甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【京都市】賀茂別雷神社(上賀茂神社) その3 庁屋など

今回も京都府京都市の賀茂別雷神社について。 その1では拝殿などの社殿について、 その2では楼門などの中心的な社殿について述べました。 当記事では庁屋などの境内東側の社殿について述べます。 奈良神社 その1で述べた外幣殿から、「ならの小川」なる川を…

【京都市】賀茂別雷神社(上賀茂神社) その2 楼門など

今回も京都府京都市の賀茂別雷神社について。 その1では、拝殿などの社殿について述べました。 当記事では、楼門などの中心的な社殿について述べます。 楼門 拝殿から橋を渡って進むと、楼門と回廊があり、その内側に本殿が鎮座しています。これらの主要な社…

【京都市】賀茂別雷神社(上賀茂神社) その1 拝殿など

今回は京都府京都市の賀茂別雷神社(かもわけいかづち-)について。 賀茂別雷神社は市北部の賀茂川東岸に鎮座する山城国一宮です。通称は上賀茂神社(かみがも-)。 創建は不明。『山城国風土記』逸文によると677年(天武天皇六年)に社殿を造営したらしく、飛鳥時…

【京都市】月読神社

今回は京都府京都市の月読神社(つきよみ-)について。 月読神社(月讀神社)は桂川西岸の住宅地に鎮座する松尾大社の摂社です。 創建は『日本書紀』によると、第23代・顕宗天皇の時代、月神なるものを葛野郡(嵐山や太秦の近辺)の歌荒樔田(うたあらすだ)という地…

【京都市】松尾大社

今回は京都府京都市の松尾大社(まつお たいしゃ、まつのお たいしゃ)について。 松尾大社は京都市街西端の桂川右岸に鎮座しています。 創建は不明。上古の時代から松尾山の磐座で祭祀が行われていたようです。『秦氏本系帳』によると、701年(大宝元年)、秦都…

【京都市】車折神社

今回は京都府京都市の車折神社(くるまざき-)について。 車折神社は嵯峨地区の住宅地に鎮座しています。 創建は平安末期から鎌倉初期。儒学者の清原頼業(1122-1189)の死後、当地に彼の霊廟と菩提寺(宝珠院)が造られたのがはじまりです。その後、宝珠院は天竜…

【京都市】斉明神社

今回は京都府京都市の斉明神社(さいめい-)について。 斉明神社(斎明神社)は嵯峨地区の南東の住宅地に鎮座しています。別名は神明神社(しんめい-)。 創建は不明。当地はかつて天竜寺塔頭の慈済院(1363年開基)があった場所で、当社はその鎮守社でした。1470年…

【京都市】常寂光寺

今回は京都府京都市の常寂光寺(じょうじゃっこうじ)について。 常寂光寺は市街地西端の小倉山のふもとに鎮座する日蓮宗の寺院です。山号は小倉山。 鎌倉初期、当地には藤原定家の山荘があり、ここで小倉百人一首が編纂されたと言われます。常寂光寺の創建は1…

【京都市】清凉寺(嵯峨釈迦堂) 後編 多宝塔、豊臣秀頼公首塚、一切経蔵など

今回も京都府京都市の清凉寺について。 前編では仁王門と本堂について述べました。 当記事では多宝塔、豊臣秀頼公首塚、一切経蔵などについて述べます。 多宝塔と聖徳太子殿 本堂向かって左、境内の南東には多宝塔が東面しています。 三間多宝塔、銅瓦葺。 1…

【京都市】清凉寺(嵯峨釈迦堂) 前編 仁王門と本堂

今回は京都府京都市の清凉寺(せいりょうじ)について。 清凉寺(清涼寺)は嵯峨嵐山駅の北側の住宅地に鎮座する浄土宗の寺院です。 当寺の前身となった棲霞寺(せいかじ)は、嵯峨天皇の皇子の源融*1が発願し、その子息らによって896年(寛平八年)に開かれました。…

【名古屋市】真宗大谷派名古屋別院(東別院)

今回は愛知県名古屋市の真宗大谷派名古屋別院(しんしゅう おおたには なごやべついん)について。 真宗大谷派名古屋別院は、名古屋の中心市街に鎮座する真宗大谷派の寺院です。別名は東別院(とうべついん)。 創建は1690年(元禄三年)。尾張藩2代・徳川光友によ…

【さいたま市】調神社

今回は埼玉県さいたま市の調神社(つき-)について。 調神社は浦和区の市街地に鎮座しています。別名は調宮(つきのみや)。 創建は不明。社記『調宮縁起』(1668年)によると、第9代開化天皇の時代に創建されたとのこと。創建の経緯については諸説あるようです。…