世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

寺社

【辰野町】荒神社と祖霊社 ~流造と神明造のハイブリッド?~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、辰野町の荒神社(こう-)と祖霊社(それいしゃ)について。 辰野町の市街地から少し南に行った荒神山(こうじんさん)という場所は、山が丸ごと公園になったかのような非常に広い公園があります。荒神社と祖霊社は、そ…

【岡谷市】洩矢神社と藤島神社 ~川向かいに対峙する2つの“聖地”~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、岡谷市の洩矢神社(もりや-)と藤島神社(ふじしま-)について。 諏訪大社の祭神・タケミナカタというと、タケミカヅチとの力比べに敗れて諏訪に封じられた“国譲り”の伝説が有名です。しかし、タケミナカタにはそれと…

【岡谷市】十五社神社(今井) ~常識破りの“くぐる舞屋”~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、岡谷市の十五社神社(じゅうごしゃ-)について。市内には同名の神社があるので、区別のために所在地の今井を付しておきます。 十五社神社は岡谷ICから諏訪湖へ向かう途中、住宅街の中にある丘のような社叢の中に鎮…

【寺社の基礎知識】それ、本殿じゃないですよ! 神社の拝殿と本殿のちがいを解説

今回は寺社の基礎知識ということで、神社の拝殿と本殿について。 神社に参拝するとき、多くの人は参道の先にある建物の前までいき、賽銭を投げて鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼の所作でお参りをしているはずです。 しかし、それだけで帰ってしまっていないでし…

【松本市】八坂神社(里山辺) ~希少な茅葺きの三間社本殿~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、松本市の八坂神社(やさか-)について。市内には同名の神社があるので、区別のために所在地の里山辺を付しておきます。 八坂神社(里山辺)は松本駅から東へ3kmほどの場所に鎮座しており、表題のとおり本殿は茅(かや)…

【塩尻市】伊夜彦神社 ~小規模ながら見応え抜群の一間社流造~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、塩尻市の伊夜彦神社(いやひこ-)について。 伊夜彦神社は、塩尻市を代表する名所である平出遺跡や平出の泉のすぐ近くの集落の中に鎮座しています。 見所はやはり彫刻で、諏訪大社上社本宮を造営したことで知られる…

【塩尻市】三嶽神社 ~本殿の床板の張りかたに注目~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、塩尻市の三嶽神社(みたけ-)について。 三嶽神社は塩尻-辰野間の路線(いわゆる大八回り)と中央本線に挟まれた集落の端に鎮座しています。猿田彦が祀られているため、交通安全の神社として信仰されているようです。…

【松本市】神田千鹿頭神社と林千鹿頭神社 ~2つの集落の氏神が同居する~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、松本市の千鹿頭神社(ちかとう-)について。 神田千鹿頭神社と林千鹿頭神社は松本の郊外に鎮座している神社です。両者とも村の鎮守といった感じで、2つの本殿が隣り合って建ち、境内を共有しています。しかしその割…

【松本市】須々岐水神社 ~変種のススキが御神体?~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、松本市の須々岐水神社(すすきがわ-)について。 須々岐水神社(須須岐水、薄川とも表記する)は松本城の2kmほど東に鎮座する神社です。「お船祭り」というお祭りに使う山車は長野県宝に指定されていますが、当記事で…

【諏訪市】北斗神社 ~天空へ突抜ける縦長の境内~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、諏訪市の北斗神社(ほくと-)について。 北斗神社は諏訪大社上社本宮から徒歩5分足らずの距離にあります。 社殿そのものは極めて小規模なのですが、なんといっても境内の様子が尋常ではありません。おそらく、上社…

【松本市】瘡守稲荷大明神と浄林寺 ~城下町の小さなカオス~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、松本市の瘡守稲荷大明神(かさもり いなり だいみょうじん)と浄林寺(じょうりんじ)について。 瘡守稲荷大明神と浄林寺は、松本駅から松本城へ向かう途中にあります。松本の市街を歩いて観光するなら、ちょっとした…

【松本市】沙田神社 ~三の宮ならぬ“産の宮”~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、松本市の沙田神社(いさごだ-)について。 沙田神社は信濃国で第3位の格を持つとされる神社です。 中信地方(長野県中部)のほとんどの神社は大なり小なり諏訪大社から何かしらの影響を受けていますが、ここも例外で…

【下諏訪町】御作田神社 ~わずか1ヶ月で穂をつける早稲~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、下諏訪町の御作田神社(みさくだ-)について。 御作田神社(御作田社)は下社春宮と秋宮の中間、旧中山道の道沿いに鎮座しています。諏訪大社は上社・下社ともに、境内から距離のある場所に摂社末社がぽつんと建ってい…

【松本市】渚大神社 ~幹線道路に隠れた大神社~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、松本市の渚大神社(なぎさ だい-)について。 渚大神社の鎮座する場所は、国道19号線と158号線が交差する場所のすぐ近くです。それなりに大きい神社なのですが、ほとんどの人が存在に気づくこともなく車で素通りし…

【下諏訪町】諏訪大社下社秋宮の境内社と「いいなり地蔵」 ~なんでも叶えてくれるけど...?~

今回は諏訪大社下社秋宮の境内にある摂社末社と、その近くにある「いいなり地蔵(言成地蔵尊)」について。 下社秋宮と対になる春宮の裏にある「万治の石仏」については以前の記事で書きましたが、秋宮の裏にもちょっとした謂われのある石仏があり、その名を「…

【富士見町】乙事諏訪神社 ~ミニマムな諏訪造の社殿に秘められた歴史~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、富士見町の乙事諏訪神社(おっことすわ-)について。 この神社は文字通り諏訪大社の系統で、ここから30分くらいの距離にある諏訪大社上社本宮と似た構造をした、いわゆる諏訪造(すわづくり)の社殿を見られます。 社…

