甲信寺社宝鑑

甲信地方の寺院・神社建築を語る雑記。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【松本市】瘡守稲荷大明神と浄林寺

今回は長野県松本市の瘡守稲荷大明神(かさもり いなり だいみょうじん)と浄林寺(じょうりんじ)について。 現地情報 所在地 〒390-0811長野県松本市中央1-17-11(地図) アクセス 松本駅から徒歩10分松本ICから車で15分 駐車場 なし 営業時間 随時 入場料 無料 …

【松本市】沙田神社

今回は長野県松本市の沙田神社(いさごだ-)について。 沙田神社は奈良井川の西岸の住宅地に鎮座する信濃国三宮*1です。 創建は不明。社伝によると649年(大化五年)、鷺沢嶽(現在の松本市波田)に勅命で神社が創られたのがはじまりで、平安時代に坂上田村麻呂に…

【下諏訪町】御作田神社

今回は長野県下諏訪町の御作田神社(みさくだ-)について。 御作田神社(御作田社)は下社春宮と秋宮の中間、旧中山道の道沿いに鎮座しています。諏訪大社は上社・下社ともに、境内から距離のある場所に摂社末社がぽつんと建っていることが珍しくないですが、この…

【松本市】渚大神社

今回は長野県松本市の渚大神社(なぎさ だい-)について。 渚大神社の鎮座する場所は、国道19号線と158号線が交差する場所のすぐ近くです。それなりに大きい神社なのですが、ほとんどの人が存在に気づくこともなく車で素通りします。かく言う私もその1人で、幾…

【下諏訪町】諏訪大社下社秋宮の境内社と「いいなり地蔵」

今回は諏訪大社下社秋宮の境内にある摂社末社と、その近くにある「いいなり地蔵(言成地蔵尊)」について。 小安社 下社秋宮の幣拝殿の向かって左側、二之御柱の前に、流造(ながれづくり)かつ見世棚造(みせだなづくり)の末社が2軒ならんでいます。 写真右の社…

【富士見町】乙事諏訪神社(諏訪社上社)

今回は長野県富士見町の乙事諏訪神社(おっこと すわ-)について。 乙事諏訪神社は町の中心市街に近い住宅地に鎮座しています。 創建は社伝によると1490年(延徳二年)で、当地の産土神を祀ったのが始まりとのこと。1811年(文化八年)に諏訪明神を勧請し、1853年…

【市川三郷町】一宮浅間神社

今回は山梨県市川三郷町の一宮浅間神社(いちのみやあさま-)について。 一之宮浅間神社(いちのみやあさま-)という表記と読みもあるようです。名前に“一宮”を冠していますが、甲斐国(山梨県に相当)の一宮はこの神社ではなく、笛吹市の浅間神社になります。 現…

【下諏訪町】慈雲寺

今回は長野県下諏訪町の慈雲寺(じうんじ)について。 現地情報 所在地 〒393-0005長野県諏訪郡下諏訪町東町中606(地図) アクセス 下諏訪駅から徒歩20分岡谷ICから車で15分 駐車場 20台程度(無料) 営業時間 随時 入場料 無料 寺務所 あり(要予約) 公式サイト 白華…

【下諏訪町】諏訪大社下社春宮の境内社と「万治の石仏」

今回は諏訪大社下社春宮の境内にある摂社末社などの社殿や、春宮の裏手にある万治の石仏(まんじ-)について。 信濃国一宮・諏訪大社4社(四社)は、4社それぞれ他にない個性をもっていますが、下社春宮に来たなら是非とも見ておきたいのが「万治の石仏」です。 …

【韮崎市】穂見神社中之社(穴山)

今回は山梨県韮崎市穴山(あなやま)の穂見神社中之社(ほみ- なかのしゃ?)について。 山梨県で穂見神社というと、韮崎市旭町にある奥宮が著名です。同名の神社も多数あり、県内では論社として高尾穂見神社(南アルプス市)や当記事で紹介する穂見神社中之社(穴山…

【南アルプス市】八幡神社(西野)

