雄略天皇の時代、物部氏の一族である辛国連が祖先を祀ったのが始まりとされます。平安期の『延喜式』には当社が記載され、式内社に列しました。室…
今回は大阪府羽曳野市の野中寺(やちゅうじ)について。 野中寺は市北部の住宅地に鎮座する高野山真言宗の寺院です。山号は青龍山。 別名は中の太子。上の太子・叡福寺(太子町)、下の太子・大聖勝軍寺(八尾市)と並ぶ三太子(聖徳太子建立の3か寺)のひとつ。 創建…
今回は大阪府羽曳野市の誉田八幡宮(こんだ はちまんぐう)について。 誉田八幡宮は市北部の住宅地に鎮座しています。 創建は社伝によると559年。応神天皇(誉田別命)の陵の前に廟を造ったのが始まりとされます。奈良時代には行基によって神宮寺・長野山護国寺が…
今回は大阪府藤井寺市の道明寺(どうみょうじ)について。 道明寺は道明寺天満宮の西に隣接して鎮座する真言宗御室派の寺院です。山号は蓮土山。 創建は飛鳥時代で、野見宿禰の子孫である土師氏が土師神社(現在の道明寺天満宮)とともに土師寺を創設したのが始…
今回は大阪府藤井寺市の道明寺天満宮(どうみょうじ てんまんぐう)について。 道明寺天満宮は市東部の住宅地に鎮座しています。 創建は不明。野見宿禰の子孫である土師氏が594年に土師神社(はじ-)と土師寺を創設したのが始まりとされます。平安時代には土師氏…
今回も大阪府太子町の叡福寺について。 前編では南大門、金堂、多宝塔について述べました。 当記事では聖霊殿と聖徳太子御廟について述べます。 聖霊殿(太子堂) 金堂の脇を通って境内奥へ進んで行くと、参道左手に聖霊殿(せいりょうでん)が東面しています。…
今回は大阪府太子町の叡福寺(えいふくじ)について。 叡福寺は町の中心部に鎮座する太子宗の本山です。山号は磯長山。 別名は上の太子。中の太子・野中寺(羽曳野市)、下の太子・大聖勝軍寺(八尾市)と並ぶ三太子のひとつ。 創建は不明。寺伝によれば620年に聖徳…
今回は大阪府羽曳野市の壼井八幡宮(つぼい はちまんぐう)について。 壼井八幡宮は市東部の台地に鎮座しています。 創建は1064年(康平七年)。河内源氏の源頼義が当地に石清水八幡宮(京都府八幡市)を勧請したのが始まり。創建当時は河内源氏の総氏神でしたが、…