【市川三郷町】一宮浅間神社 ~※甲斐国一宮ではありません~

今回は山梨県の観光地ということで、市川三郷町の一宮浅間神社(いちのみやあさま-)について。なお、一之宮浅間神社(いちのみやあさま-)という表記と読みもあるようです。 表題のとおり、名前に“一宮”を冠していますが、甲斐国(山梨県に相当)の一宮はこの神社…

【下諏訪町】慈雲寺 ~下社春宮の裏の隠れ名刹~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、下諏訪町の慈雲寺(じうんじ)について。 諏訪大社下社春宮の裏手には「万治の石仏」という名所があります。その影に隠れがちですが、実はもう1つ、慈雲寺という名刹もあります。下社春宮の周辺をゆっくりと散策す…

【下諏訪町】諏訪大社下社春宮の境内社と「万治の石仏」 ~爆発的な造形美?!~

今回は諏訪大社下社春宮の境内にある摂社末社などの社殿や、春宮の裏手にある万治の石仏(まんじ-)について。 信濃国一宮・諏訪大社4社(四社)は、4社それぞれ他にない個性をもっていますが、下社春宮に来たなら是非とも見ておきたいのが「万治の石仏」です。 …

【韮崎市】穂見神社中之社(穴山) ~ありきたりだけど個性的な三間社流造~

今回は山梨県のマイナー観光地ということで、韮崎市の穂見神社中之社(ほみ- なかのしゃ?)について。同名の神社が市内にあるため、所在地の"穴山"を付しておきます。 山梨県で穂見神社というと、韮崎市旭町にある奥宮が著名です。同名の神社も多数あり、県内…

【南アルプス市】八幡神社(西野) ~情報求む! 詳細不明、向唐破風の春日造本殿~

今回は山梨県のマイナー観光地ということで、南アルプス市の八幡神社(はちまん?-)について。市内には同名の神社が複数あるので、所在地の"西野"を付しておきます。 今回の神社は、社殿の建築年代はおろか、社名の読みかたも不明です。ウェブで見つけられた唯…

【寺社の基礎知識】切妻屋根の神社建築 主要な4様式の見分けかた

寺院・神社建築の屋根の様式は主に切妻、寄棟、入母屋の3つがあることについて以前の記事で書きました。今回は神社建築における切妻(きりづま)について更に詳しく分類し、"流造"とか"春日造"とか言ったメジャーな建築様式の特徴と、見分けかたのコツについて…

【諏訪市】八劔神社 ~諏訪湖の氷で一年を占う~

今回は長野県の観光地ということで、諏訪市の八劔神社(やつるぎ-)について。 この神社は、信州の冬の風物詩といって過言でないでしょう。「御神渡り(おみわたり)」という言葉は、長野県民ならほとんどの人が聞いたことがあると思います。 御神渡りというのは…

【諏訪市】先宮神社 ~川をまたいで境内へ 橋をはずされた神社~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、諏訪市の先宮神社(さきのみや-)について。 諏訪地域は中山道と甲州街道が合流する要衝で、古くから旅人で賑わった土地です。現在は国道20号線と142号線に役割を譲っていますが、その街道筋は現在でもある程度残さ…

【諏訪市】兒玉石神社 ~巨石信仰の諏訪大社摂社~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、諏訪市の兒玉石神社(こだまいし-)について。 今回は温泉寺が目的で諏訪市に来たのですが、その途中、遠目に見ても独特な存在感を放っている神社を発見しました。見てみたところ、諏訪大社上社の摂社とのことで、…

【下諏訪町】諏訪大社下社春宮の見所を解説 ~せせらぎに包まれた長閑な一宮~

今回は長野県の超メジャー観光地ということで、諏訪大社下社春宮(すわたいしゃ しもしゃ はるみや)について。 下社春宮は諏訪湖の北東に鎮座し、信濃国一宮である諏訪大社4社(四社)の1社です。4社はそれぞれ雰囲気がちがっていて、どの社も他に無い個性があ…

【下諏訪町】諏訪大社下社秋宮の見所を解説 ~街道の交差点に鎮座する一宮~

今回は長野県の超メジャー観光地ということで、諏訪大社下社秋宮(すわたいしゃ しもしゃ あきみや)について。 当記事では下社秋宮の主要な見所について解説いたします。 下社秋宮は、春宮とともに諏訪湖の北東に鎮座する信濃国一宮の1社です。中仙道と甲州街…

【諏訪市】温泉寺 ~諏訪大社の御神体が安置される多宝塔~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、諏訪市の温泉寺(おんせんじ)について。 仏塔というと五重塔や三重塔が有名ですが、二重塔に相当する“多宝塔”はちょっとマイナーな存在です。 二重しかない多宝塔は一見すると三重塔よりも格が落ちるように思える…

【寺社の基礎知識】寺社建築用語集 ま・や・ら・わ行

この記事では、当ブログに頻出する寺社建築用語について簡単に説明いたします。 行別 あ / か / さ / た・な / は / ま・や・ら・わ ま 斗 ます 丸柱 まるばしら み 三手先 みてさき 瑞垣 みずがき む 棟 むね も 裳階 もこし 持出 もちだし よ 寄棟 よせむね り…

【諏訪市】手長神社 ~諏訪大社そっくりの社殿に祀られた土着神~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、諏訪市の手長神社(てなが-)について。 諏訪地域は信濃国一宮・諏訪大社のお膝元のため、その系統の神社が数多くあります。その中には、諏訪大社の祭神・タケミナカタに反発し、屈服させられた土着の神を祀った神社…