今回は山梨県南アルプス市西野(にしの)の八幡神社(はちまん-)について。 現地情報 所在地 〒400-0213山梨県南アルプス市西野2787(地図) アクセス 中央本線塩崎駅または身延線常長駅から徒歩1.5時間白根ICから車で約3分 駐車場 なし 営業時間 随時 入場料 無…

神社本殿の屋根の造り 前編(主要な様式を解説)

今回は寺社の基礎知識として、神社本殿の屋根の造りについて。 前回は、寺社建築の様式を屋根で分類する方法について大まかに述べました。 www.hineriman.work 当記事では、神社本殿の屋根の様式(造り)について分類し、特徴と見分けかたを解説いたします。 …

【諏訪市】八剣神社

今回は長野県諏訪市の八剣神社(やつるぎ-)について。 八剣神社(八剱神社、八劔神社)は諏訪市街の中心地に鎮座しています。諏訪大社上社本宮の摂社のひとつです。 創建は不明。1443年(嘉吉三年)の御神渡りの記録が残されていることから、室町初期には草創され…

【諏訪市】先宮神社

今回は長野県諏訪市の先宮神社(さきのみや-)について。 諏訪地域は中山道と甲州街道が合流する要衝で、古くから旅人で賑わった土地です。現在は国道20号線と142号線に役割を譲っていますが、その街道筋は現在でもある程度残されています。今回は下社秋宮(下…

【諏訪市】高島藩主諏訪家墓所(温泉寺)と兒玉石神社

今回は長野県諏訪市の高島藩主諏訪家墓所と兒玉石神社について。 高島藩主諏訪家墓所(温泉寺) 所在地:〒392-0003長野県諏訪市上諏訪北垣外10637-15(地図) 温泉寺の高島藩主諏訪家墓所(たかしまはんしゅ すわけ ぼしょ)は、温泉寺墓地の最奥部にあります。 …

【下諏訪町】諏訪大社下社春宮

今回は長野県下諏訪町の諏訪大社下社春宮(すわたいしゃ しもしゃ はるみや)について。 諏訪大社下社春宮は下諏訪町の市街地に鎮座しています。信濃国一宮である諏訪大社の4社に列する一社で、同町に鎮座する下社秋宮と対になる神社です。 創建や歴史について…

【下諏訪町】諏訪大社下社秋宮

今回は長野県下諏訪町の諏訪大社下社春宮(すわたいしゃ しもしゃ あきみや)について。 諏訪大社下社秋宮は下諏訪町の市街地に鎮座しています。信濃国一宮である諏訪大社の4社に列する一社で、同町に鎮座する下社春宮と対になる神社です。 創建や歴史について…

【諏訪市】温泉寺

今回は長野県諏訪市の温泉寺(おんせんじ)について。 温泉寺は諏訪市街東部の山際に鎮座する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は臨江山。 創建は1640年(寛永十七年)。諏訪高島藩の2代藩主・諏訪忠恒によって、慈雲寺(下諏訪町)の泰嶺玄未を招いて開かれました。…

寺社建築用語集 ま・や・ら・わ行

この記事では、当ブログに頻出する寺社建築用語について簡単に説明いたします。 行別:あ / か / さ / た・な / は / ま・や・ら・わ ま 斗ます 屋根などの荷重を柱に伝える部材。組物(くみもの)の構成要素のひとつ。肘木(ひじき)と合わせて使われる。 直方体の…

【諏訪市】手長神社

今回は長野県諏訪市の手長神社(てなが-)について。 手長神社は諏訪市街の東部の斜面に鎮座しています。 創建は不明。社伝によると、当初は桑原郷(現在の諏訪市中心部)の鎮守として、足長神社とあわせて祀られていたようです。鎌倉時代、桑原郷が分割されるに…

寺社建築用語集 は行

この記事では、当ブログに頻出する寺社建築用語について簡単に説明いたします。 行別:あ / か / さ / た・な / は / ま・や・ら・わ は 拝殿はいでん 神社の社殿のひとつ。本殿の前に配置され、参拝のための場所として使われる。 本殿よりも大きい場合がほとん…