甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【羽咋市】気多大社

今回は石川県羽咋市の気多大社(けた たいしゃ)について。 気多大社(氣多大社)は海沿いの高台に鎮座しています。能登国一宮。 創建は不明。社伝によれば出雲から下向した大己貴命(大国主)が当地の鬼などを退治し、当地に祀られたのが始まりとのこと。 気多大…

【小布施町】玄照寺

今回は長野県小布施町の玄照寺(げんしょうじ)について。 玄照寺は市街地南西部の集落に鎮座している曹洞宗の寺院です。山号は陽光山。 前身は臨済宗・随光寺という寺院で、創建は不明ですが室町末期の戦乱で大きく衰退しています。現在の宗派・寺号となったの…

【長野市】長谷寺

今回は長野県長野市の長谷寺(はせでら)について。 長谷寺は市の南西部の丘陵に鎮座する真言宗智山派の寺院です。山号は金峯山。通称は信濃長谷寺。 創建は34代・舒明天皇の時代とされます。伝承によれば、天皇家から当地へ流罪となった一族が、善光寺如来の霊…

【湖西市】本興寺

今回は静岡県湖西市の本興寺(ほんこうじ)について。 本興寺は浜名湖畔の市街地に鎮座する法華宗陣門流の東海本山です。山号は常霊山。 普門寺(愛知県豊橋市)の末寺であった薬師堂が前身で、行基による開基と伝えられています。現在の宗派・寺号となったのは南…

【磐田市】淡海国玉神社

今回は静岡県磐田市の淡海国玉神社(おうみ くにたま-)について。 淡海国玉神社は磐田市街にある旧中仙道・見附宿に鎮座しています。 創建は不明。『延喜式』に記載された式内社のひとつで、平安期には確立されていたようです。以降、見附(磐田市見付)には国府…

【袋井市】可睡斎

今回は静岡県袋井市の可睡斎(かすいさい)について。 可睡斎は市東部の山間に鎮座している曹洞宗の寺院です。山号は萬松山、寺号は可睡斎。 同市の油山寺、尊永寺(法多山)とともに遠州三山のひとつに数えられます。 創建は室町前期の1401年(応永八年)に、禅僧…

【袋井市】尊永寺(法多山)

今回は静岡県袋井市の尊永寺(そんえいじ)について。 尊永寺は市南東部に鎮座している高野山真言宗の別格本山です。山号および通称は法多山(はったさん)。 同市の油山寺、可睡斎とともに遠州三山のひとつに数えられます。 創建は寺伝によれば725年(神亀二年)…

【袋井市】油山寺

今回は静岡県袋井市の油山寺(ゆさんじ)について。 油山寺は市北部の山間に鎮座する真言宗の寺院です。山号は医王山。 同市の尊永寺、可睡斎とともに遠州三山のひとつに数えられます。 創建は寺伝によれば701年(大宝元年)で、行基によって開かれたとのこと。…

【袋井市】冨士浅間宮

今回は静岡県袋井市の冨士浅間宮(ふじ せんげんぐう)について。 冨士浅間宮は市の北東部の山際に鎮座しています。 創建は社伝によると桓武天皇の時代で、坂上田村麻呂が東征の帰りに当地へ浅間神を勧請したのがはじまりとのこと。室町期には足利氏や今川氏の…

【多賀町】多賀大社

今回は滋賀県多賀町の多賀大社(たが たいしゃ)について。 多賀大社は町の中心部の市街に鎮座しています。 創建については詳細不明。『古事記』には多賀大社と思しき記述があるとのこと。『延喜式』には当社を指して「多何神社」と記載があり、平安期には式内…

【愛荘町】金剛輪寺 後編(本堂、三重塔)

今回も滋賀県愛荘町の金剛輪寺について。 前編では参道と国重文の二天門について述べました。 当記事では国宝の本堂と、国重文の三重塔について述べます。 本堂(大悲閣) 二天門をくぐった先には、圧倒的な風格と存在感を漂わせる本堂(大悲閣)が堂々と鎮座し…

【愛荘町】金剛輪寺 前編(参道、二天門)

今回は滋賀県愛荘町の金剛輪寺(こんごうりんじ)について。 金剛輪寺は町東部の山際に鎮座する天台宗の寺院です。山号は松峯山。 別名は松尾寺。西明寺(甲良町)、百済寺(東近江市)とともに湖東三山のひとつ。 創建は寺伝によれば737年または741年で、聖武天皇…