甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【京都市】伏見稲荷大社御旅所

今回は京都府京都市の伏見稲荷大社御旅所(ふしみいなりたいしゃ おたびしょ)について。 伏見稲荷大社御旅所は京都駅の南の市街地に鎮座しています。 創建は不明。当初は七条油小路(下京区)と八条坊門猪熊(南区)の2か所に鎮座しており、天正年間(1573-1592)に…

【奈良市】興福寺 後編(南円堂、北円堂、三重塔)

今回も奈良県奈良市の興福寺について。 前編では五重塔、東金堂、中金堂などについて述べました。 当記事では南円堂、北円堂、三重塔について述べます。 南円堂 中金堂の前を通って境内西側へ向かうと、南円堂(なんえんどう)が東向きに鎮座しています。堂内…

【奈良市】興福寺 前編(五重塔、東金堂、中金堂)

今回は奈良県奈良市の興福寺(こうふくじ)について。 興福寺は奈良市街の東端に鎮座する法相宗の大本山です。山号はありません。 創建は669年(天智天皇八年)、実質の開山は710年(和銅三年)。 現在の京都市山科に、藤原鎌足の夫人が開いた山階寺(やましなでら)…

【奈良市】漢國神社

今回は奈良県奈良市の漢國神社(かんごう-)について。 漢國神社(漢国神社)は奈良市街の中心部に鎮座しています。 創建は社伝によると593年(推古天皇元年)。当初は園韓神社などと称していたようで、藤原氏の崇敬を受けて、平安京にも分霊されたとのこと。1181…

【諏訪市】諏訪大社上社本宮 後編(拝殿など)

今回も長野県諏訪市の諏訪大社上社本宮について。 前編では神楽殿、勅使殿、入口御門について述べました。 当記事では拝殿などの社殿について述べます。 摂末社遥拝所 布橋を通って拝殿へ向かうと、途中の左手に摂末社遥拝所が北面しています。 この社殿は、…

【天理市】天皇神社

今回は奈良県天理市の天皇神社(てんのう-)について。 天皇神社は市南部にある集落の一角に鎮座しています。 創建は、伝承によると1272年(文永九年)。1396年(応永三年)に現在の本殿が造営され、江戸時代に何度か修理を受けたようです。本殿内部には薬師如来や…

【天理市】大和神社

今回は奈良県天理市の大和神社(おおやまと-)について。 大和神社は市の南東部の集落に鎮座しています。 創建は記紀によれば第10代・崇神天皇の時代とのこと。当初は長岡崎(現在の桜井市内らしい)という場所に祀られ、現在地に遷座したようです。692年(朱鳥二…

【天理市】夜都岐神社

今回は奈良県天理市の夜都岐神社(やつぎ-)について。 夜都岐(夜都伎)神社は市の東部の山際を通る山の辺の道の沿線に鎮座しています。社号は「やつき」「やとぎ」とも読まれるようです。 創建は不明。当地は興福寺や春日大社の社領だったため、「春日神社」が…

【天理市】石上神宮

今回は奈良県天理市の石上神宮(いそのかみ じんぐう)について。 石上神宮は市東部の山際に鎮座しています。 創建は不明。日本最古といえる神社のひとつで、記紀に当社の記述があります。平安時代の『延喜式』には「石上坐布留御魂神社」と記載され、名神大社…

【桜井市】安倍文殊院 白山堂

今回は奈良県桜井市の安倍文殊院(あべのもんじゅいん)の白山堂(はくさんどう)について。 安倍文殊院は市南部の高台の住宅地に鎮座している華厳宗の寺院です。山号は安倍山、次号は崇敬寺(そうきょうじ)。 創建は645年(大化元年)、安倍倉梯麻呂(あべのくらは…

【千曲市】武水別神社 後編(拝殿と本殿)

今回も長野県千曲市の武水別神社について。 前編では高良社などの境内社について述べました。 当記事では拝殿と本殿について述べます。 拝殿 勅使殿の後方には拝殿があります。 神楽殿のような外観をしていますが、立札に「拝殿」と書かれています。 梁間3間…

【桜井市】大神神社と大直禰子神社

今回は奈良県桜井市の大神神社(おおみわ-)について。 大神神社は市の北東部の山際に鎮座する大和国一宮です。 創建は『日本書紀』によると第10代・崇神天皇の時代で、日本最古の神社のひとつ。創建以来、朝廷から篤い信仰を受け、平安時代の『延喜式』では名…